タイトルや概要は知っていたが、見るのは初めて。
ディズニー1993年のファンタジー・コメディ。
アメリカではハロウィンの定番の人気作。2022年には29年ぶりに続編が作られた事も話題に。
尚ユニークなこのタイトルは、日本で言う所の“アブラカタブラ”や“ちちんぷいぷい”など呪文やまじないの意味だとか。
17世紀のマサチューセッツ州セイラム。
ウィニー、メアリー、サラのサンダーソン三姉妹は、魔女。
さらった子供の精気を吸い取り、生き永らえてきた。
また一人の少女をさらい精気を吸い取ろうとしていた所を、少女の兄サッカリーが助けに。が、助けられず、サッカリーは呪いで黒猫の姿に。
三姉妹は村の人々に捕まり、縛り首に。死に際、「童貞がハロウィンの夜に黒いろうそくに火を灯した時、私たちは蘇る」と言い残す。
時代変わって、現代(1993年)のセイラム。魔女伝説や三姉妹魔女で有名になったが、実際は誰も信じていない。
LAから転校してきたばかりの高校生マックスもそう。学校では嫌がらせを受け、馴染めない。
ハロウィンの夜。妹ダニーの付き添いでお菓子貰い。
学校で一目惚れした美少女クラスメイトのアリスンの屋敷を訪れた事から、興味本位で森にある今は博物館になっている三姉妹魔女の家へ。
ダニーやアリスンは止めたが、マックスは悪戯で黒いろうそくに火を。
すると、三姉妹が蘇ってしまった…!
再び不死の魂を得ようと子供たちを狙う。その魔の手はダニーに…!
妹に迫る魔女たちの魔の手。
マックスは妹を守る事が出来るか…?
邪悪な魔女たちから町を守る事が出来るか…?
マックスたち子供目線からはそうだが、違う見方もある。
300年ぶりに蘇った三姉妹。
蘇っていられるのはハロウィンの夜だけ。
太陽が昇る前に子供の精気を吸わないとまた死んでしまう。
事もあろうに呪文などが記された魔女の本をマックスに奪われてしまう。
果たして三姉妹は太陽が昇る前に本を取り戻し、精気を吸い、生き永らえる事が出来るか…?
マックスたちのピンチを応援しなければならないのに、何故か魔女三姉妹も応援しちゃう。
そう、悪~い悪~い魔女なんだけど、全く怖くないの。怖さは皆無。なので、小さなお子さんも安心して見れます。
はっきり言って、かなりのおバカ。300年ぶりに蘇った現在にカルチャー・ギャップ。
言うなれば、蘇った3バカ魔女姉妹の現代珍道中。
道路を黒い河と勘違い。自称“魔王”のオッサンを本物の魔王と勘違い。車にギャーギャー、バスって何をするもの…? 空飛ぶ箒を盗まれる始末…。
ね、憎めない。コミカルで、茶目っ気たっぷり。
ベット・ミドラー、キャシー・ナジミー、サラ・ジェシカ・パーカーが実に楽しそうに演じている。
あ、でも勿論、悪~い悪~い魔女ですよ。
対するマックスたち。
マックスは普段はダニーと喧嘩ばかりだけど、実際は妹思い。終盤、ダニーの為に犠牲になろうとする。
アリスンの美少女っぷり!
何よりダニー。ソーラ・バーチだったのか…! この後『アメリカン・ビューティー』や『ゴーストワールド』で若手個性派になるが、そのキュートさと言ったら!
マックスたちに協力するのは、黒猫にされたサッカリー。呪いで死ねない。
魔女を復活させないようずっと見張ってきたが、どっかのバカが蘇らせてしまった。憤慨しつつも、マックスたちの知恵袋。
また、魔女たちへの復讐。妹を救えなかった事から、ダニーに妹の姿を重ね…。
彼らの交流。
仄かな恋。
魔女たちも本を取り戻し、本来の力を発揮。セイラムの子供たちがピンチ…!
全体的にユル~くてコミカルな中にも、ちょっぴりのハラハラと童心たっぷりのワクワク。
ゾンビもナイスキャラ。
最後は兄妹愛とハートフルな感動で締め括る。
いや~楽しかった。
昨今のようなポリコレを意識する事もナシ。こういうのでいいんだよ。
今ディズニーが求めているのは多様性だが、今我々がディズニーに求めているのは本作のようなものかもしれない。