ワンダラーズ

劇場公開日:

ワンダラーズ

解説

'63年のニューヨークのブロンクスを舞台に、そこに集まる様々な人種の少年達の青春群像を描く。製作総指揮はリチャード・R・セント・ジョンズ、製作はマーティン・ランソホフ、監督・脚本は「SF/ボディ・スナッチャー」のフィリップ・カウフマンとローズ・カウフマン、原作はリチャード・プライス。撮影はマイケル・チャップマンが各々担当。出演はケン・ウォール、ジョン・フリードリック、カレン・アレン、トニー・カレム、アラン・ローゼンバーグ、ジム・ヤングス、トニー・ガニオスなど。日本語版監修は野中重雄。イーストマンカラー、ビスタサイズ。1979年作品。

1979年製作/アメリカ
原題または英題:The Wanderers
配給:松竹=富士映画
劇場公開日:1979年12月15日

ストーリー

'63年のニューヨークはブロンクス。人種のるつぼであるこの街では、それぞれの人種ごとにグループを作り、互いに競い合っていた。ギアナ人の“ファラオ”やアイルランド系の“レイズ”に混って、イタリア系グループでディオンのヒット曲にあやかった“ワンダラーズ”は、中でもちょっとした存在だった。司令官でもあるリッチー(ケン・ウォール)は、ハンサムな17歳の少年で、頭がきれて統率力がある。ある日、仲間のターキー(アラン・ローゼンバーグ)が頭をそっているのを見て、驚いた同じグループのジョーイ(ジョン・フリードリック)は、ターキーが、年長の“フォルダム・ボルディーズ”に入るつもりでいるのを知る。“フォルダム・ボルディーズ”は、全員頭を坊主にそり落とした狂気じみたグループで、特に193キロの巨体をもつリーダーは他のグルーブの恐怖の的だ。ある日、リーダーの女にリーダーの悪口を言っているところを聞かれたターキーとジョーイがボルディーズに追われるハメになった。しかし、この危機は、途中現われてくれた超人ハルクのような強い男ペリー(トニー・ガニオス)のおかげで助かった。それがきっかけで、ペリーはワンダラーズの一員になった。翌日登校した一同はひょんなことで黒人グループと対立し、ワンダラーズと黒人グループで果し合いが行なわれることになってしまう。思いあまって、リッチーは夜の顔役でステディのデスピー(トニー・カレム)の父に助けを求め、果し合いを防ぐことに成功。かわりにフットボールの試合が行なわれることになった。ホッとした一同が街に出た時、リッチーはそこでニーナ(カレン・アレン)と出逢った。ステディのいるリッチーはジョーイを紹介し、彼の電話番号を教えた。ジョーイとニーナ、リッチーとデスピーの間で恋のあやまちが展開している頃、TVではケネディ大統領の死を報じていた。いよいよ、黒人グループ“デル・ボマーズ”とフット・ボールの試合の日、乱痴気パーティがきっかけで孤立していたリッチーとペリーが欠け、ワンダラーズは惨々な苦しみ様。途中ジョーイにわびを入れて参加したリッチーのおかげで、ワンダラーズは甦り白熱するが、突然“ダッキー・ボーイズ”が殴り込み、試合はメチャクチャ。その晩、ひとりぼっちのペリーのアパートに泊つたジョーイは、ペリーとカリフォルニアに行くことにする。リッチーとデスピーの婚約パーティの日、リッチーに別れを告げて、ジョーイとペリーは旅に立つのだった。(松竹=富士映画配給*1時間57分)

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写真:Everett Collection/アフロ

映画レビュー

2.5人種間の闘争を描いたアメリカ映画らしい青春群像

2021年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

アメリカ映画における青春群像には、一種独特な雰囲気と形式がある。それは、身分的にも経済的にも区別された様々な人種の混合体と言える。それ故同じ人種のグループ化、その仲間意識が強ければ強いほど対立を生み、トラブルから闘争欲も刺激され社会問題化する。それを映画で表現するには、まず力強いタッチが必要だ。改めてこの作品を観ながら、そのことを思い、結局それがアメリカ映画の面白さのひとつなのではないかと考える。同一民族の日本ではあり得ない文化の複雑さがある。しかし、映画の中身にその表現の力強さは感じなかった。主人公を演じたケン・ウォールという新人俳優にあまり魅力が無いのが致命傷。彼と婚約するデスピー役の女優と恋人ニーナのカレン・アレンの存在感も弱い。青春映画のキャスティングは、演技力以上に俳優に魅力が無いと生きない。監督のフィリップ・カウフマンも初めて見るが、映像はシャープでアメリカ映画らしい演出タッチ。前作「SF/ボディ・スナッチャー」は一部で好評を得たが観ていない。ケネディ暗殺の時代背景のノスタルジーの青春群像劇。
  1980年 5月25日  銀座文化2

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Gustav

3.01963年のブロンクス

2020年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1963年のブロンクス、高校にはいろんな不良グループがいた。
主人公はイタリア系グループで、黒人グループと対決することに、アメフットで。
中国人グループもいるが、最も不気味なのが野蛮な暴力グループで殺人も平気。
親の世代も描き、当時のニューヨークに住む貧困層が抜け出そうとする様子が痛々しい。

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いやよセブン

4.5一つの時代の終焉

2020年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

興奮

人種毎に分かれて形成されるニューヨークの下町ブロンクスの不良グループが、皆同じ高校に通う学生たち。

例外は紅一点?なリンダ・マンズ率いる?スキンヘッド集団ボルディーズとゾンビみたいなダッキー・ボーイズなど、魅力溢れるグループの中でもやはりお揃いのジャケットが最高にイカしているワンダラーズが格好良い。

ケネディ暗殺とラストにはボブ・ディランらしき人物が、仲間との別れにいつまでも馬鹿をやってられない青春時代の終わりと、古き良き時代から新しい文化が始まろうとしているアメリカ。

50'sなスタイルでロックンロールとオールディーズが流れる中、揺れ動いた女性が行き着く先には新しい文化と時代が流れる場で、ただ見つめるだけな戸惑うリッチーが印象的。

次に"The Beatles"が現れる正しく60年代の始まりに戸惑うばかりのリッチーが思い起こされる。

ワンダラーズよ、永遠に......口笛を吹け!!!!

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万年 東一

3.0よかった

2018年8月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

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吉泉知彦