恋愛準決勝戦

劇場公開日:

解説

「いつも上天気」のアーサー・フリードが製作したミュージカル篇。監督は「いつも上天気」のスタンリー・ドーネン。「ラプソディーー」のジョニー・グリーンが音楽担当に当たり、撮影は「リリー」のロバート・プランクが担当した。主な出演者は、「足ながおじさんの」フレッド・アステア、「我が心に君深く」のジェーン・パウエルをはじめ、「イースター・パレード」のピーター・ローフォード、「ガラスの靴」のキーナン・ウィン、「ブリガドーン」のアルバート・シャープ等のほかに、前英首相ウィンストン・チャーチルの娘で、舞台や映画で知られるサラ・チャーチルが、アステアの恋人に扮する。原作・脚色・歌曲作詞は「ブリガドーン」のアラン・ジェイ・ラーナー、作曲はバートン・レーンが担当した。

1951年製作/アメリカ
原題または英題:Royal Wedding
配給:MGM
劇場公開日:1956年2月1日

ストーリー

トム(フレッド・アステア)とエレン(ジェーン・パウエル)のボウエン兄妹はブロードウェイで評判の歌と踊りのチームだった。ある夜、2人はマネジャーのアーヴィング・クリンジャー(キーナン・ウィン)から、ロンドンの事務所にいる双児のエドガァ(キーナン・ウィン)がエリザベス上王の御成婚シーズンに兄妹の公演を決めたときかされた。数日後、兄妹は大西洋航路の豪華船でロンドンに向かった。船中でエレンはジョン・ブリンデール卿(ピーター・ローフォード)というドン・ファンと知り合いになった。兄妹は船中でも踊りの稽古に精出したが、ジョンに接近したエレンは何かと怠け勝ちだった。ロンドンは御成婚で沸き立ち、エレンはジョンの招きで田舎の屋敷見物に出かけた。一方トムはエドガアと踊り子のテストに赴いたが、そこで踊り子の1人アン・アシュモンド(サラ・チャーチル)と知り合い、彼女にはシカゴに許嫁がいるにも拘らず、2人の親しさは増して行った。ショウの初日は大成功だった。しかし、その夜の祝賀パーティに出席したトムとエレンはお互いにパートナーの不在で淋しそうだった。だが程なくして現われたジョンにエレンは狂喜し、その夜のテームス河岸で2人の心は結ばれた。アンを想う心から彼女の許嫁ハルの動静を案じたトムはアーヴィングに調査を依頼したが、ハルはシカゴであるショウ・ガールと婚約したことが判った。別居していた両親の仲も元に戻って幸せなアンは、トムの報告をきいて、彼に対する愛情を明らかにし、2人は初めて幸福を味わった。御成婚後間もなく、教会では2組の結婚式が挙げられ、街に溢れる群集の祝福を受けた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第24回 アカデミー賞(1952年)

ノミネート

主題歌賞
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映画レビュー

5.0『2001年宇宙の旅』をリスペクトしている。 理屈は在り過ぎるのだ...

2023年9月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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When I am 75♥️

4.0カメラは踊る

2022年2月23日
iPhoneアプリから投稿

プルーストは『失われた時を求めて』において万人に共通する客観的時間とは違った、主観的時間というものが存在していることを示した。要するに、印象的な思い出についてはいくらでも語れるけど、どうでもいいことについてはそれがあったかさえも思い出せない、というやつ。 こういうことは時間以外のことにもいえる。たとえばものすごく楽しいことがあったとき、私はすれ違う人や動物や建物さえもが小躍りしているかのように見えることがある。ただこれはあくまで私にはそう見えたというだけだから、もちろん実際にはそんなことは起きていない。「ホントにそうだったんだよ!」と私が言ったところで「お前の中ではな」と返されるのが関の山だ。 ミュージカル映画とは、主観的なものの見え方・感じられ方を前面化し、誇張するものだ。ミュージカル映画では登場人物の心境があらゆる現象を引き起こす。主人公が何かを感じると、それに沿った音楽が流れ、街ゆく人々までもが一緒になって踊り出す。 本作も例に漏れず、トムやエレンの色恋沙汰に合わせてさまざまなトーンのミュージカルが展開される。殊にフレッド・アステア扮するトムの卓抜したタップダンスにはジャッキー映画の音ハメアクションのような気持ちよさがある。 とはいえ何を措いても言及せねばならないのは、トムが部屋の中で意中の女性のことを思い浮かべながら部屋をグルグル歩き回るシーンだろう。ここは本当にすごい。トムが壁に足をつけたかと思うと、なんと壁を歩行し始める。すると今度は天井、反対側の壁、床、といった具合に部屋の中を文字通り縦横無尽に歩き回る。 種明かしをすれば、これはグルグル回転する巨大な「部屋」のセットに固定されたカメラが捉えた映像だ。つまりフレッド・アステアが動いているのではなく、部屋とカメラが動いている。言わずもがなこの手法はスタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』やクリストファー・ノーラン『インセプション』等でも用いられることになる。 ミュージカル映画は主観的なものの見え方・感じられ方を誇張したものであると私は述べたが、さすがにこの発想はなかった。でも実際トムのソワソワした心境がものすごくリアルに伝わってくるし、これ以上の演出はないと思う。街ゆく人々が踊り出すのなら、背景やカメラが踊り出したって何も不思議じゃないものな。 本流であるメロドラマそのものにさしたる面白味がなかったことが玉に瑕だが、それでもミュージカル映画としては文句のつけようもなく傑作だった。 ラストのエリザベス女王結婚式典の映像はちょくちょく本物の映像が混ざってたんだろうか?時折見分けがつかなくなるくらいライブ感があってよかった。

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因果