レザボア・ドッグスのレビュー・感想・評価
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傑出した才能 いや異常なほどに特異な才能であるというべきもの それが全編に証明されていると思います
これはタランティーノ版「どん底」だと思います
「どん底」はご存知黒澤明監督の1957年の作品
もちろんのこと筋立てもゴーリキーの原作ともまるで関係ありません
それでも観て感じるのは、これはタランティーノ版「どん底」だという印象です
結構な長回しとマルチカメラ、俳優の演技力を信じきって突き放した演出
それらが異常な緊張感となって全編を支配しています
タランティーノ節の原点です
お話はハッキリ言ってどううでもいいことなのだと思います
最初の10分の与太話と同じです
観るべきは独特の脚本とカメワークに追いまくられ追い詰められる俳優達のハイテンションです
それがどのようにタランティーノだけが撮りうる映像であるのかということです
傑出した才能
いや異常なほどに特異な才能であるというべきもの
それが全編に証明されていると思います
強奪シーンのない宝石店強盗物語
宝石店強盗のシーンがあるものだと思っていたら、肩透かしを食らった気分になりましたが、省いても十分面白いし、大丈夫なんだ!と驚愕。同監督の『パルプ・フィクション』の原点とも言えれる本デビュー作。時系列いじりや無駄な与太話も炸裂し、強盗の結果であるダイアモンドもブシェーミが持ってる話すだけ。ストーリーは「誰が裏切者なんだ?」ということに終始する。
雇われた6人はブラウン、ピンク、ホワイト、ブロンド、オレンジ、ブルーとコードネームのように色で呼び合うようにジョーとエディによって指示される。ブラウン(タランティーノ)が死んだというのは予想通りだったが、ブルー(エドワード・バンカー)はどうなったんだ?というくらい存在感がない。
黒ずくめのスーツにサングラスといったギャングらしいスタイルもいいが、このショットはほんの僅か。むしろ血まみれのオレンジ(ティム・ロス)と彼をいたわるホワイト(ハーベイ・カイテル)の襲撃後の後始末の様子がメインだ。病院に連れていきたいが強盗団だけに難しい。やがてメンバーが集合場所である倉庫に集まり始め、疑心暗鬼の心理劇となるのです。
どこを省いてどこをメインにするか。ホワイト、ブロンド、オレンジはちょっとした章立てに組み込まれているものの、彼らの過去の犯罪歴や性癖なども明らかではない。わからない部分があるからこそ観客目線でも推理ができるし、人物相関図も個々の性格も思い描くことができるのです。
残虐なシーンの一つ、捕えた警官の耳を削いで話しかける場面にもゾッとするし、人間性を失った者とそうでない者の対峙にも痺れるほど。4ページの小話を暗記しなければならなかったり、ブラックが人気だったりすることも面白い。「ライク・ア・ヴァージン」論議も下ネタすぎるけど、記憶に残りそうだ・・・
タラ映画の原点
悲しく切ないけれど、最高にクールな愛すべき仲間割れ
洋画初心者、遂にタランティーノデビュー!
ありがとうございます。
ハマらせていただきました。
ストーリーは、宝石強盗に失敗した6人組が、自分たちの中に裏切り者(警察の犬)がいるのではないかと仲間を疑い始めるという簡単なわかりやすい話なのですが、各キャラクターごとにピックアップしていき、少しずつ事件の全貌が浮かび上がってくるという作りはよくできていました。
強盗前→強盗後→強盗
といったように、時系列に並んでいないので、分かりにくくなるかと思いきや、全然そんなことはありません。
やってることも、殺人、強盗、拷問等々重苦しくて、嫌な内容なのにそれを感じさせない登場人物たちの憎めないキャラクター性とテンポの良い話の運びがとにかく最高でした。
皆さん仰っている通り、オープニングが最高にカッコいいのは間違いありません。
全体的にもカッコ良いですが、僕はやはり発砲シーンが最大の魅力のように感じました。
警察だろうが、人質だろうが、仲間だろうが、撃つ時は撃つ。
それこそが彼らの仁義。そして友情。
ブラウン、ホワイト、ブロンド、ブルー、オレンジ、そしてピンク。
トレード?野球の選手じゃないんだから。
追記
僕が唯一見たことのある野球の試合は、現地で見たブリュワーズの試合だったので、ブリュワーズの名前が出たことには感謝(?)感激です。
注意
【”カラフル”な人々の”犬死”の様をスタイリッシュに描いたタラちゃんデビュー作。傑作である。】
内容は人口に膾炙しているので、久々に観た”率直な感想”のみ記す。
1.今作以降、タラちゃんの映画はドンドン長尺化していくが、今作は僅か100分で、超一流のクライムムービーとして見事に成立している。無駄がないのである。
2.登場人物は、”ジョー”の指示により、”カラフル”な名前を与えられるが、
・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)
・ブロンド(マイケル・マドセン)
・オレンジ(ティム・ロス)
の3人のみ、劇中、テロップが流れた後、ダイヤモンドを奪う前の姿が描かれる。(で、彼らの本当の姿が”観客にだけ”分かる。)
タラちゃんの構成が、上手すぎる・・。
ちなみに、タラちゃんが扮したブラウンは逃走中、車中で敢無く絶命・・。(立場を弁えている・・)
3.オレンジが、一般市民の女性に撃たれ、反射的に撃ち殺してしまった後、死に瀕して、自暴自棄になる気持ちと、最後まで任務を全うしようとする姿が絶妙である。
ホワイトが最期まで”オレンジは仲間だ,良い奴だ”と命懸けで庇う姿。
銃撃戦の後、オレンジが瀕死のホワイトに謝るシーン。
そして、ホワイトの慟哭の後の銃撃音・・。(このシーンのハーヴェイ・カイテルが凄い。今作は、全編に亙り、ハーヴェイ・カイテルが引っ張っているのだが・・。)
<この作品の尺は100分であるが、体感60分である。それで、充分すぎる位に凄い映画を観たなあ、という満足感を得られる作品はそうはあるまい。傑作である。>
地獄絵図のらしさ
タランティーノ監督の嗅覚
今や〝伝説〟のタランティーノの監督デビュー作を初見。
広い意味でのギャングもの。
と思って観てたのですが、ラストになるまで何か違和感が消えないままでした。
色々と工夫を凝らした奇抜な展開は、この映画以降の作品でも数え切れないほどたくさんありますが、独特の会話と人物造形と間は今観てもまったく新鮮さを失っていないことに驚かされました。
違和感の正体、というより、私が勝手に感じたもの、それはたぶん〝色気〟なのだと思います。
LAコンフィデンシャルのキム・ベイシンガーとかLAギャングストーリーのエマ・ストーンのような裏社会ものによく出てくる超絶美女が登場するわけではありません。
ただ、ティム・ロスとハーベイ・カイテルを中心に、それぞれの男から匂い立ってくるものが、単なるプロ意識とか友情とかのありきたりの言葉ではどうにも表し切れないかぐわしさを帯びているように感じられるのです。
警察犬にしか感じることのできない〝草〟の匂いと同じように、タランティーノ監督にしか感じることができない〝男の色気〟みたいなものを映像化した、うまく言えませんが、そんな印象が強く残りました。
パルプフィクションより前に観るのが正解
ぎりぎり合格というところでしょうか
構成の妙
白、橙、金、桃、茶、青
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