リラの門

劇場公開日:2021年10月22日

リラの門

解説・あらすじ

フランスを代表する巨匠ルネ・クレール監督が、お人よしの男が殺人犯をかくまったことから巻き起こる騒動を描いた人情喜劇。パリの下町で暮らすジュジュは、仕事もせずに酒に溺れる毎日を送っていた。そんなある日、近所に暮らす音楽家の友人の家に、警官を殺したピエールが逃げ込んでくる。2人はピエールを追い出そうとするが、負傷した彼を放っておけず、かくまうことに。ところが、ジュジュがひそかに思いを寄せているマリアがピエールに夢中になってしまい……。「天井桟敷の人々」の名優ピエール・ブラッスールが、ろくでなしだが憎めない主人公ジュジュを熱演。シャンソン歌手ジョルジュ・ブラッサンスが音楽家の友人役を演じる。1957年製作・公開。2019年6月、クレール監督の生誕120周年を記念して4Kデジタルリマスター版が公開。2021年10月にもルネ・クレール没後40周年にあわせた「ルネ・クレール レトロスペクティブ」でも4Kデジタルリマスター版が公開。

1957年製作/99分/フランス・イタリア合作
原題または英題:Porte des Lilas
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2021年10月22日

その他の公開日:1957年10月6日(日本初公開)、2019年6月22日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第30回 アカデミー賞(1958年)

ノミネート

外国語映画賞  
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(C)1956 ─ TF1 DROITS AUDIOVISUELS ─ RIZZOLI FILM ─ SECA

映画レビュー

4.0 【”ロクデナシな男の密やかなる善行。”今作は無職で酒飲みの善なる男と、友人の芸術家が偶然に人殺しを匿った事から起こる、一人の女を巡る悲喜劇を描いた逸品である。】

2025年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■仕事もせず年老いた母が働く中、日々酒を飲んで過ごすジュジュ(ピエール・ブラッスール)。
 ある日、臨家の友人でもある芸術家(ジョルジュ・ブラッサンス)の家に警官殺しのピエール・バルビエ(アンリ・ヴィダル)が逃げ込んでくる。
 2人は彼を追い出そうとするが、手から血を流している事に気づき、芸術家の家の地下室に匿う事になる。
 ジュジュは、密かに想いを寄せる酒場を営む男の娘のマリア(ダニー・カレル)に、その事を喋ってしまう。
 彼女は一人で芸術家の家に行った際に、ピエールに脅されるもキスをされ夢中になり、彼の南米に行こうという誘いに乗ってしまうのであった。

◆感想

・ジュジュはロクデナシではあるが、暴力は振るわない。何処か、達観したかのように毎日を生きている。それは友人である芸術家も同じである。

・二人は、イケメンの殺人犯ピエール・バルビエを最初は拒絶するが(当たり前である。)怪我をしているのを見て、手当てをし地下室に匿って上げるのである。人が良いとしか言いようがないが、今作を観ているとそれが当たり前のように思えるのである。

・ピエール・バルビエは芸術家が演奏をするマリアの父が営む酒場に出掛け、自分がキスをしたマリアがカウンターの中で働いている姿を見る。
 そして、マリアを誑かして父親の金を盗ませて、共に南米に行こうと誘うが、実は彼はマリアとは別の地に行こうとしていたのである。

・その事実を知ったジュジュは、彼を問い詰める。そしてピエール・バルビエから拳銃を向けられるも怯まずに、マリアの為に立ち向かうのである。そして倒れ込んだ二人から銃声が響くが立ち上がったのは、ジュジュ一人だったのである。

<今作は無職で酒飲みの善なる男と、友人の芸術家が偶然に人殺しを匿った事から起こる一人の女を巡る悲喜劇を描いた逸品である。>

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NOBU

4.0 彼は何故そこまで必死になったのか?

2024年7月1日
PCから投稿

決して裕福とはいえない
貧しい街の住民の人情物語。

その日さえ幸せなら良い。
金はないが心は持ち合わせている。
恋する人の為なら
人助けの為なら
己の身を削る男の話。

彼は何故そこまで必死になったのか?
コソ泥ではあるが、根は善人だった。

ルネ・クレール監督という人は
何でもない時間を提供してくれる
その「何でもない」が素敵だ。

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星組

4.0 今の時代にそぐわない

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

と思うような筋立てだが
かつて僕が訪れたパリならあり得るかな?
10年ほど前の都内ならあり得るかな?

とふと思い違いをしつつ観てしまった人情映画

こと欧米では階級社会で自分より低いところに
人を置くことで安心するそうだが
低い位置にいても人間であることに変わりはなく
それぞれに個性がある◎

興行的成功云々ばかり追求するばかりでは
産まれない良い映画の一つ。

知れて良かった(^^)

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tomokuni0714

5.0 可笑しくて、面白くて、やがて悲しくて、ペーソスがあって、何だか深い 観終わった味わいは寅さんと同じなのです

2023年8月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

最近、なにやらパリで「男はつらいよ」のシリーズの全作上映会が人気らしいそうです
へえーそうなんだとびっくりしまよね

ですが、本作を観たなら、そりゃウケるはずだよと思うはずです

観終わった味わいは寅さんと同じなのです
可笑しくて、面白くて、やがて悲しくて、ペーソスがあって、何だか深い
もしかしたら、寅さんは本作を下敷きにしているのかもなんて思いました
寅さんのマドンナなんて完全にマリアです

全くもって何から何まで惚れ惚れするような演出の数々とそのキレ味
流れるようにスマートな語り口
ケチのつけようが有りません

大好きな映画です!

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あき240