ラウンド・ミッドナイト

劇場公開日:

解説

1940年代、50年代の代表的ジャズプレイヤーと、彼を神のように尊敬する若者の交流を描く。製作はアーウィン・ウィンクラー、監督は「田舎の日曜日」のベルトラン・タヴェルニエ、脚本はタヴェルニエとデイヴィッド・レイフィール、撮影はブルーノ・ディ・カイゼル、音楽はハービー・ハンコック、編集はアルマン・ペスニー、衣裳はジャクリーヌ・モローが担当。出演はデクスター・ゴードン、フランソワ・クルゼなど。

1986年製作/133分/アメリカ
原題または英題:Round Midnight
配給:ワーナー映画
劇場公開日:1986年10月10日

ストーリー

パリ、1959年。アメリカのテナー・サックス奏者デイル・ターナー(デクスター・ゴードン)がクラブブルーノートに出演するためにやって来た。盛りを過ぎたとはいえ長年、サックスの巨人として君臨してきたデイルの来仏は、パリのジャズ・ファンの心をときめかした。デイルを迎えたのはクラブの音楽監督でピアニストのエディ・ウェイン(ハービー・ハンコック)やヴァイブのエース(ボビー・ハッチャーソン)といった気心の知れた仲間たち、それにクラブのオーナー、ベン(ジョン・ベリー)らであった。クラブは久々に大物の来場で湧き返った。その音を、クラブの外で雨にうたれながらじっと聴いている若者がいた。貧しいグラフィック・デザイナーのフランシス・ボリエ(フランンワ・クリューゼ)で、彼はみすばらしいアパートで待っていた9歳の娘ベランジェール(ガブリエル・アケル)にその感激を語って聞かせた。「彼は神のように素晴らしかった!」フランシスは妻(クリスチーヌ・パスカル)と別れ、男手ひとつで娘を育てていたのだ。やがてデイルとフランシスは意気投合--英語が分からないベランジェールもデイルに親しんだ。しかし、フランシスには不安もあった。デイルはアル中で、酒が入ると姿をくらませてしまうのだ。フランシスはデイルを家に引き取り、面倒を見ることにした。数ヵ月後、ついに別れの時がやって来た。デイルがニューヨークヘ帰る日が来たのだ。パリ在住のジャズメンを招いての賑やかなファミリー・パーティ、待望のスタジオ録音、リヨンへの旅など数々の思い出を残して…別れ難いフランシスはデイルについてアメリカに行く決心をかためた。だがアメリカでのデイルの演奏は若い聴衆には受け入れられず、失意の日々が続いた。フラスシスはそれが耐えられず、今度こそ本当に別れを告げ、パリに旅立った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第44回 ゴールデングローブ賞(1987年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) デクスター・ゴードン
最優秀作曲賞 ハービー・ハンコック
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映画レビュー

3.5デイルターナー人生を語る

2024年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

デクスターゴードン扮するジャズサックス奏者デイルターナーはブルーノートでタイムゴーズバイを演奏し始めた。

名演奏者はえてして酒びたりでしわがれ声で体調が悪そうなイメージがあるよね。ジャズと酒はつきものみたいなものかな。名古屋でもブルーノートがあったのに閉めてしまって残念極まりないね。本編はデイルターナー人生を語るって感じかな。

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重

4.5「デイル・ターナー通りも悪くない」。 もちろん、「デクスター・ゴードン通り」だって。

2024年9月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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TRINITY:The Righthanded Devil

3.5CHAN’S SONGが沁みる。

2023年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ストレオタイプな酒とドラッグに溺れるジャズマンが主役だけど、NYのみならずパリも舞台にすることで、ワンパターンの展開に変化を感じられる。デクスターゴードンのしわがれた声とサックスの太く枯れた音色が、やけにリンクする。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

4.0ジャズに生きるしかなかった男の話

2023年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

いまでこそ東京の南青山に「Blue Note TOKYO」があり
誰もが「ジャズ=おしゃれ」などと思うが
これはジャズが泥臭いと思われていた時代の
1950年代後半のパリを舞台に
その演奏で生活していた男の物語である。

ジャズ演奏家とひとりのファンの出会い。

当時はまだ恵まれない環境の中でも、
演奏さえできれば「金のことは考えない」
そして毎日、酒に溺れ朝を迎えた。
いつ死んでもおかしくない男を再生させたのは
パリに住むデザイナーであった。
まずは環境を変え、正規のギャラを受け取るようにさせた。
次第にジャズ演奏家は生気を帯び復帰を果たしたが、、、。

この作品には本物のジャズ演奏家の
デクスター・ゴードンが主演しており
その自然な振る舞いは称賛された。
またNY興業師にマーティン・スコセッシ(映画監督)が
出演していて、独特の早口は忙しい仕事師を印象付けた。
薬の売人など、ジャズ演奏家をカモにする者など
当時を思わせるようなエピソードも出てくる。

主人公のモデルはピアニストのバド・パウエル
彼の曲「クレオパトラの夢」は今もCMで使われている。
聞けば、あぁこの曲か、と思う人もいるはずだ。

この映画はジャズファンだけではなく
不遇な扱いを受けている人間
音楽と時代を知るドラマとして
鑑賞するに値する出来である。

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星組