ラヴ・パレイド

解説

「レビューのパリっ子」に次ぐモーリス・シュヴァリエ氏主演映画で、ジュールス・チャンセル氏とレオン・ザンロフ氏合作の舞台劇に基いてガイ・ボルトン氏が喜歌劇に脚色したものを、エルネスト・ヴァイダ氏が脚本化し、「思い出」「禁断の楽園」のエルンスト・ルビッチ氏が監督したもの。助演者は「放浪の王者(1930)」のジャネット・マクドナルド嬢を始めとして「素晴らしいかな人生」のルピノ・レーン氏「ハニー」のリリアン・ロス嬢で、その他ライオネル・ベルモア氏、ユージーン・パレット氏、カールトン・ストックデール氏、エドガー・ノートン氏、ヴァージニア・ブルース嬢、マーガレット・フィーリー嬢等も出演している。キャメラは「アイスクリーム艦隊」「テキサス無宿」のヴィクター・ミルナー氏で、この映画の歌詞はクリフォード・グレイ氏が新たに書き下ろし、ヴィクター・シェルツィンゲル氏が作曲した。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Love Parade

あらすじ

ヨーロッパ、仮想王国シルヴァニアは女王様のルイズ殿下が治め て、国富み民豊かで平和を謳歌していた。しかし内閣大臣諸公は女王様が未だに独身であることに心痛していた。或る時シルヴァニアからパリに派遣されていた伯爵アルフレッドが女のことで味噌をつけて帰国した。伯爵のパリ行状記の詳細な報告を手にした女王様は、伯爵を召して彼がどんな風にロメオの役を射とめたかを物語らしめた。ところが話にひどくみが入って女王様自身が伯爵の恋物語の相手役を演じ出した。その様を見た大臣達は女王様が結婚されるようになればいいと念じたのである。女王様と伯爵との恋模様が熱度を加えると伯爵の侍者ジャックと女王様の腰元ルルとを恋に陥らしめた。かくて伯爵は女王様の婿君となったが、やがて伯爵は女王様の婿君という役割に嫌気を感じ始めた。事毎に伯爵は妻である女王様の命令に服従しなければならなかった。或る晩彼はオペラの初日の晩に見物に行くようにという命令を受けたが彼は拒絶した。で女王様は一人で出掛けた。ところが伯爵は後からやって来て今晩までは言う事を聞くが明日の朝パリに向かって出立し、パリで離婚が出来るようにすると言明した。そして彼が一人の踊り子にひどく熱心に見入っているのを女王様は嫉妬しないではいられなかった。その夜晩く伯爵は旅行の支度に取りかかった。女王様は行かないでくれと頼んだが伯爵はひどく冷淡だった。女王様は到頭宮殿に留ってくれるなら伯爵が王位に即くことが出来るようにすることを誓った。伯爵は王としてシルヴァニアを、夫として女王様を統治することが出来るようになったので、もともと女王様を愛している彼は喜んでパリ行をやめた。かくてシルヴァニアは女王様と共に王様をも持つこととなったのである。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 アカデミー賞(1930年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 エルンスト・ルビッチ
男優賞 モーリス・シュバリエ
撮影賞  
美術賞  
音響録音賞  
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映画レビュー

4.5女王の夫

2025年3月18日
Androidアプリから投稿

ルビッチ監督の初トーキー映画
フランスの戯曲を脚色

ジャネット・マクドナルドが抜擢され、これで映画デビュー
入浴シーンとかネグリジェ姿とか
豪華だけど露出の多いドレスとか (足が綺麗)
当時にしてはサービスカット満載みたいだけど
なんとなくお洒落で優雅に見える

それから、美術のハンス・ドライアーは
ルビッチの勧めでハリウッドに移ってきて大御所になっていった人みたいだった

冒頭にファッション誌みたいなものが映るが
映画や王室と流行の関係も連想した

「Dream Lover」に「擲弾兵(Grenadiers)の行進」がかぶさってゆく処に
女王の義務と矜持と彼女の側の苦しい立場も感じられる

ルピノ・レーンとリリアン・ロスの歌と踊りが
かなりのインパクト
アフガニスタンの大使も(笑)

芸人として酸いも甘いも噛み分けてきたような
シュヴァリエの存在もやっぱり大きいかな

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jarinkochie