ライオン

劇場公開日:

解説

ジョセフ・ケッセルのゴンクール賞受賞小説「ライオン」をアイリーン・キャンプとルイス・キャンプが共同で脚色、「青い目の蝶々さん」のジャック・カーディフが監督したアフリカを舞台にした人間ドラマ。撮影はカーディフの助手だったテッド・スケイフ、音楽は「脱走」のマルコム・アーノルドが担当している。出演者は「偽の売国奴」のウィリアム・ホールデン、「戦艦バウンティ」のトレヴァー・ハワード、「アラスカ魂(1960)」のキャプシーヌ、「回転」のパメラ・フランクリンなど。製作は「砂漠の女王」のサミュエル・G・エンジェル。

1962年製作/アメリカ
原題または英題:The Lion
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1963年2月9日

ストーリー

アメリカの弁護士ロバート・ヘイワード(ウィリアム・ホールデン)は、有名な狩猟家ジョン・ブリット(トレヴー・ハワード)と再婚した妻クリスチン(キャプシーヌ)に呼び出されてはるばるケニア山麓の動物保護地区に小型飛行機でやって来た。理由は二人の間に生まれ、11歳になる娘ティーナ(パメラ・フランクリン)の養育のことだった。養父ブリットになついてすっかり野育ちになり、ジャングルの掟に従って生活しているティーナは、実父の来たのを喜ばない。ロバートとクリスチンが互いにヨリを戻そうとする気配に、ブリットも心穏やかでない。ある日ロバートは、ジャングルで病気で死にかけている老酋長オルカルをみつけ、家へ引き取って手当てした。死にかけている者はジャングルに捨てるという原住民のタブーを信じているティーナは、ナイロビの学校に行くのもやめていたのだ。思いつめたクリスチンはティーナを説得してロバートとアメリカに行くようにしてくれるなら、いつまでもブリットの妻でいると約束した。オルカルの息子オリウンガの酋長就任式に招かれた4人は、ティーナが原住民の花嫁になるという儀式を見てショックをうけた。そこへブリットの腹心キホロの監視を逃れて現れたオルカルが、ライオンと一騎打ちして勝たねば酋長になる資格はないと言って叱るとオリウンガはやって来たキホロを殺してしまった。キホロを失ったティーナはライオンのキングに慰めを求めた。ライオンを殺しにやって来たオリウンガとキングは死闘を始め、駆けつけたロバートは止めようとして負傷した。キングはブリットに射殺され、オリウンガも息絶えた。この事件で急に大人びたティーナはブリットに対する愛情が冷却し、ジャングルにも愛着がなくなった。それを知ったブリットは、アメリカへ帰るロバートたちが小型飛行機で発つ日、動物保護地区の番人を辞して、いずこともなく立ち去っていった。

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