喜びなき街

解説

ヒューゴー・ベタウァー氏作の小説からウィリー・ハース氏が脚色したものをG・W・パブスト氏が監督したもので「裏町の怪老窟」等出演のヴェルナー・クラウス氏、アスタ・ニールセン嬢及び新進のスウェーデン女優グレタ・ガルボ嬢(現在は米国に在り)が競演し、ヘンリー・スチュアート氏、グレゴリー・クマラ氏、アグネス・エステルハツィ伯爵夫人、アイナル・ハンソン氏、タマラ嬢、ロバート・ガリソン氏等助演者の顔振れは素晴らしいオール・スター・キャストである。無声。

1925年製作/ドイツ
原題:The Joyless Street Die freudlose Gasse

ストーリー

大戦に敗れたドイツ・オーストリアの国々が悲惨な運命の試練に喘いでいた頃、小巴里と誇ったウィーンの都も今は蒼ざめていた。貧富二階級に分れてしまって、貧者の窮乏は極まった。エゴンはロズノフの秘書で娘レジナに思いを寄せていたが或夜昔の恋人リアと風評の悪いホテルへ行って、帰った後リアが殺され、彼は殺人の嫌疑を受ける身となった。ロズノフは奸商の策に誤られ株式の変動を惹起した。ルムホルトは其の犠牲となった。其の娘グレーテも恋人である米国士官デーヴィーと別れて後は食糧品買いにも自ら赴かねばならなかった。エゴンの冤罪はやがて真犯人の自首で晴れ、レジナと新しい生活を始めることが出来た。グレテも危うく魔の手に陥るところだったがデーヴィー中尉と再会して救われた。貧しい女達を弄んでいた金持ちの肉屋の主人は或る日血みどろの死体になっていた。横道者の最期は弱い人々の喜びであった。

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