夜の訪問者
劇場公開日:1971年4月10日
解説
南仏の或る港町の平和な家庭に突如、訪れた危機。サンペンスいっぱいにその闘いを描く。製作は「告白」のロベール・ドルフマン、監督は「007/危機一発」「暗くなるまで待って」のテレンス・ヤング、リチャード・マシスンの原作をシモン・ウィンセルベルクと「地下室のメロディー」のアルベール・シモナンが共同脚色、撮影は「シェルブールの雨傘」のジャン・ラビエ、音楽は「軍曹」のミシェル・マーニュ、美術をトニー・ローマン等が各々担当。出演は「狼の挽歌」のチャールズ・ブロンソン、「ペルソナ」のリヴ・ウルマン、「ブルー・マックス」のジェームズ・メイソン、ブロンソン夫人で「狼の挽歌」のジル・アイアランド、その他、「アルデンヌの戦い」のミシェル・コンスタンタン、ジャン・トパール、ルイジ・ピスティリ、ヤニック・ドリュールなど。
1970年製作/フランス
原題または英題:Cold Sweat
配給:東和
劇場公開日:1971年4月10日
ストーリー
南仏の港町、ビルフランシュでジョー(C・ブロンソン)は観光客相手の釣船商売をし、妻ファビアンヌ(L・ウルマン)と娘ミシェール(Y・ドリュール)と三人で、静かな生活を送っていた。が、ある夏の夜、突然あらわれた一人の訪問客によって大きくその生活は揺らぎはじめる。ホワイティ(M・コンスタンタン)と名のる男は、ロス(J・メイソン)の依頼といいジョーの船で奇妙な輸送品を運べと強制する。朝鮮戦争の時、ジョーは営倉でロス等と知り合い、運転の腕をかわれて脱走計画に乗るが、無用の殺人が行なわれ、あまりの事にジョーはロス等を置き去りにして車を走らせた。そして七年、ジョーはたち切ったつもりでも、ロス等はその絆を切っていなかったのだ。現在の生活に不足のないジョーは無論断った。激しい口論の末、乱闘となり、ジョーはホワイティを絞め殺す。妻に全てを打ちあけ、二人で死体を崖から投げ棄てて家に帰ってみると、ロスと手下のカタンガ(J・トパール)とファウスト(L・ピスティリ)が待っていた。ファビアンヌを人質にロス等は船を出せと迫った。やむなくジョーはカタンガを乗せて出発する。沖にはトルコの船が待っていて、麻薬の取引きをすると言う。船の強引な操作でバランスを失ったカタンガに躍りかかり、ジョーは睡眠薬を注射すると船をとって返し、野営キャンプに行っている娘ミシェールを迎えに行った。しかし、娘はすでにロス等が連れ去った後だった。ジョーは飛行場に飛んで行く。ファウストが、取引に使う金を持って来るロスの情婦のモイラ(J・アイアランド)を迎えに行っている筈だったからだ。罠を使って引っかかったファウストをエレベーターで叩き伏せたジョーは、モイラを町から離れた山小屋に監禁した。そして、一束の金を持って家に帰り、その金を証拠に、ファビアンヌとミシェールと、金を持ったモイラとの交換をロスに提案する。一行は山小屋に向かい、助けを求めるモイラの声にロスは申し出を承知する。しかし、ミシェールを乗せたファビアンヌの車がスタートした直後、カタンガのマシン・ガンが火を吹いた。咄嗟にジョーは飛びかかり、車はタイヤを撃ち抜かれただけだったが、乱闘でカタンガの弾はファウストを殺し、ロスは腹に重傷を負った。ジョーはロスに医者を呼ぶ事を納得させる。一時間の約束時間を貰い、モイラと町へ向け、車を突っぱしらせる。妻と娘の命は、ロスの生死にかかっていた。ロスの生命がつきた時、二人の運命は殺し屋のカタンガの手に移るのだ。カタンガの狙いは金と十二歳の娘ミシェールだった。ファビアンヌ必死の介抱も空しく、カタンガに銃をむけているロスの生命の炎は刻々と消えつつあった。カタンガの残忍な眼は隙を窺っていた。やっとの思いで医師を見つけたジョーには残り時間は三十分にも満たない。町は七月十四日の革命記念日の祭りで沸返っていた。信号を無視し、追いかける白バイを振り切り、車を飛ばす。タイヤが悲鳴をあげた。その頃、山小屋ではついにロスが息を引き取っていた。金を掴み、二人に迫るカタンガ。ファビアンヌは消毒用アルコールを顔にあびせ、ミシェールと外に逃がれた。追うカタンガ。追いつめられた二人は草原に火を放って懸命に逃げた。その時、ジョーの車が着いた。安堵するファビアンヌ。しかしカタンガの銃が待っていた。再び、例のトルコ船が待つ島へ。ジョーの背後には銃を構えたカタンガがいた。ジョーの眼には船室の隅の救難用信号拳銃が見えた。ミシェールに気をとられているカタンガの隙を狙い、ジョーは引き金をひいた。火だるまになったカダンガは海に沈んだ。恐しい過去の絆から解かれた一家は港に帰った。革命記念日の夜の賑わいはたけなわだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- テレンス・ヤング
- 脚色
- アルベール・シモナン
- シモン・ウィンセルベルグ
- 原作
- リチャード・マシスン
- 製作
- ロベール・ドルフマン
- 撮影
- ジャン・ラビエ
- 美術
- トニー・ローマン
- 音楽
- ミシェル・マーニュ