夜の大捜査線

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

厳しい人種差別が根強く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人の敏腕刑事と白人の警察署長が反発しあいながらも殺人事件捜査に挑む姿を描き、1968年・第40回アカデミー賞で作品賞など5部門を受賞した名作サスペンス。ミシシッピ州の小さな町で殺人事件が起きた。捜査を開始した警察署長ギレスピーのもとに、ひとりの黒人男性が容疑者として連行される。しかしその男の正体は、フィラデルフィア警察の優秀な刑事ティッブスだった。初めて殺人事件を扱うギレスピーは、渋々ながらもティッブスに協力を依頼。激しい人種差別にさらされながら捜査を続けるティッブスだったが……。主演は「招かれざる客」のシドニー・ポワチエと「ドクトル・ジバゴ」のロッド・スタイガー。クインシー・ジョーンズが音楽を手がけ、レイ・チャールズによる主題歌も大ヒットを記録した。

1967年製作/109分/アメリカ
原題または英題:In the Heat of the Night
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1967年10月25日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第40回 アカデミー賞(1968年)

受賞

作品賞  
男優賞 ロッド・スタイガー
脚色賞 スターリング・シリファント
編集賞 ハル・アシュビー
音響賞  

ノミネート

監督賞 ノーマン・ジュイソン
音響効果賞  

第25回 ゴールデングローブ賞(1968年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ロッド・スタイガー
最優秀脚本賞 スターリング・シリファント

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) シドニー・ポワチエ
最優秀助演女優賞 クエンティン・ディーン
最優秀助演女優賞 リー・グラント
最優秀監督賞 ノーマン・ジュイソン
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映画レビュー

4.0キャスト陣の演技が絶妙 ✨

2025年3月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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コメントする 2件)
共感した! 5件)
こころ

4.5この作品も「ジーザス・クライスト・スーパースター」と並ぶノーマン・ジュイソン監督の名作の一つでは…

2025年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ノーマン・ジュイソン監督の
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
は私の生涯ベストテンの中の一作なので、
彼は特別な存在だが、この作品がTVで放映
されたことを機に何度目かの再鑑賞。

キネマ旬報では、
「アルジェの戦い」が第1位、
アントニオーニの「欲望」が第2位、
ジンネマンの「わが命つきるとも」が第4位
の年の第8位に選出された
アカデミー作品賞受賞作。
主役二人の対立軸で作品テーマを
見事に映し出した作品は多々あるが、
この作品もその内の一つと思う。

舞台となる暑くけだるさの残る
ミシシッピ州の田舎町にやって来た
シドニー・ポワチエ演じる
大都市のエリート警官の戸惑いには、
“白人対黒人”の問題は当然のことながら、
・平等対差別
・富裕対貧困
・正見対偏見
などに加え、
最新の捜査と旧式の捜査方法という点では
“中央対地方”の問題なども醸し出された。

そんな中、特にロッドスタイガーは、
廃退的な地方都市で警察署長を勤め、
白人至上主義の世界に
ドップリと浸かりながらも、
黒人刑事との出逢いから、
時には元のしがらみに戻りつつも、
終いには、人間は肌の色では無く、
その人物の能力で判断すべきと
思考出来る人間に昇華する名演技は、
アカデミー男優賞受賞が証明するまでもなく
見事な演技ではないだろうか。

この点については、ネットの情報により、
この警察署長役は原作では巡回警察官並みの
準主役級だったとのことを初めて知り、
同じくアカデミー脚色賞を受賞した脚本家
の筆力が、この作品を名作たらしむべく
多大な貢献をしていたように思われた。

ただ一点、短時間しか滞在していない
エリート警官が、
巡回警察官と露出女性との関係や、
巡回再現の時に彼が別のコースを運転して
いるとどのようにして分かったのかが
説明されていないように思ったのだが、
この点について、原作ではどう
著されているのかが気になった。

しかし、演出・脚本の高度な技術と
二人の俳優の名演技によって
名作の域に達した作品と言えるのでは
ないだろうか。

※2025/3/17 追記
映画で分からなかったことがあったので、
原作本を読んでみた。
巡回警察官が道を変えたのを
どうして分かったのかは、
通る道によって車の汚れが異なるという
一応理屈として書かれてはいるが、
映画の中での
犯人と妊娠女性の父親との銃撃戦は無く、
犯人特定のこともエリート警官の推理として
書かれてはいることも含め、
元々サスペンスとしての要素の弱い小説
のように感じた。
驚いたのは、映画全編にまたがる
原作からの大改変。
映画の舞台も
エリート警官の勤務地の設定も、
殺されるのが工場誘致の事業家ではなく
音楽の指揮者であることや、
市の有力者が人種差別主義者ではなく
逆に黒人への理解者であること等々、
設定の違いには驚くばかり。
そして、映画以上に
市全体に漂う黒人差別社会の描写の中、
エリート警官への理解を急速に進めるのが
巡回警察官で、映画よりも
小説での彼の位置付けは大きかった。
しかし、そんな中でも、映画のラストで
警察署長がエリート警官の鞄を持って見送る
理解を深めたエンディングシーンだけは
原作をしっかりと踏襲したものだった。

コメントする 3件)
共感した! 7件)
KENZO一級建築士事務所

5.0夜の大捜査線 を何十年ぶりに見直した

2025年3月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

 本作につき、黒人への偏見が根強い60年代当時の南部を舞台に、北部の都会から来た黒人の殺人課刑事と、田舎の白人警察署長(殺人事件を扱ったことがない)の対立の物語…、と解説しているのが多く見られるように思います。何十年も前に本作を見た時は、私もそのように見たし、そういう記憶として残っています。
 しかし、今回改めて見てみると、白人警官役のロッド・スタイガーは、最初から公平な態度で黒人警官に接しているのが見て取れるし、また、署内の無能で、偏見にも無邪気な複数の署員を束ねるなどして、それなりに有能です。一癖二癖ありそうな市長の無茶振りもこなすほどに世渡りを知ってもいます。街の顔役を黒人警官が殴り返した場面に立ち会いながら、顔役側に味方することなく、公平な態度を通しています。加えて、黒人警官に「お前も感情的になるのだな…」(うる覚え…)とつぶやくシーンは、白人警官が冷静な観察者であることを示していて、彼が偏見のある無能者でないことは明らかです。大体、物語の最初から黒人警官の専門能力を評価して頼りにしているし、危険や周囲の偏見から黒人警官を守ってやっています。一見、黒人警官に強く対立しているように見えるのも、周囲の強い偏見がいかんともし難いことから、黒人警官の身上を気遣ったためとも考えられます。むしろ、この白人警官にとって、この街で生きてゆくことは楽なことではなさそうにも見えます。
 要するに、白人警官は、周囲の偏見はともかく、黒人警官と対立しているようには見えませんでした。本作を対立から和解の物語などと説いている映画解説は間違いでしかありません。
 あと、シドニー▪️ポワチエと並んで立つシーンは、背の高いポワチエのスーツ姿のカッコ良さが際立つ一方、背が低く着こなしがイマイチで足回りも無様なスタイガーのカッコ悪さ(の演出)が、なんとも味わい深いです。
 クインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズ歌も懐かしいです。細かいことには目くじら立てず、大満足の傑作です。

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たけちゃん

3.5何十年ぶりか?再鑑賞♪ いま、観ると、何故唐突に、あのオネーちゃん...

2025年3月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

何十年ぶりか?再鑑賞♪
いま、観ると、何故唐突に、あのオネーちゃんに関わる男が怪しいと思うに至ったか?ちょっと根拠が薄いかなぁ。

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共感した! 1件)
J417

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