ウェディング・バンケット
劇場公開日 1993年12月11日
解説
「推手」「恋人たちの食卓」とあわせて“父親3部作”といわれるアン・リー監督のヒューマン・ラブ・ストーリー。アメリカに帰化した台湾出身のウェイトンはビジネスでも成功を収め、ゲイの恋人サイモンと幸せに暮らしている。しかし彼がゲイだとは思いもよらぬ両親が台湾からやって来ることになった。ウェイトンは両親を安心させるために、グリーンカード目当ての中国人女性と偽装結婚することになるが……。主人公たちの奇妙な三角関係のなかに、中国の伝統的な考え方とゲイ、国籍問題、親子の絆などを見事に表現した斬新なタッチの人間ドラマ。
1993年製作/109分/台湾・アメリカ合作
原題:喜宴 The Wedding Banquet
配給:日本ヘラルド映画
スタッフ・キャスト
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2018年6月6日
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鑑賞方法:映画館
四年前に同じ劇場で観ている。そのことを忘れているが、映画の中身は忘れていない。アン・リーの作品にはそれだけの力がある。
台湾出身のゲイの青年が、そのことを両親に知られたくはないということで、中国出身の女性との偽装結婚をでっち上げる。
嘘で塗りかためられた息子の生活だが、息子の結婚を祝福する思いが溢れる両親。異国の習慣に戸惑い、落胆しながらも、息子を案じ、かつその成長した姿を頼もしく感じている姿は、洋の東西を問わず、時代を超えた老親の心境であろう。
ほんの束の間の偽りのはずが、いろいろな想定外の出来事の積み重さなりによって、人生や家族の本当の姿を浮き彫りにしていく。
本当の自分を知って貰いたい気持ちに気付く息子。息子の本当の姿に気付く父親。この二人がそのことを互いに告げ合うことはない。
何も言わず、よく理解し、深く受け止めてくれる父親に目頭が熱くなる。空港で別れる親子の姿に、自分の父のことを重ねない観客はいまい。
中国語圏にはあるのだろうか。「嘘から出たまこと」という言葉が。
2014年12月14日
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昔、評判でみたかったのに見ていなかった作品。時代を感じる、景色、洋服がなんとも懐かしい。フェイクマリッジ、中国の家族と伝統、ニューヨークとのギャップ、わかりやすく、面白く描かれて良作。
2014年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ゲイに対してはそれほど興味はなく、世界観に入っていけなかったらどうしようと思ったのだが、見始めたらそれほど興味のない話なのに面白いのでぐいぐいと引き込まれて最後まで一気に見た。『ブロークバック・マウンテン』もそんな感じだった。
白人の恋人の方が女っぽいところがまず面白かった。彼はすごくできた世話女房みたいなのに、時折切れるのでそれはそれで怖いタイプだった。
偽装結婚相手の彼女はストレートに怒りっぽく、自分が悪くて謝っていても切れるタイプ。
主人公は主人公で嫉妬して感じ悪くしているにもかかわらず、4人に気を使わないといけなくてもう耐えられないと言い出す。
そういった人間関係をみるにつけ、もうちょっと距離を置いて上辺だけでも感じよくして接すればいいのにと思うのだが、それはそれで寂しいと漏らすので、実際当事者でないと分からない感覚と言うものはあるのかなと思う。
中絶だけはしないで欲しいと声が出るほど嫌だったので、思いとどまってくれて本当によかった。これからはお互いの距離感を尊重して子供も含めて4人で仲良く暮らして欲しい。一番いい親になりそうなのは血のつながりのない白人のサイモンだと思う。彼は子供が生めないので、彼にとって一番幸福な結末だったのではないだろうか。
両親はいくらなんでも3週間は滞在しすぎだ。お金はたくさんあげていたけど、どんなに仲が良くても持たないと思う。
2014年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
エリートコースまっしぐら、非の打ちどころのないと思われた自慢の息子がまさかのゲイ。
両親を気遣う息子、その彼を気遣うパートナー、カモフラージュで偽装結婚する女、偽装結婚とは知らず大喜びする両親。
おのおのの複雑な思いがからみにからむが、見事に最後は(ある意味)ハッピーエンド。
お母さん+2人のお父さんが育てる子供がこれからどうなるかなんてわからないけど…このおさめ方は見事。
何も知らないのは父親だけかと思いきや、実は父親が一番すべてを冷静に見ていた、という点も、父親のどっしりした存在が気持ちがよかった。
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