黙秘

劇場公開日:

解説

20年の歳月を経て結ばれた二つの事件の真相の鍵を握る、母と娘の心理的葛藤を描いたサスペンス・ミステリー。モダン・ホラーの巨頭、スティーヴン・キングの全米ベストセラー『ドロレス・クレイボーン』(邦訳・文藝春秋刊)の映画化。監督は「愛と青春の旅だち」「ブラッド・イン ブラッド・アウト」のテイラー・ハックフォード、製作はハックフォード、チャールズ・B・マルヴェヒル、脚本はトニー・ギルロイ、撮影はガブリエル・ベリスタイン、音楽は「バットマン リターンズ」のダニー・エルフマン、編集はマーク・ワーナー、美術はブルーノ・ルベオがそれぞれ担当。主演は「ミザリー」に次いでキング作品のヒロインをつとめた「フライド・グリーン・トマト」のキャシー・ベイツ、「ルームメイト」「未来は今」のジェニファー・ジェイソン・リー。共演は「サウンド・オブ・ミュージック」「女神たちの季節」の名優クリストファー・プラマー、「激流」のデイヴィッド・ストラザーン、「ラルフ一世はアメリカン」の英国の名舞台女優、ジュディ・パーフィットのほか、「トーク・レディオ」のエリック・ボゴジアンが顔を見せる。

1995年製作/132分/アメリカ
原題:Dolores Claiborne
配給:東宝東和
劇場公開日:1995年10月28日

ストーリー

アメリカはメイン州の小島、リトル・トール・アイランド。メイドのドロレス・クレイボーン(キャシー・ベイツ)は、富豪未亡人ヴェラ・ドノヴァン殺しの容疑で拘留された。ニューヨークでジャーナリストとして活躍していたドロレスの娘セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)は、彼女宛てに送られてきた匿名のFAXでこの事件を知り、久しぶりに故郷に帰る。20年前にもドロレスを夫ジョー・セントジョージ(デイヴィッド・ストラザーン)殺しの容疑で検挙した業腹なマッケイ警部(クリストファー・プラマー)と知己の保安官補フランク(ジョン・C・ライリー)の監視のもと、保釈された母と家に帰ったセリーナだったが、母娘の間には溝があった。セリーナは過去と現在の二つの事件の“真相”を母の口から聞く。--20年前。セリーナの父ジョーは酒飲みの横暴な男で、ことあるごとにドロレスを罵っては殴打していた。ドロレスは娘の幸だけを生きがいに、厳格な富豪婦人ヴェラ(ジュディ・パーフィット)のメイドとして苦しい毎日を送りながら、セリーナの学資を貯金していた。ところがセリーナの成績は下がる一方。不審を抱いた彼女は、夫ジョーが学資貯金を勝手に使い込んでいたばかりか、自分の娘に性的いたずらを続けていたことを知る。悲嘆に暮れる彼女に声をかけたのがヴェラだった。ドロレスからすべてを聞いたヴェラは「所詮この世は男の社会……でも女も、時には悪女になる必要があるの」と語る。愛人と浮気していたヴェラの夫は、彼女が仕組んだ交通事故で死んだのだった。ヴェラの励ましを支えに、ドロレスは、それから間もなく訪れた日食の日、ジョーをかねての手筈どおり、古井戸に落とした。以来、彼女は町の人々から夫殺しと罵られながら、20年間、気心を通じあう仲となったヴェラにメイドとして仕えた。ヴェラが半身不随となってからも、ドロレスは彼女の世話を続けたが、ヴェラは老醜をさらし続けることに耐えきれず自殺を図り、死に切れなかったため、ドロレスに手助けを頼んだのだった。そしてドロレスは知らなかったが、ヴェラは遺産の160万ドルをドロレスに贈るよう遺言していた。-全てを聞き、自らのトラウマの正体をも知ったセリーナは、拘置された母のもとへおもむき、執拗に彼女を罪人扱いするマッケイ警部の前で、彼女の無罪を立証した。釈放されたドロレスはセリーナを港まで送り、和解の抱擁の後、ドロレスは娘に信じてもらうことだけが自分の唯一の望みだと語り、二人は別れた。

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映画レビュー

2.0女の子可愛い~

2023年2月20日
iPhoneアプリから投稿

悪くはないが刺激が足りない

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aaaaaaaa

4.0ベイツ!

2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

キャシー・ベイツは、今作と同じスティーブン・キング原作の「ミザリー」(90)が印象的でしたが、今作の主人公も似た路線、つまりハマリ役だったと思います。オープニングから恐ろしげな展開ですが、現在パートに突如、挟み込まれる過去シーンが、あたかも人間の脳内を再現しているかのようで興味深い描写でした。マッケイ警部(クリストファー・プラマー)がそうであるように、自分の能力や経験を過信しすぎると、気付かないうちに事実を歪めて見てしまう、そんな怖さも感じました。娘セリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)もまた別の意味で母親ドロレス(キャシー・ベイツ)を誤解していて、出口の見えない闇を迷走しつづけます。そんなモヤモヤがすべてスッキリ晴れるラストも、何となくどんより曇った天候であったのは、この世の中のやりきれなさをありのまま描いているような印象でした。個人的な思い出ですが、テイラー・ハックフォード監督の「愛と青春の旅だち」(82)を見て以来、好きな女優はデブラ・ウィンガーだと言ってました(笑)。

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赤ヒゲ

3.0終わってみれば母と娘の愛情物語みたいな

2021年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 キャシー・ベイツは『ミザリー』のイメージもあるし、その刷り込みで本当は殺したんじゃないかと迷わせる。実際には20年前の事件は殺人なんだろうし、いくら娘が父親(デヴィッド・ストラザーン)に犯されたとしてもやり過ぎだ。

 ジョン・C・ライリーやクリストファー・プラマーの名演も光るし、心理描写も絶妙。それに過去映像を被せて変化させたり、日食の美しさはピカイチ。だけど、単純なストーリーを長時間にするほどのものじゃないような。

 この日食の変化とキャシー・ベイツの心理変化が面白い対比なのかもしれないけど、暗さがメインになってるせいもあって、日食の6分30秒と釣り合いが取れない。もう少し検事側にもスポットを当ててくれたらダイナミクスを感じられたかも・・・

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kossy

4.0ミザリーとセットですね

2020年7月26日
PCから投稿

母と娘の話です。まあはっきり言って私の大っ嫌いなファミリードラマですがこれは別に嫌いじゃなかったですね。父親が子に愛情を注ぐ話じゃなかったのがよかったのかな。脚本の構成がとても巧みで徐々に謎が解けていき徐々に盛り上がっていくのがうまく書けていたと思います。クライマックスの日食は言ってみればまあ単なる日食なのですが、話の流れがうまくできているのでとても盛り上がります。またその近辺の写真がとても美しくて感動をさらに高めていたと思います。あの写真の色合いや味わいは今のデジタルカメラでは絶対に出ません。監督はフィルムで撮影することにこだわっていただきたいと思います。
またこの映画はキャシーベイツの味がとてもよく出ている、彼女の持ち味がとても活かされた映画だと思います。娘役の方の役者が何て言うか、ちょっと三文役者気味でキャシーベイツを食わないようになってるのも洒落た演出ですね。スティーヴンキングの原作は読んだことがありませんがまぁこの話を映画にしようと思いついたことが偉いですね。・・・と思って他の人のレビューを読んだら、これは彼女が主演で映画化されることを前提に書いた原作だったみたいですね。さすがスティーヴン・キング。またやられました。・・・それに引き換えこのダサい邦題をつけた馬鹿者は何なんだ一体。もう今時邦題いらんわ。

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タンバラライ
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