「切望!!! 伝説の吹き替え版でも観てみたい!!!」ミッドナイト・ラン とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
切望!!! 伝説の吹き替え版でも観てみたい!!!
2バージョンあるんだそうな。どちらも傑作と名高い。
字幕版でも十分面白かったけど、そう聞くと観たくなる。
二人の掛け合い、お互いを出し抜こうとしながらの攻防が面白い。そしてその後の展開。
実際に、デ・ニ―ロ氏とグローディン氏に「アドリブをふんだんに使わせたという。」「最終的な筋立てを描くのに、論理的な妨げとなる要素だけを排除しなければならなかったわけだが、この作業は思った以上に骨が折れた」そうだ。デ・ニ―ロ氏とグローディン氏の「演技があまりにも絶妙で、既にパーフェクトで最高のストーリーができあがっていたから」だそうだ(パンフレットのプロダクション・ノートより)。
その二人を追う、FBI・ギャング・ライバルの賞金稼ぎとの絶妙なタイミングの展開も面白い。皆芸達者。
巧妙なコントにして、ハラハラドキドキし、時にしんみり来る。そのテンポが絶妙。
となれば、字幕なんて読んでいる暇なんかない。英語が解れば、デ・ニ―ロ氏達の掛け合いがそのまま堪能できるんだろうけど、吹き替え版は、この映画の雰囲気をさらに昇華させていると聞く(字幕でも十分堪能できるけど、もっと良いの?)。
映画ってこういうかけ合わせが面白い。
粗筋自体は使い古されたもの。パンフレットにあったけど、賞金首を巡る賞金稼ぎの話は西部劇でよくあったそうな。また、ロード・ムービー、バディものという点でも、設定こそ違え、似たような粗筋の映画はたくさんある。
でも、そのありきたりの粗筋を、脚本(翻訳含む)・役者(吹き替え含む)・演出・映像・音楽で、こうも魅せてくれるものになるのか。
主役二人のバディ感がたまらない。
騙し騙され、今まで生きてきた世界も違う、そんな二人の掛け合い。追われるものと追うものとして、交わる要素のないはずの設定なのだけど、この息の合っている様に釘付けになる。ここがこの映画の一番の見どころ。
さりげなく挟まれる生活習慣・生活様式も、アッパークラスなデュークと、ロウワークラスなジャックの違いがおかしい。アッパークラス感を振りまくと嫌味に映るのに、嫌味に見えないデューク。ロウアークラスのジャックも、貧相に見えずに格好良い。はしゃぐ姿が可愛い。
演出・編集もすごい。
役者達がノッてアドリブが繰り出されると、本来必要なところを切る作業ができずにグダグダになることも多い。ましてや、主役は、”あの”デ・ニ―ロ氏だ。すでに高評価を得て、役者としての地位を築いている人物。グローディン氏だって、舞台で受賞歴もある有名な方。その方々の顔色をうかがって、編集が甘くなる可能性もあるのに、この監督は全ての役者たちの持ち味を引き出し、うまくまとめている。
特に、デ・ニーロ氏は重く寡黙な演技が称賛されて受賞している。なのに、この軽妙さ。監督が デ・ニーロ氏に声をかけたそうだが、目の付け所が違う。デ・ニーロ氏は、いろんな役を演じたかったんだろうな。一つのイメージに縛られることなく。デ・ニーロ氏と監督で、実際の賞金稼ぎの仕事に密着して役作りをしたんだそうな。
映像は、特に色使いが綺麗とかいうのではないのだけれどいい。
まず、構図がいい。詰め込み過ぎていない。
そして、主役のジャックは、無精ひげに、汚れた革ジャン。デュークは、上流社会出らしい質の良いコートを着てはいるけど、二人ともファッショナブルとは程遠い。
でも、アメリカ大陸の様々な風景、アクションと共に、男達の生きざまを、皺・目・口の動きを、丹念にじっくりとフィルムに描き出してくれる。その様が、呆れるほどだらしなく、男臭くも妙にかっこいい。それでいてどこかコミカル。ジャックもデュークもひたすらまじめにやっているのに。
細かいエピソードも次から次にと手に汗握る。くすっと、がはっと笑え、「ほう」と唸ってしまう。
クレジットの利用でいるところがばれるのか(『ジャックリーチャー』でもそういう場面あったけど、こんな昔からの常套手段だったのね)。そんなこんなのピンチをことごとく、頭と運動神経を使って次々に乗り越えてしまうジャック。さすが、賞金稼ぎを生業としているだけあって、クールだなあと感心していると、その上を行く会計士。会計士ってやっぱり頭の回転が良くないのとなれないのね、なんてことも想った。それでいながら、どこか間が抜けている。人の良さがだだ洩れ(笑)。
ハラハラさせながらも、同時に人のつながりを描いていく作品。
「来世で会おう」 なんて、心豊かで、切ない言葉なんだろう。
緊迫感がありつつも、どこか肩の力が抜けていて、人生を考えるゆとりがある映画。
何度も何度も観たいです。
【おまけ】
あのシーン。既視感が…。『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』
当然、トム様もこの映画観ていらっしゃるだろうし。オマージュだったのか?
通りを歩いて行って振り返ってFBIの身分証見せるシーンが、カットだと思ってみんなを笑わせるためにやったら、そのまま使われたってエピソードも可愛い。
あと、焚き火の前でのデュークの一人芝居から始まる告白が最高でした。
自分のオールタイムベストの一作です。
とみいじょんさん
おはようございます
そうですね!
全ての作品に投稿している訳ではありませんが、言葉のチョイスに結構時間がかかる作品もあります。( ←短文しか書けないにもかかわらず…です。😆 )
こちらこそ宜しくお願い致します。
とみいじょんさん
自身が書いたレビューで、後で慌てて手直しした事も… ☺️
名前の微妙な表記間違い、映画通の方にとってはあり得ない…ですよね。。
映画の色々、全く詳しくないので、皆さんが投稿されているレビューを読んで、ほぉーーと思う事が多いです。
こちらこそ宜しくお願い致します。
とみいじょんさん
こちらこそコメントへの返信を頂き有難うございます。
ロバート・デニーロが一番好きな作品 ✨ なのですね。男っぽい( ← 今や「 死語 」かも知れませんが…。)渋い役でしたね。
デニーロの茶目っ気のある表情がたまりません。
ラストだけですが残しておいて良かった!
貴重な情報を教えて頂き有難うございました。
とみいじょんさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
思わず唸ってしまうラストシーン、消さずに残しています。
ロバート・デニーロ、人情味溢れた役が似合いますよね。ニヤリと笑った顔の男っぽさがたまりませんよね。
素敵な作品に出逢える録画鑑賞、私も止められません。