マンハッタンの二人の男

劇場公開日:

解説

ニューヨークの夜を舞台にふたりの男の友情を描くフィルム・ノワール。製作はフロランス・メルヴィルとレイモンド・ブロンデイ、監督・脚本・台詞・主演はジャン・ピエール・メルヴィル、撮影はJ・P・メルヴィルとニコラ・エイエ、音楽はクリスチャン・シュヴァリエとマルシャル・ソラールが担当。出演はほかにピエール・グラッセなど。

1958年製作/フランス
原題または英題:Deux hommes dans Manhattan
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:1990年1月3日

ストーリー

ニューヨークの国連本会議にフランスのベルティエ首席代表が欠席していることに不審を抱いたフランス通信社は、その調査をモロー(ジャン・ピエール・メルヴィル)に依頼し、彼はジャーナリストにも評判の悪い情報通のキャメラマン、デルマス(ピエール・グラッセ)を協力者に選んだ。彼が、ベルティエと一緒に写真に写っている女が女優のジュディス(ジンジャー・ホール)であることを認め、彼女のもとを訪ねるが、逃げるようにして協力を断わるのだった。何の手がかりを得ることもなく夜のニューヨークをさまよう2人の耳に、ジュディスが自殺を図ったという知らせが届き、命をとりとめた彼女の病室にかけつけた2人は、ベルティエが彼女のアパートで死んだことを聞き出した。ベルティエの死をネタにスキャンダラスな写真を撮ろうとするデルマスに対するモローの態度は冷淡だった。彼の死を取り繕うために、モローの上司はデルマスからネガを取り上げるが、収まらないデルマスはベルティエの未亡人の写真を撮って姿を消した。やがて彼の渡したネガが偽物であることを知ったモローは、ベルティエの娘アンヌ(クリスチアーヌ・ユーデス)と共に彼を探し回る。そしてとあるバーでデルマスを見つけた時、彼は泥酔していた。モローはデルマスを殴り、姿を消した後、ふらつく足で街をさまようデルマスの手に握られていたのは件のネガであった。

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映画レビュー

3.5NYロケが光るジャン=ピエール・メルヴィル監督作

2023年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ジャン=ピエール・メルヴィル監督によるノワール映画…ということなので観てみたら、失踪男を探すドラマではあるが、ジャーナリストのモラルを問う映画であった。 国連会議にフランス代表が欠席したため、記者とカメラマンがその行方を追い始めて、彼等を尾行する車も……というあたりはノワール風。ただ、この時点では誰も死んでいない。 そして、失踪したベルチエという男を探すのだが……。 本作で、記者をジャン=ピエール・メルヴィル自らが演じて、ちょっと逸脱したカメラマンをピエール・グラッセが演じたが、とりわけ眼を引いたのは失踪フランス大使の娘を演じたクリスチアーヌ・ユーデスであった。 物語面では意表を突いた展開は見られぬものの、1950年代のニューヨークロケが見もの。その背景に流れるジャズが夜の雰囲気を盛り上げる。 NYロケでは、夜のタイムズスクエア、(チラリと)国連ビル、ロックフェラーセンターを映すだけでなく、地下鉄の中は「良く撮ったな…」という映像。 ロケシーンで、映画館の輝く看板に「バート・ランカスター、リタ・ヘイワース、デボラ・カーなどと SEPARATE……」なる文字についつい目が…(笑) 『旅路』がニューヨークで公開されていた場面。 本作は、確かに「それで、どうなるの?」が気になって見続けることになるのだが、ノワール映画(フランス映画なので「フレンチノワール」)ではなかった。 それでも、なかなか面白く観られる映画だったと思う。

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たいちぃ

4.0フランス人とハードボイルド

2018年10月6日
Androidアプリから投稿

J・P・メルヴィル監督の才気を感じさせ、 映画監督と言うより、映像作家と呼ぶにふさわしい 作品に仕上がっている アメリカでの仏国連代表失踪事件を 探る、フランス人記者(メルヴィル)とカメラマンの話だが、事件の内容より 二人が夜の大都市を 彷徨う映像が素晴らしい 背景に流れる マーシャル・ソラールのモダンジャズもお洒落 台詞もハードボイルド調なのだが、フランス人と ハードボイルドが 微妙に違和感があることが判る (やはり、アメリカの風土や人、特有のものか) メルヴィル監督も、面白い雰囲気を出しているが ボギーの様にはきまらない 舞台をアメリカに移しても、フランス人はフランス人なのだ、とも思う ゆえに これが後に 彼によって、フレンチノワールに進化し、確立(洗練)されてゆくのが判る様な気がする あとは 完璧!

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jarinkochie