マディソン郡の橋のレビュー・感想・評価
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わずか四日間で永遠の愛?
総合:65点 ストーリー: 60 キャスト: 80 演出: 80 ビジュアル: 70 音楽: 75
初めて見たとき、わずか四日間で永遠を感じる本物の愛に目覚めるという物語にどうしようもない違和感を感じた。四日間でいったい相手の何がわかるの?出会ってほんの数か月で結婚したから、相手のことがよくわかっていなくてすぐに離婚する人ってたくさんいるじゃないの。人間ってそんな短期間で相手のことを理解して本物の愛にとらわれるものかな。なんでも女の人は共感する愛の物語ということだったが、そんなわけで最初の印象はかなり悪くて、自分は共感出来ず。
それから年月が過ぎて改めて見直してみて、もうちょっと違う部分に気が付く。女は戦争という特殊な環境の下、若きときに言わば行き当たりばったりの勢いでイタリアからアイオワくんだりの田舎町に来てしまった。決して大きな不満があるわけではなかったかもしれないが、彼女は一人でこの外国の田舎の閉塞感に苦しんでいた。そして男は仕事のために世界中を孤独に旅して、自分の心に秘める寂しさや飢えをしっとりと埋めてくれる人が居て欲しいとずっと思っていた。
実は出会うずっと前から長い間、彼らはお互いのような存在を求めていた。そんな二人がようやく出会ったのだ、たとえわずか四日間でも。そのような解釈をすれば、四日間で急に燃え上がった愛ではなく、長年探していたものが見つかって、それを四日間だけ手元に置く機会にめぐまれたのだとも取れる。だからそれを胸に秘めて心の支えにしてその後の生涯を送ることにしたんだろう。
そう考えると、この映画が以前よりも好きになった。二人の演技は良かったし、ゆっくりと進んでいく演出も良かったし、出しゃばり過ぎずにふとしたときに綺麗な旋律を流す音楽も良かった。
それでもやっぱりどうしても思ってしまうのだ、本当にわずか四日間だけで永遠の愛ですかと。だからすごくいい点数はつけません。
これ不倫かな
何度も出逢いたい作品です
両親に決して見せたくない映画。
2011/08/25 00:35
最初は泣ける素敵な恋愛映画だと思って見ていました。
しかし、初っぱなから純愛とは程遠い怪しい雲行きに・・・
結果不倫を正当化した作品だと思われるが、不覚にも涙してしまいました・・。
今にないモノを求めてしまう気持ちも凄く分かるし、ソコにある確実な幸せから抜け出せない気持ちも・・。
しかしながら、女性とはなんと身勝手で複雑な生き物だ!とも映画を通じ思いました(笑)
女「謝ってよ!」
男「ごめん・・」
女「そんな簡単にすぐ謝るなんてホントは反省してないんでしょ!」
男「そ、そんな…;汗」
みたいなね・・・・共感していただける男性は多いはず・・。
なんともリアリティーが高い映画で、また(結婚や恋愛)何か思い悩む時があればこの作品を見てしまうと思う(笑)
どういう選択をするかが、人生よ
映画「マディソン郡の橋」(クリント・イーストウッド監督)から。
切ない大人のラブストーリー、という人がいる。
どうみても、自分たちの不倫を正当化している、という人もいた。
なるほど・・いろいろな見方があるものだと、苦笑した。
ふたりが出会い、そして別れるまで、いくつかの選択があり、
そのたびに、彼と彼女は自分の判断で物語は流れていく。
後半、彼と駆け落ちをして、平凡な生活から逃げだそうとするが、
「やっぱり、正しくないことだわ」と断念、「誰に?」の問いに
「家族みんなに」と答え「街の噂に殺されるわ」という判断が
とても冷静だな、と驚いた。
そして「どういう選択をするかが、人生よ」と呟く。
そう、人生は選択の連続であり、誰のせいでもなく、
すべて自分で選択した結果、という想いが伝わってくる。
さらに「子どもたちが前進できるよう、母親は立ち止まって見守る。
子どもは、やがて巣立っていって、さていよいよ自分の人生を
歩もうとしても、歩き方を忘れてしまっている」というフレーズに、
50代女性の焦りが表現されていた気がする。
見るたびに、気になる一言が違う、面白い作品であった。
恋愛遍歴に依存する永遠の4日間
下手したら(下手しなくても)、不倫を美化しただけの映画と批難されるかもしれませんけれども、私は、クリント・イーストウッド監督の映画が好きで、主演女優がメリル・ストリープってことで、もしかしたら色眼鏡かけて鑑賞してしまってるからかもしれませんが、少なくともメリル・ストリープ演じるフランチェスカは、アイオワ州にあるマディソン郡という片田舎で家族がある身なわけですが、イーストウッド扮する自由気ままな放浪カメラマンのロバートと不倫関係に陥ってしまったことに対して、自分の夫や子供の家族に対して一生罪悪感を背負って生きたわけで、決して不倫を美化しているようには観れませんでした。
この映画は、観る人の過去の恋愛遍歴にかなり依存するんじゃなかろうかと思います。
つまり、共感できるところがなければ、全く持って感動もクソもない映画だと思いますが、少しでも、例えば自分の現在や過去の恋愛遍歴において、リンクするところがあれば、涙なくしては観れないんじゃないかなと。
TSUTAYAの『世界が泣いた映画100選』にも選ばれておりますが、少なくとも私は、この映画と共通する点があって、夜な夜な物凄く泣けてしまいました。
まぁ、私の恋愛遍歴なんぞどぉでもイイんですけれども。
自由気ままな、孤独を背負う放浪カメラマンのロバートは、人妻のフランチェスカを落としてしまうわけでございます。
落すという言い方は正しくありませんね。
結局、お互いが惹かれていった結果ですから。
この映画の設定では、夫も子供もいる女性と、孤独な男性の話ですが、規模を小さくしたら、彼氏・彼女の居る異性と恋愛相談をしているウチに、気がついたら相談したりされたりしてた相手を好きになっていたみたいなことです。(多分。というか少なくとも私はそういった経験があります。どうでもイイけど)
映画の主演2人は、それこそイイ年こいた大人ですけれども、内面は子供なんだと思います。
少なくとも、この2人が出会ってからは、お互い童心に戻れたみたいなところがあるんじゃないかなと思います。
そういうノスタルジーを感じました。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス 』でも同じ手法がとられていますが、これは、フランチェスカの子供が、母の残した手紙を読んで、母の過去を振り返るという手法が取られています。
これは近年では、ニック・カサヴェテス監督の『きみに読む物語』でも取られた手法です。
『スタンド・バイ・ミー 』でも、新聞を見て過去を振り返るという手法がとられていて、ノスタルジックな雰囲気を演出するためには、多分ベストな手法なんでしょう。
そして、その母の遺した手紙を読んでいくうちに、子供達は、最初はロバートのことを嫌悪していましたが、次第にそういった感情はなくなり、フランチェスカは、あなた達2人を心から愛していると、いった言葉で、締めくくっています。
子供の頃は、子供の時代が永遠にあると感じたりなんかした時がありましたが、大人になると、色んな責任とかがあったりとかして、願望はあっても中々そういう気持ちになることはできません。
しかし、この2人は、たったの4日間が永遠に感じたと。
永遠の4日間だと言っております。
たかが4日間が、永遠に感じられるほどに、それが間違いであったりして、フランチェスカが家庭を守ってロバートを捨てる結果になっても、その4日間は幸せだったと。
生涯でたった1度の確かな愛であったと、ロバートは言っております。
大人になって、童心に帰れるような希有な人物と出会い、たかが4日間を永遠に心にしまっておけるなんて、なんちゅー素敵な話なんやと思いました。
不倫を美化しただけの映画ととる人も居ると思いますが、これはいたって純粋なラブロマンスだと私は思います。
博愛であれとは言いませんが、愛も一つだけではないのです。
夫婦愛もあれば家族愛もあるし、親子愛もあれば恋愛もあるのです。
またこの映画、情景が非常に美しいです。(特に夕日がお気に入り)
火葬にして、その灰を撒いて、空撮で俯瞰する最後とか、死んで尚、家族を見守るとか、思い出の場所を見ているとかいう意味を感じて、鳥肌ものでした。
流石イーストウッド!
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