マディソン郡の橋

劇場公開日:

解説

たった4日間の恋に永遠を見いだした中年の男女の愛を描いた、大人のラヴストーリー。原作は、世界中でベストセラーになったロバート・ジェームズ・ウォーラーの同名小説(邦訳・文藝春秋刊)。映画化の争奪戦が繰り広げられ、監督や主演者の候補にさまざまな名前が挙がった。一時はスティーヴン・スピルバーグが監督と報じられたが、結局、監督・製作・主演の3役を「パーフェクト・ワールド」「許されざる者(1992)」のクリント・イーストウッドが兼任して映画化(スピルバーグ主宰のアンブリン・エンターテインメントとイーストウッドのマルパソ・プロの共同製作)。相手役には「愛と精霊の家」「激流」のメリル・ストリープを迎え、二人の共演が見もの。脚本は「フィッシャー・キング」のリチャード・ラグラヴェネス。製作はイーストウッドと、「コンゴ」のキャスリーン・ケネディの共同。原作に忠実に、アメリカ・アイオワ州マディソン郡でロケーション敢行した美しい撮影のジャック・N・グリーン、音楽のレニー・ニーハウス、編集のジョエル・コックスは、「パーフェクト・ワールド」「許されざる者(1992)」などにも参加した、イーストウッド作品の常連。美術はジャニーヌ・クラウディア・オップウォール。共演は「マルコムX」のアニー・コーリー、「理由」のヴィクター・スレザック、「アルカトラズからの脱出」「スリープウォーカーズ」のジム・ヘイニーら。キネマ旬報外国映画ベストテン第3位。

1995年製作/134分/G/アメリカ
原題または英題:The Bridges of Madison County
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1995年9月15日

あらすじ

89年冬。アイオワ州マディソン郡。フランチェスカ・ジョンソン(メリル・ストリープ)の葬儀を出すために集まった長男のマイケル(ヴィクター・スレザック)と妹のキャロリン(アニー・コーリー)は、母の遺書に「死んだら火葬にしてほしい」とあるのに当惑する。2人は彼らに当てた母の手紙と日記を読み始める……。65年秋。フランチェスカは結婚15年目で単調な生活を送っていた。夫のリチャード(ジム・ヘイニー)と2人の子供がイリノイ州の農産物品評会に出掛け、彼女は4日間、一人で家にいることになった。新鮮で開放的な気分になった彼女の前に、プロ・カメラマンのロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)が現れ、道を尋ねた。彼は、珍しい屋根付きのローズマン橋の写真を撮りに来ていた。フランチェスカは彼の魅力に引かれ、その晩、夕食に誘う。彼が宿に帰った後、「明日の晩、もう一度いかが?」とのメモを、明朝の撮影で彼が訪れる橋の上に残した。翌日、2人はホリウェル橋の上で落ち合った。二人は次第に打ち解け合い、キンケイドは新しいドレスを着た彼女の手をとり、ダンスを踊った。自然の成り行きで一晩中愛し合った2人は、次の日、郊外でピクニックを楽しんだ。残り時間がわずかなことに気づき始めた彼らは、その夜、親密に抱き合った。最後の朝はぎごちなさと不安の中で迎えた。フランチェスカは「これはお遊びなの?」となじるが、彼は「一緒に来てくれ」と言う。悩み苦しんだ末に、荷物をまとめた彼女だったが、家族のことを思うその顔を見て、キンケイドは去った。夫と子供たちが帰ると、元の日常が戻った。数日後、夫と買い物に街に出掛けた彼女は、降りしきる雨の中、立ち尽くすキンケイドの姿を見た。車から出ようとドアのノブに手をかける彼女だが、どうしてもできない。そして、彼とはそれきりだった。79年、夫リチャードが死去。彼の死後、フランチェスカはキンケイドに連絡をとろうとしたが果たせず、やがて彼の弁護士が彼の死を報せ、遺品が届いた……。手記を読みおえたキャロリンとマイケルは、母の秘めた恋に打たれ、2人は母の遺灰を彼女が愛したキンケイドと同じように、あの橋から撒いた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第19回 日本アカデミー賞(1996年)

ノミネート

外国作品賞  

第53回 ゴールデングローブ賞(1996年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) メリル・ストリープ
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.5ハイになったフランチェスカの愛

2025年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

 原作小説の舞台であるローズマン・ブリッジ、アイオワ州マディソン郡のウィンターセットという場所でロケーションした今作は、1989年から始まります。
 亡き母フランチェスカ(メリル・ストリープ)の日記、子どもたちへ宛てた手紙などが入った箱、その内容が今作のメインストーリーです。

 現代パートから24年前の1965年に起こったフランチェスカの秘密の4日間が、感情移入しやすい演出で、泣かずにはいられません。複雑な心境を登場人物がしっかり言語化してくれて、安心して観ていられます。
 フランチェスカの夫へのフォローも有り、完璧でした。
 おそるべし、クリント・イーストウッド。

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共感した! 11件)
どん・Giovanni

3.5単純に言えば不貞の話

2025年1月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

田舎の欲求不満の奥さんと、偶然通りかかった間男が不倫する話。
‥なはずなんだけど、前半のメリルストリープのぶりっ子キャラは鼻につくものの、全般的に感情の描写が繊細で、ぶりっ子キャラも後半にかけての伏線になってると思った。2人の演技力の高さからか自然と感情移入でき、別れ話のシーンや別れ際のシーンはグッとくるものがあった。
2回観たい映画。
大人になってからじゃないと良さはわからないかも。ただ、現在では作れない脚本とも思う。
古いけど印象に残る映画だった。
評価:3.8

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bigsuke

5.0涙が止まらない

2025年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

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映画イノッチ

4.5久しぶりに見ると、新しい気づき

2024年6月2日
PCから投稿

30年ほど前に見た時と、今見た時では。
涙するシーンが違ってきてました。

回想録だったんだね。
そして終わり近くの、夫婦のシーンや、母としての想い。
それは子供達に、これからどう生きればいいか。
自分に素直に、周囲を大切に。
教えたんだろうな。

本当に大切な思いは、いつまでも心深く残る。

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ゆき@おうちの中の人