マイ・フェア・レディ

ALLTIME BEST

劇場公開日:1964年12月1日

解説・あらすじ

ロンドンの花売り娘が一流の淑女に変貌していく姿をオードリー・ヘプバーン主演で描き、1964年のアカデミー賞主要8部門を独占した名作ミュージカル。アイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショウの戯曲「ピグマリオン」をもとにした同名ブロードウェイミュージカルを、「フィラデルフィア物語」のジョージ・キューカー監督が映画化した。ロンドンで花を売り歩いていた女性イライザは、言語学の教授ヒギンズから下品な言葉遣いを直せば一流のレディになれると言われ、教授から言葉や礼儀作法のレッスンを受けることに。猛勉強の末に美しいレディへと成長したイライザは華々しい社交界デビューを飾るが、実は教授が彼女をめぐって友人のピカリング大佐と賭けをしていたことを知り、ショックのあまり教授のもとを飛び出してしまう。

1964年製作/173分/アメリカ
原題または英題:My Fair Lady
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1964年12月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第37回 アカデミー賞(1965年)

受賞

作品賞  
監督賞 ジョージ・キューカー
男優賞 レックス・ハリソン
撮影賞(カラー) ハリー・ストラドリング
編曲賞 アンドレ・プレビン
衣装デザイン賞(カラー) セシル・ビートン
美術賞(カラー)  
音響賞  

第22回 ゴールデングローブ賞(1965年)

受賞

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) レックス・ハリソン
最優秀監督賞 ジョージ・キューカー

ノミネート

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) オードリー・ヘプバーン
最優秀助演男優賞 スタンリー・ホロウェイ
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映画レビュー

4.5 オードリー・ヘプバーンのチャーミングさが際立つシンデレラストーリー

2024年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

オードリー・ヘプバーンのチャーミングさが際立つシンデレラストーリー。
下町育ちで粗野な花売り娘から、華やかなドレスに身を包んだ上流階級の淑女に至るまで、表情豊かでコミカルな演技が実に愛らしい。
また、ファッションの視点から注目しても面白い。
作品のポスターにもなっているつばの広い大ぶりの帽子とマーメイドラインのドレスは、白と黒の2色にもかかわらず、華やかで目を見張るものがある。
20世紀初頭の階級社会が根強いイギリスで、階級ごとの服装を比較できるのも興味深い。
ちなみに本作には元祖シャーロック・ホームズ俳優のジェレミー・ブレットも出演している。若かりし頃の彼の姿を拝めるのも貴重。
ファッション好き、シンデレラストーリー好きな方におすすめの作品。

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Sarah

3.5 内なる性差別に目を向けながら

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

貧しい花売りのイライザ(オードリー・ヘプバーン)が、言語学者のヒギンズ(レックス・ハリソン)に正しい英語の言葉使いを教育され、レディになるシンデレラストーリー。

言語が階級を秩序づける様がよくわかる。そしてその階級秩序をフラットにさせるためにー人間を平等にするためにー言語教育がある。しかしただ正しい言語が話せればいいわけでもなく、適した振る舞いや服装、メイクも身につける必要がある。その文化的な側面は生まれながらの階級に拘束される。なぜならその文化的なものをみつける経済的な条件や嗜好が階級に既定されるからだ。だからイライザのように上流階級のヒギンズに言語教育されながら、振る舞いも教えられ、社交界で好まれる服装を買ってもらわなければシンデレラストーリーは実現しない。
階級と文化は相互的に再生産し、関連はなかなかに根深く、教育されれば容易に階級移動ができるわけでもない。

また教育で果たされる平等に性別による平等もあげられるだろう。
しかしヒギンズは性差別主義者であり、物語を通して改善されるわけではない。しかもヒギンズは教育する立場である。だから性差別もかなり根深く、また無意識に身体化された差別である。

本作がいま制作され、公開されれば性差別発言のオンパレードであり、非難されるだろう。しかも男女二元論で異性愛主義に満ちた作品でもある。しかしこの作品は、第37回アカデミー賞で8部門も受賞された「傑作」である。

今の視点から断罪することは適切ではないと思うが、かつては「傑作」と評価した映画文化を、そこにあった問題点から目を背けてはいけない気がする。

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まぬままおま

4.5 【“生け花店で働きてえんだ!”今作はコックニー訛の労働者階級の花売り娘が、傲慢な言語学教授の下で上流階級の喋りを身に着ける中で、女性としての自立と恋に目覚める様を描いたミュージカル映画の逸品である。】

2025年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 最初に恥を忍んで記すが、私はこの映画を”観た”と思い込んでいた。思い返せば、ドキュメンタリー映画「オードリー・ヘプバーン」を映画館で鑑賞したせいだと思われる。

  何しろ、あの映画ではオードリー・ヘプバーン演じるイライザが、ヒギンズ教授(レックス・ハリソン)の書棚に本が埋め尽くされた印象的な作りの部屋で、”スペインの雨は、主に平野に降る。”と言う台詞を何度も言わされて、母音をキチンと話すシーンを主に、淑女の言葉遣いを叩き込まれるシーンが盛り込まれていたからである。

  だが、観たと思っていた今作のレビューが無い。
  マア、そういう作品は可なりあるので、この作品もそうだろうと思いつつ、序盤を観て観たら・・、観ていなかったあああああ!(オバカ)
  で、仕事が予想より早く終わった本日、鑑賞した訳である。

  すると、この作品は私が考えていた
  ”コックニー訛の労働者階級の花売り娘のイライザが、傲慢な言語学教授の下で上流階級の喋りを身に着ける”
  物語だけではなく、”一人の夢持つ女性がその夢を叶える為に、ヒギンズ教順の下でコックニー訛を矯正するだけではなく、その過程で女性としての自立心を持って行く姿や、恋をする初めての経験に戸惑いつつも、それを不器用ながらに受け入れ、恋の相手である傲慢なヒギンズ教授にその思いをぶつける物語だったのである。

  更に言えば、ヒギンズ教授も最初はイライザを友人のピカリング大佐(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)との、賭けの対象としてしか観ていなかったのが、イライザと長い間、同じ家で暮らし言葉を教える中で、教授自身も気付かないうちに彼女に恋をしていた姿をコミカルに描いているのである。

  イライザが、ヒギンズ教授が自分を賭けの対象にしていた事を知り、涙を溢し彼の家から飛び出し、花売り娘だった頃の仲間の所に行っても誰も気づかずに、ヒギンズのせいで中流階級になっていた父アルフレッド(スタンリー・ホロウェイ)が”自由が無くなった・・。”と嘆く姿などを描くシーンも、実にアイロニーが溢れているのである。

  そして、イライザは行き場が矢張りなく、ヒギンズ教授の家に戻ると、彼は彼女が居なくなった事で、しょぼくれているのであるが、彼女が戻った途端に元の姿に戻りつつも、彼女に恋している事を彼らしい態度で告げるシーンなども良いのである。ー

<今作はコックニー訛の労働者階級の花売り娘が、傲慢な言語学教授の下で上流階級の喋りを身に着ける中で、女性としての自立と恋に目覚める様を描いたミュージカル映画の逸品なのである。>

■可なりビックリしつつ、嬉しかった事
 ・イライザに恋した青年フレディを、ムッチャ若いジェレミー・ブレットが演じていた事である。チビッ子の時に、大好きだった「シャーロック・ホームズの冒険」でホームズを演じていたジェレミー・ブレットである。(もちろん、声は露口茂さんである。)
  ビックリしたなあ!

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NOBU

3.5 良くも悪くもミュージカル

2025年2月12日
PCから投稿

淑女に教育する過程は冗長ですが、織女になってからの展開がドラマチック、且つサスペンスフルです。
ウェストサイド、サウンドオブミュージック、メリーポピンズと並ぶハリウッド黄金時代を代表する正統派ミュージカルなので、ミュージカルに興味のない人にはお勧めできません。

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越後屋