冒険者たち(1967)

劇場公開日:1967年5月18日

解説

ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説を、彼と「ふくろうの河」の監督ロベール・アンリコ、ピエール・ペルグリの三人が共同で脚色し、ロベール・アンリコが監督したアクション。撮影はジャン・ボフティ、音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当。出演は「パリは燃えているか」のアラン・ドロン、「女王陛下のダイナマイト」のリノ・ヴァンチュラ、「スタンダールの恋愛論」のジョアンナ・シムカスほか。イーストマンカラー、テクニスコープ。

1967年製作/113分/フランス
原題または英題:Les Aventuriers
配給:大映
劇場公開日:1967年5月18日

あらすじ

マヌー(A・ドロン)とローランド(L・バンチュラ)は、性格はまったく違っていたが、実の兄弟のように仲が良かった。マヌーはパリにある飛行クラブの教師で、ハンサムでスマートな外見に似合わず、驚くほどの命知らずで大ぼら吹きだ。ローランドはパリ郊外の廃車置場の中にある奇妙な仕事場に住み、画期的なカー・エンジンの開発に専念していた。ある日マヌーは飛行クラブの生徒から、耳よりな話を聞きこんだ。それはある映画プロデューサーが撮影のため凱旋門を飛行機でくぐり抜けた者に二千五百万フランの賞金を出すというのだ。マヌーは科学的調査をして、十分に勝算のあることを知った。いよいよその当日となったが、思わぬ事件が勃発、飛行はとりやめとなり、その上この事件がもとでマヌーは飛行士の免許を剥奪されてしまった。おまけにこの話が巧妙に仕組まれた冗談であることが分った。失業したマヌーは友人ローランドの仕事場へ移ったが、仕事は思うように進行しなかった。そんなある日、マヌーは飛行クラブの生徒から聞いた新たなもうけ話の調査に乗りだした。それによるとベルギーのコンゴ移住者が動乱から逃れる途中、莫大な財産を乗せて海に墜落し、財宝が海底に眠っているというのだ。調査の結果それは間違いなかった。マヌーとローランド、それに以前ローランドの仕事場で彫刻を勉強したことのあるリティティア(J・シムカス)の三人はスクーナー船に乗りこんで、宝探しを始めた。途中墜落して死んだと思われていたパイロットが船を訪れた。ついに彼らは素晴らしい仕事をなしとげた。ところがこの財宝に目をつけていた男たちが闇に乗じて襲ってきた。その戦いの中でリティティアは死んだ。危機を脱出した二人は彼女の故郷アイクス島を訪れた。そこには彼女にそっくりの少年がいた。リティティアを愛し続けていたローランドは、その少年の世話をするため島に残った。一度パリに帰ったマヌーも淋しくて、再び島へ来たが例の一味に襲われて死んでしまった。ついにローランドは島を去る決心をした。そして少年はひとり島に残された。

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スタッフ・キャスト

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(C)Societe Nouvelle de Cinematographie(SNC)-Paris 1967.

映画レビュー

5.0 口笛

2025年9月23日
iPhoneアプリから投稿

夏の暑い日に口笛を吹きながらカッコつけたくなる映画。
ラフなカメラワークがとても気持ちいい。

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takantino

4.0 【今作は、一度は夫々の夢破れし男女三人が南の海で沈んでいた宝を引き上げる所から始まる、愛と絆を描いた粋な冒険譚であり、後世の作品に影響を与えたと思われるシーンが多数有る作品でもある。】

2025年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■巴里に住みながら、
 1.レーシングカーのエンジン開発に取り組むローラン(リノ・ヴァンチュラ)
 2.パイロットを目指すマヌー(アラン・ドロン)
 3.芸術家として名を上げたい紅一点レティシア(ジョアンナ・シムカス)
 は、貧しいながら夢を目指すが、夫々挫折する。
 だが、マヌーを凱旋門の下を括らせる飛行をさせた男ヴェルタンの嘘がバレ、逆に3人は彼からコンゴの沖合に沈んでいる飛行機に財宝があるという話を聞き出す。
 三人は新たな夢のために、コンゴに行き飛行機の生き残りの男(セルジュ・レジアニ)から、飛行機の位置を聞き出し見事に財宝を見つけるが、その事を知っていた男達に襲われてレティシアは銃弾に斃れてしまう。
 フランスに戻った二人は、レティシアの故郷を訪ね、自分達と仲良くなった少年と彼女の事を悪く言う叔父夫婦に1億フランを渡し、叔父夫婦ではなく少年が成人したら手に出来る様にする。
 少年の案内で沖の要塞島に渡った二人。マヌーは巴里に戻り財宝により派手な生活を送るが、ローランは残りレティシアが語っていた”海に浮かぶホテル”を実現させる夢を持つのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作では、男女三人の夢と破綻と新たなる夢と、三人の絆と粋な心意気が瑞々しく描かれている。
 1967年の公開だそうだが、古さは感じさせない映像である。

・アラン・ドロンもジョアンナ・シムカスも、若く美しい。そして名優リノ・ヴァンチュラはチョイ、オジサンだが抜群の存在感を放っている。
 劇中で、ジョアンナ・シムカス演じるレティシアは、マヌーではなくリノ・ヴァンチュラ演じるローランに、恋心を告げているのだが、ここが良いのだなあ。
 【見る眼がある美しき女性は、若きイケメンよりもイケオジを選ぶんだよなあ・・。】(ココ、強調!)

・凶弾に倒れたレティシアを、潜水服に入れて南国の海に水葬するシーンの哀しくも美しき陽光が降り注ぐ海中からのアングルが素晴しい。ローランもマヌーも、粋なのである。友情を分かち合った友を、敬意を持って葬る姿。

・そして、飛行機の生き残りの男を脅してマヌーの所に来た男達に口を割らない姿も粋である。
 とにかく、この映画は随所で粋なのである。例えば、ローランもマヌーがレティシアの悪口を言った叔父夫婦ではなく、彼らの子で二人に親切にしてくれた少年に1億フランを渡すシーンや、ローランがレティシアが生前に語っていた”海に浮かぶホテル”を実現させるべく、巴里に戻らずに彼女の故郷に留まる姿など。

■私が、この映画に影響を与えられたシーンの中で、これは間違いないのではないかと思ったのが、グレイグ・ボンドの007の「スカイフォール」での軍艦島でのハビエル・バルデム演じるラウルとボンドとの戦いのシーンである。
 あと、幾つかあるが、この映画の宝物を見つけるという究極の冒険譚の流れの描き方は素晴らしい。

<ラストも、哀しいが粋である。男達の凶弾に倒れたマヌーに対し、男達を全滅させたローランは”レティシアはお前と暮らすと言っていたぞ。”と言うのに対し、マヌーは”嘘つきめ”とニヤッと笑って息絶えるのである。クー!粋だなあ、二人とも!
 今作は、一度は夫々の夢破れし男女三人が南の海で沈んでいた宝を引き上げる所から始まる、愛と絆を描いた粋な冒険譚であり、後世の作品に影響を与えたと思われるシーンが多数有る作品でもある。>

コメントする 2件)
共感した! 11件)
NOBU

5.0 あの1967年、映画好きな青年は誰もがジョアンナに恋をしたんだよ

2025年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、映画館、VOD

泣ける

幸せ

癒される

NHKのBS4Kで放送されたのを録画して久しぶりに鑑賞。
やっぱり大好きな映画です。
この映画が公開された年は、私が大学受験予備校生として北関東の片田舎から東京へ上京した年であり、あの3億円事件が発生した年でもあるわけで、後期高齢者のジジイになった今では信じがたいほど都会で観るもの体験するものがどれも新鮮に思えて、町並みを歩くだけで高揚感にうきうきしていたものです。
そんなときに観た、この映画は理屈抜きで若い田舎者を魅了しました。
二枚目として油の乗り切ったアラン・ドロン、主にノワール映画で活躍して大のファンだったリノ・ヴァンチュラ、そしてなによりもニューフェースでヒロインのジョアンナ・シムカスに魅了され、5,6回は映画館通いを繰り返したものです。
映画批評になんか関係なく、間違いなく当時、多感だった若者の心を射抜いた、私の永遠の青春映画ナンバーワンです。

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共感した! 2件)
ぷかぷか

4.5 映画終活シリーズ

2025年6月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

癒される

1967年度作品
60年代のフランス映画は、大概が難解で苦手やけどアラン•ドロンはハズレなしやな

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共感した! 2件)
あきちゃん

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