ブロブ 宇宙からの不明物体のレビュー・感想・評価
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古き良き特撮表現による、謎の粘性物体パニック
【ソニー・ピクチャーズYouTube公式アカウントにて視聴】
“それ”は、絶えず獲物を捕食し、膨張する。隕石により飛来したアメーバ状の粘液性物体が、アメリカの小さな田舎町を恐怖に陥れる。
1958年製作『マックイーンの絶対の危機(ピンチ)』のリメイク版。監督・共同脚本には『マスク』(1994)、『スコーピオン・キング』(2002)のチャック・ラッセル。更に、『ショーシャンクの空に』(1994)のフランク・ダラボンも脚本に参加している。
アメリカの田舎町アーバーヴィル。ある夜、森に隕石が落下し、内部に潜んでいたピンク色の粘液性物体がホームレスの男性の腕に絡み付いた。デート中のティーンエイジャー、メグ(ショウニー・スミス)とポール(ドノヴァン・リーチ)が、彼を病院に搬送する。しかし、謎の物体は老人を捕食し膨張、ポールも犠牲となってしまう。
町の保安官は、不良少年のブライアン(ケヴィン・ディロン)の仕業を疑う。しかし、動機も証拠もないブライアンはすぐに釈放される。ポールが犠牲となる瞬間を目撃していたメグは、警察に事情を説明するも信じてもらえず、ブライアンに助けを求める。
その間にも次々と町の人々を捕食し、巨大化していく物体。間一髪の所で襲撃を免れたブライアンとメグは、保安官を頼ろうと隕石が落下地点である森へと向かう。しかし、そこには政府の生物研究所を名乗る防護服の人々がやって来ていた。
今見るとあまりにも陳腐だが、手作り感満載のアメーバ状の物体の演出は好み。ミニチュアや合成を駆使したクリーチャー描写は、古き良き特撮といった雰囲気で、全てをCGで表現出来てしまう現代にはない味がある。
気合いの入った捕食描写も素晴らしい。また、犠牲者の人選も魅力的だった。
ブライアンを「不良(ワル)だが、人を殺すようなヤツじゃない」と信頼していた保安官や、そんな彼が思いを寄せていたダイナーのウェイトレスといった、作品によっては生き残る可能性がある人物がアッサリと捕食されていく展開は好感が持てる。また、メグの弟と映画館に行った友人まで犠牲になるという、無垢な少年すら容赦しない思い切りの良さには拍手。
映画館で女を前に映画のネタバレを続ける髭オヤジや、マッドサイエンティストのメドウス博士が犠牲になるのは御約束(笑)
ヒロインであるメグの奮闘ぶりが良い。親に内緒で友人と映画館へ出かけた弟を救出し、下水道で逃げ惑う姿。クライマックスでマシンガンを手に物体に挑む姿は、『ターミネーター2』のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)のような逞しさがあり笑える。
マット・ディロンの弟、ケヴィン・ディロンの若き日の姿も印象的。冒頭で壊れた橋をバイクで渡ろうとするも失敗するという展開が、彼の無鉄砲さを象徴している。中盤で政府の職員達から逃げる際に、橋を渡る事に成功するという展開もベタだが上がる。
謎の物体の正体が単なる宇宙生物ではなく、政府が極秘開発した生物兵器だったという展開は驚いた。陰謀論的なアプローチは嫌いではない。しかし、ラストで物体を瓶詰めにして持ち歩き、終末論を唱える牧師はやり過ぎな気もするが。何せ、こちらは物体の正体が人工物である事を知っているので。
ストーリーテリングや物体の映像表現に陳腐さは拭えないが、独特な魅力を放つ一作なのも確か。更なる現代版リメイクがあるならば観てみたい気もする。
スプラッターホラーの名作
グチャグチャバトル‼️
宇宙から隕石に乗ってやってきたゼリー状生物ブロブと人類の戦いを描いたSFホラー‼️オリジナルは、我が憧れマックイーンが主演した58年製作の快作SF‼️物語はほぼオリジナルと同じで、ド派手なアクション・ホラーとしてバージョンアップ‼️映画館でのブロブの襲撃から、クライマックスの路上でのファイナルバトルまで、テンポ良く続くブロブとの対決が圧巻‼️そしてブロブに襲われ肉体が損壊する描写も圧巻‼️血は出る、腕はもげる、顔面ドロドロ溶解まで、スプラッター度MAX‼️当時としては最上のB級アクションですね‼️特にブロブがペッタンペッタンと人間を吸収するシーンは笑える‼️製作は「アビス」の一年前なので、CGはもちろん無く、特殊メイクやストップモーション・アニメなどで、ブロブを大暴れさせたスタッフの頑張りに拍手‼️
CGの無い時代でも頑張ってる名作
子供の頃マックイーンの絶対の危機が大好きでテレビで再放送する度に見ていた。
それが1989年にリメイク。当時クオリティが高くて非常に満足したものだったが、
たまたまアマゾンビデオで100円だったのでつい見てしまった。
流石に34年も前の映画ともなれば古いのだが、昔の映画にあるようなテンポの悪さなどなく
畳み込むように展開するし、アメーバの不気味さもうまく醸し出されている。90分とまとまりがあっていい。
何といってもアメーバーに溶かされていく人間の不気味さは非常にうまく表現されていて
CGには無い良さがあった。
まあ確かに巨大化したアメーバーの合成はしょぼかったし、ストーリーもありきたりだったけど
今見ても見る気が起こらなくなるようなものではなく、当時もう少しヒットしても良かったのではなかったかなと思ってしまうほどいい出来だった。
CGが前世の時代これほど相性のいい映画はないと思うので、再度のリメイクを求む。
不明物体どころではない化け物
テンポ重視のガバガバストーリーで楽しめる。
ガバガバストーリーなのに伏線回収が光るパニックホラーの傑作。
ブロブが本当に化け物なのでより恐怖を煽ってくれます。残酷な描写も時代を感じる重厚な味わいがあります。
「ストロベリージャムを仕留めたぜ」「パンくずで印をつけないと迷子になる」
根はいい奴っぽい不良のブライアンが頑張ってる。ヒーローに打ってつけのアメフト選手なんかはスケベ心いっぱいだったから、すぐやられちゃう。ブライアンは、たまたま助けを求められたチアガールのメグと行動を共にするが、彼は救助隊に連れられ隔離された町へと戻る。自分のバイクを隠してあった森から持ってくるが、怪しい救助隊の秘密を垣間見てしまうのだ。
救助隊はアメリカ政府か軍なのかはわからないが、細菌戦争のためウィルス兵器を研究していた。ソ連が崩壊する直前なのであろうか、終結寸前の冷戦時代の悪の象徴。そのウィルス兵器が一人歩き、暴走し、人を食って増殖するバケモノに突然変異を起こしたものだろう。
バイクアクションを駆使して、秘密を知ったブライアンが一人救助隊に立ち向かう。ブライアンに対して敵意剥き出しの保安官ブリッグスとの葛藤も注目だ。
単なるSFパニック映画ではなく、軍批判の要素を盛り込んだ社会性のある映画。『マックイーンの絶体の危機』というオリジナル作品をようやく見ることができた。
B級ホラーの教科書の様な作品。
スティーブ・マックイーンが主演を務めた、1958年公開の映画『マックイーンの絶対の危機』のリメイク。
謎のブヨブヨモンスター「ブロブ」が人々を恐怖に陥れるパニック・ホラー。
脚本は『エルム街の悪夢3』のフランク・ダラボン。
序盤の雰囲気はすごく良かったです。大学のアメフトの試合という場面にもかかわらず、空は曇り空。BGMも控えめに挿入されている。これから何か不穏なことが起ころうとしていることが伝わります。
保安官が寂れたレストランでその女店主を口説く場面があることで、この田舎町が特に事件もない平和な町であることが示唆されています。
主人公であるブライアンのファッションが、いかにも80年代のティーンエイジャーといった感じでいいです。革ジャンにジーンズ、長髪に大型バイク。タバコを吸いながら飲む酒はバドワイザー。良いですねー☺️
本作のヒロインメグを口説くポール君。初デートにもかかわらず、彼女の父親には誤解され(「さざ波…」は素直に笑いました)、ホームレスを轢き、あげく序盤でブロブくんにぶっ殺されるという可哀想な青年。
なんの前情報も仕入れてなかったので、この青年が主人公だと思ってました。ポールとブライアンのダブル主人公だと思い込んでいたので、彼が速攻で殺されたことが本作で一番驚いたポイントです(笑)。
作り物感満載のブロブくんを見ると、CGが発達する前の、古き良き映画の時代への郷愁に駆られます。
取り込むことしか殺害方法がないブロブくんですが、排水溝や電話ボックスをうまく使って見事なテクニックを見せてくれます。
女子供関係なくぶっ殺すとは、ブロブくんはほんまにモンスターの鑑や!
宇宙から来た謎の生命体だと思われていたブロブくんですが、じつはアメリカ軍の生物兵器だったことが判明。「ブロブ/宇宙からの不明物体」という邦題は一体…
研究機関の人たちは火器を使ってブロブくんの捕獲を図りますが、実はブロブくんには火器は効きません。なんと冷気が弱点でした。
…いやいや、研究機関の人たちならそのぐらいは基本知識だろ!対策してから乗り込んでこんかい!…というのが本作の最大のツッコミどころですね。
クライマックスでの、一刻を争う場面にも拘らず降雪車のシートベルトを締めていたおかげでピンチに陥るブライアンや、勇ましくブロブくんを挑発するが、足が引っかかり窮地に陥るメグのシーンはマジメに演じているからこそ、笑えるシーンになってましたねぇ。
作品冒頭のブライアンの度胸試しのシーンや整備工場のオッさんとの会話が後の伏線になっていたのは、映画っぽくて良かったです。
メグとブライアンがいい感じになって終わりますが、ますますポール君が救われねぇ…
オチはゾッとする感じで、結構好きな終わり方でした。
総評としては、良くも悪くもB級ホラーで、それ以上でも以下でもありません。丁寧にお約束をなぞりながら作られており、決して退屈な映画ではなかったです。頭を空っぽにして映画を見たいときにオススメの一品です。
ぐにょぐにょアメーバに襲われるぅ!
深夜放送で2回ほど観た記憶があります(笑)
「マックィーンの絶対の危機(ピンチ)」のリメイク版です。
観たことはありませんが、スティーブ・マックィーンが無名時代に主演していたということで、今でもファンの間でカルト的な人気を誇っている作品だそうです。
宇宙から飛来した人喰いアメーバがアメリカの小さな街に出現。次々に人々を捕食し、街ひとつ丸ごと飲み込めるくらいまで成長してしまいます。このまま増殖を続ければ、地球が滅びてしまう!
そんな絶対の危機に街に住む若者カップルが立ち向かうというB級SFホラーです。
知らない俳優ばかり出演しているので低予算感は否めませんが、アメーバの特撮が秀逸の極みでした(色がピンクというのもまた不気味でグロテスク…)。工夫次第でクォリティーは上げられるということですねぇ…。金の多さなんか関係無いねってことかぁ…。
異生物パニックホラーもの
アメーバ状の細菌生物兵器が人々を飲み込みながら町を侵略していくパニックもの。アメーバが電話ボックスを包み囲んだり、防護メットの中から溢れたり人を襲う演出がバリエーションに富んでいた。
巨大化したアメーバをヒロインがコールドカーごとぶっ飛ばして雪を降らしてエンド。
ラストはアメーバの結晶を牧師が隠し持ってて幕。
Troublesome souvenir from space. いいよね!80年代ホラー!
リメイクにて成長した映画
ブロブが肉感的で、リメイク前の『マックイーン絶体の危機』のスライム感がなくなっています。
ストーリーも不良少年とヒロインの構図は残し、人為的に起きた生物によるパニックと生物の研究者の絡みを交えて、つじつまをあわせています。
勿論、住民が様々な形でブロブに食い殺される様を見るのも醍醐味の1つです。
山に住むじいさんをじっくり味わったのを皮切りに、スケベ心に囚われた若者達を次々と食していきます。
襲われた映画館の映写機が一台しか見えなくてフィルム交換どうするんだ?と思ったりもしたけれど、つっこんでも仕方ないな。
ラストに狂った牧師がビン詰のブロブによる審判の日を語るシーンは自分的にはもうひとつと。
楽しかった
スライムか脂身みたいな宇宙人が襲ってくる。
ヒロインの女の子がほっぺがちょっとぷっくりしていてすごくかわいかった。しかし後半はずっと寝間着みたいな地味なポロシャツにズボンという何の可愛げもないいでたちで、もうちょっとサービスして欲しかった。
軍の連中が無能すぎてイライラした。
カナザワ映画祭2015、楽しい映画だった。
人喰いアメーバの恐怖!
アメリカの田舎町に隕石が落下。中から現れたアメーバ状の生物は次々と住人を補食していく…。
スティーヴ・マックィーンの1958年の作品「絶対の危機」をリメイクした1988年の作品。
オリジナルはマックィーンの無名時代の初主演作という事もあって今やカルト的な人気らしいが、リメイク版の本作も往年の低予算SFの雰囲気を受け継いでいる。
とにかくチープなB級SFである。
穏やかな田舎町を襲う恐怖、立ち向かう若者たち、政府関係者の登場で町は大パニック…50年代の低予算SFと80年代のB級ホラーの醍醐味を凝縮。
何も大予算の超大作でなくともSFは撮れる。シンプルなアイデアをいかにユニークに味付けし、凝ったSFXで見せるか。「ターミネーター」はその教科書。「フライトナイト」も面白かった。
本作でも、低予算ながら当時の最新SFXを駆使したアメーバの形状はなかなかだし、補食され溶けた人間の特殊メイクのグロさはナイス!(笑)
脚本を手掛けたのは今では感動作の名手フランク・ダラボン。元々ホラー出身の人なので、しっかりとツボを抑えた作り。
この手の作品が好きな方には大ウケする事間違いナシ、最後まで気楽に楽しめる。
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