ビヨンド・サイレンス

劇場公開日:

解説

南ドイツの田園地帯を主な舞台に、ろうあの両親を持つ少女の成長を爽やかに描く感動作。監督・脚本はこれが長編デビュー作となるカロリーヌ・リンク。製作はヤーコブ・クラウゼン、トーマス・ベブケ、ルギ・ヴァルトライトナー。共同脚本はベス・ゼルリン。撮影はギャルノット・ロル。音楽はニキ・ライザー。美術はスーザン・ビーリング。編集はパトリツィア・ロンメル。出演はシルヴィー・テステュー、タティアーナ・トゥリープ、ハウィー・シーゴ、エマニュエル・ラボリ、シビラ・キャノニカほか。97年ドイツ連邦映画賞最優秀長編作品賞、最優秀主演女優賞、最優秀音楽賞、第10回東京国際映画祭グランプリ、最優秀脚本賞などを受賞。

1996年製作/113分/ドイツ
原題または英題:Jenseits Der Stille
配給:パンドラ
劇場公開日:1998年5月2日

ストーリー

ろうあの両親を手話で助ける8歳のララ(タティアーナ・トゥリープ)は、学校の成績はイマイチだが頭がよくしっかり者の少女だ。ある時、ララは父マルティン(ハウィー・シーゴ)の美しい妹、クラリッサ(シビラ・キャノニカ)にクラリネットをプレゼントされる。ララは練習を始めるやいなや、驚くほどの上達を見せた。しかし音の聞こえないマルティンはいい顔をしない。一方、母カイ(エマニュエル・ラボリ)はララの味方だ。そんなカイに、赤ちゃんが生まれる。ララにはマリーという名の妹が出来た。そして10年の歳月が流れる。18歳になったララ(シルヴィー・テステュー)は、クラリネット奏者を目指して勉強をしていた。そして父の猛反対を押し切り、音楽学校を受験するためにベルリンのクラリッサの家に身を寄せた。しかしクラリッサは夫との関係がうまくいっておらず、ララの居心地は悪かった。そんなある日、ララは、ろうあ学校で手話を教える青年トム(ハンザ・ツィピィヨンカ)と友達になる。トムとの出会いに胸をときめかせるララ。だが突然、母カイの死の知らせが飛び込んできた。意気消沈して実家へ戻るララだが、音楽の夢は捨てられない。相変わらず猛反対の父を振り切り、再びベルリンへ。そしていよいよ音楽学校の受験の日。試験場の舞台に立つララの前に、何と父マルティンが姿を現した。ララは父が見守る中、見事なクラリネットを吹くのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第70回 アカデミー賞(1998年)

ノミネート

外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0音楽への情熱と両親への愛

2022年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

監督、脚本、原作は カロリーヌ・リンク 本国ドイツのアカデミー賞 最優秀長編作品賞他 第10回 東京国際映画祭 インターナショナル コンペティション部門 グランプリ&最優秀脚本賞等 数々の賞に輝いた作品。 ミュンヘン郊外の町に住む 少女 ララは ろうの両親の深い愛で 幸せに育てられていた。 両親のために幼いときから 手話を覚えたララが 始めて夢中になったのが音楽で 祖母がクラリネット奏者で あったこともあり その道を目指すが 静寂の世界に住む両親との 関わりの中、心の葛藤を経て 自分の人生を決断してゆく物語。 全編に流れる音楽の美しさも ステキです。 ララを演じる天才子役の タティアーナ・トゥリープの 演技力は素晴らしかったです。 役の為に 手話、クラリネットも学び ララになりきったそうです。 余談ですが 実は、私も 手話サークルで ボランティア活動を 経験していた時期があり 手話講習会へも通い 自分でもびっくりですが 初級、中級、上級と 3年間に渡って 学ぶことができました。 その時に、この映画を 紹介されて鑑賞できたのです。 ろう者を取り巻く環境も 映画で学ぶことができました。 手話とは、 コミュニケーション手段の ひとつですね。

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LaLa

4.0いい映画で大好きです

2022年1月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

幸せ

ドイツの良さが出ているなあと思って好きな映画です。やっぱり父親と娘が衝突するのもいいし。公開された頃にDVD(だと思う)で購入して見てとても良くて何度も見た記憶があります。 これから上映される映画の「コーダ」と方向性は近いかと想像します。共通しているのは主人公の女の子は音楽に長けている、彼女の家族は音が聞こえず話せないということです。「コーダ」は(まだ)見ていません。それぞれの原作に関係があるのかも調べていないしわかりません。でも、関連ある過去の作品にちょっと挨拶するとかなんかして欲しいなあと思います。いつも「ドイツ映画」は哲学的とか、あまり見たことないとか言われてばかりでちょっと残念なので。

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talisman

4.0手話とクラリネット

2018年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

  マティアス・ハービッヒ演ずる叔父グレゴールが好演してた。重要な人物ではないものの、家族から疎外され、クラリッサと別れてしまった後の表情が良く、結局はララのことを一番理解してたのではないかと思うほどだった。  前半部分の方が力が入っていたように思う。ろう者の雰囲気を無音じゃなく効果音で表現し、自分だけ音楽が聞こえないという気持ちが恐ろしいくらいに伝わった。ララ役の二人とも手話とクラリネットの両方を練習しているのだろうなと感心したが、その上素晴らしい演技力である。通訳をごまかすところなんかも最高だ。  後半になってからは、普通の恋愛映画に成り下がっていたところが残念。しかし、この監督は涙の押し売りは強要しないんですよね。あっさりさせているところが好感度大。

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kossy