ひまわり(1970)のレビュー・感想・評価
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友人の勧めで見たのですが。。。。
24個の卵
第二次世界大戦下のイタリアを舞台に、戦争によって引き裂かれた2人の切なく悲しいラブロマンス。
前半は戦時中ながら2人の濃厚な恋愛模様が描かれていました。
イタリア人らしい超濃密な2人の間の愛が愛おしくて、映画序盤のラブシーンはとても良かった。
アントニオのアフリカ行きが決まっており、それを免れようとするも、バレてロシア戦線へ配属されてしまいます。
戦争が終わっても帰ってこない夫アントニオ。
妻ジョバンナは彼がまだ生きていると信じ、ロシアに渡るが…
やっぱり国民性なのでしょうか?
日本人がやったらちょっと重い女になってしまう気がします。
いくらイタリア人でも実際ちょっと引いてしまったほど。
悲しみに暮れ、夫の生存を信じ、安否を確認するためあちらこちらへ回るのはわかりますが、人に迷惑かけるのはねぇ。
彼を知る人物にはなぜ助けなかったと問いただし、ロシアでイタリア人らしき人を見つけてストーキング。
知らないと言っているのにしつこい。
周りだってみんな愛する人の帰還を待っていて他人に構っていられるわけない。
もう少し周りを考えようよ、ジョバンナさん。
まあ、愛の力とはそれほどのものなのかもしれませんが。
自分的にはなんとも言えない表情が良かった義母が1番好きなキャラクターでした。
アントニオもアントニオですが、あんな可愛い子に雪の中引き摺り回されたらね…
戦争によって人間の愛が鮮明に描き出され、哀愁漂う音楽と延々と続くひまわり畑がただただ美しい名作映画でした。
大人の映画
音楽は知ってた。ソフィア ローレンも知ってた。ひまわりという映画があるということも知ってた。
この度、地方にいながら映画館で観る機会があり一人でこっそりゆったり。
良かったー。観て良かったー。細かいことは抜きにして、アナログ撮影でも優れた色彩感、音楽、そして何よりソフィア ローレンの情感溢れる演技。バランスが良いので安心して観ることができた。
また、戦争の傷痕がどんどん薄れていっている今、人間の愚かさと弱さを改めて感じさせられた。
若い人に観てもらいたいと思うけど、若い人にはなかなか理解しがたいのかなぁ?私も若かったら、こんなに共感できなかったと思う。だから、今観ることができたのは良いタイミングだったと思っている。
見渡す限りのひまわりが象徴する色彩が徐々に失われていく冷徹なドラマ
第2次大戦中のイタリア。アフリカ戦線行きを間近に控えたアントニオは12日間の休暇を得るために恋人ジョヴァンナと結婚し郷里で急ごしらえの新婚生活を謳歌していた。休暇が終わろうとした時どうしても別れられない二人は共謀、アントニオが精神に異常をきたしたと装って従軍を逃れようとするがあっさり見破られてしまい過酷なロシア戦線に送られてしまう。やがて終戦が訪れアントニオの帰りを待ち侘びるジョヴァンナは一人の帰還兵からアントニオが極寒のロシアで置き去りにされたことを知らされ単身ロシアに渡るが・・・。
初めて観る映画のはずなのに終始既視感に苛まれるのは映像の断片を物心ついた頃から様々なメディアで垣間見てきたこと、本作に影響を受けたであろう様々な後続作品を沢山観てきたこと、そして幾度となく奏でられるヘンリー・マンシーニの主題曲が脳裏に刷り込まれているからでしょう。50年前の映画ですが傷一つ見当たらないリストア映像の色彩がとにかくビビッド。タイトルロールに映し出されるひまわりの眩しさにいきなり心を奪われます。ジョヴァンナとアントニオの新婚生活はかなりコミカルで愛らしく、アントニオが勢いで作ったオムレツを巡るシーンはほぼショートコント。それゆえに徐々に色彩を失っていく物語とのコントラストが残酷なまでに際立っています。特に印象的なのは駅のプラットフォームで呆然と立ち竦むアントニオの背後に聳え立つ原子炉。戦争に振り回された者達を非常に見下ろすかのような佇まいが強烈でした。ソフィア・ローレンのはち切れんばかりのセクシーさは圧倒的で、本作を名作に押し上げたのは彼女の魅力に負うところが非常に大きいでしょう。個人的にはマーシャを演じたリュドミラ・サベーリエワの透き通るような美しさもまた魅力的でした。二人の美しさが鮮烈すぎるので、マルチェロ・マストロヤンニにはそんなに心を動かされませんでしたが、アントニオの右手の癖にイタリアーノの真髄を見た気がします。
反戦と恋愛ドラマが感動を誘います
懐かしい映画
今年、還暦を迎えたものです。50年前ですから私が10歳頃だと思います。記憶がはっきりしていないのですが、たぶん今年90歳頃になると思われる育ての親の今井さんというおばちゃんに連れられて、高松の映画館に連れて行ってもらいました。初めて見た映画館での映画だったと思います。(うろ覚えですが私は多度津町の出身で、多度津町にはなんと映画館があり、そこで怪獣映画(ゴジラ?)を観たような気もしますが、定かではありません。)ただ、この時の印象が、一面のひまわりの映像とソフィアローレンの顔(すいませんが内容はあまり覚えていません)。さらには同時上映のなんと黒澤明の「生きる」だったのです。志村喬さんの演技に10歳の私は感動しました。50年も前の事で、記憶もはっきりしていないのですが、当時国鉄の機関車で行ったのだと思います。映画館は片原町あたりではなかったでしょうか。高松駅から映画館までどのようにして行った記憶がありません。(たぶんバスかな?)ネットで検索してみても、そのころの情報が出てきません。当時はどんな名作でも同時上映が通常だったと思いますが、どうなんでしょうか?そのころの情報をお持ちの方がおられましたら、ご連絡いただけませんか?ひまわり(1970)はまだ見ていませんが、是非とも観に行きたいと思います。
音楽が素晴らしい。
ついに劇場で
ウクライナの花、ひまわり
大体の内容知っていただけで、初めて見ました。遠景のひまわり畑の印象が強かったけれど、最初も最後もひまわりの花そのもののアップが映る。それを見て、ひまわりは顔なんだ、人間なんだと思った。ひまわり畑の下には、イタリア兵、ロシア兵、ロシアの老若男女の死体が埋まってる。数でなくて、一人一人名前と顔を持った人間。最後に映った3つのひまわりの花は、幸せなジョバンナ、アントニオを待ってたジョバンナ、吹っ切って(でもイアリングはとっておいた)新しい人生を歩むことにしたジョバンナ。かもしれないし、ジョバンナ、アントニオ、アントニオを助けた若く美しい妻でもあるんだろう。
いつまでも6時を指してる目覚まし時計。時が経つのを忘れるほど愛し合ってる時。ロシアに住んでるアントニオが工場から戻る汽車の到着が6時15分。ミラノのジョバンナの部屋で二人が再会して年月が経ったことをお互いの顔と髪で認識して(でも吹っ切れた後のジョバンナは美しい)、口づけして、アントニオが汽車でミラノを発つ時刻が5時45分(に見えたけど)。愛し合っていた6時に向けてやり直すこともできたのかも知れないのに。その「6時」の前後を指す時計の針に胸が痛くなった。ここ数ヶ月、出ることもなかった涙が大量に出た。
前半、明るいイタリアの場面では女性が履いてるサンダルがやたら可愛かった。ソフィア・ローレンの美しいこと!すんなりした足にスタイル!泣く表情が全部違っていて素晴らしい。24個の卵にバターが必要だという北部出身のアントニオ、オリーブオイルしかないというナポリのジョバンナ。どちらでも幸せなオムレツ。
奇しくも、コロナ自粛前の最後に映画館で見たのが三島vs全共闘の映画で、50年前の話。コロナの自粛がとりあえず解除された後に最初に映画館で見たのが50年前制作のこの映画。
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そしてロシアによるウクライナ侵攻。ウクライナ支援のために今月末からこの映画が各地で上映される(2022.03.06.)。
リマスターの美しい光景
イタリアの作品だが、戦争に絡めたメロドラマとして日本でヒットしたらしい。
目の覚めるようなひまわりの畑のシーンがすごかった。
デジタルリマスターの威力は、このシーンを観るだけでもわかる。
全部下には死体が埋まってる、と言いながら、(戦中戦後の実際映像を使っていたのであろう)死体を埋める映像に驚きつつも。
なんかこう…
前半、イタリア人らしく恋仲になったら、ずっといちゃいちゃしてるシーンばかりなんで、眠くなった。
また、後半はいかにもイタリア人って顔の男主人公(マルチェロ・マストロヤンニ)がロシア人って、どんなギャグやねん、とツッコミたいのを我慢。
余談ですが、『はいからさんが通る』(原作漫画)って、『おてもやん』とこの『ひまわり』が大きな影響を与えているんじゃないかなぁ、って思ったりして。
大女優
圧倒的なひまわりのシーンが印象的
懐かしい映画です。
TVで知ったあと、リバイバル上映でも見ました。
又上映されるんですね。
イタリアの陽気な新婚の2人が戦争によって引き裂かれてしまう。
ラストの選択は本当に辛いものでした。
西側のカメラが初めてソビエトの中に入った映画でしたか💦
村の娘役で出てたリャドミラ・サベーリエワはこの少し前
ソビエト映画の長編「戦争と平和」に年齢と同時進行で出演して
当時、話題になっていましたっけ。
ソフィア・ローレンの大ぶりな感じと対照的に可憐な印象で
配役も上手でしたね。
イタリアとロシアという全く雰囲気の違う世界を繋げて見せてくれた映画です。
ソフィア・ローレン、本当に際立っていました。
「2人の女」は辛い内容でしたが上手い役者でしたね。
ミュージカルの「ラ・マンチャの男」では歌声も聴かせてくれましたし。
一部吹き替えでしたが💦
公開当時はハリウッド一辺倒じゃなかったので、イタリアとかフランスとか
外国の映画が沢山見れました。
この映画はそんな中でもとりわけポピュラーな作品でした。
「ひまわり」に込められた意味
戦争で引き裂かれた女性の愛の軌跡を追ったメロドラマを支える、女優ソフィア・ローレンの名演
巨匠ヴィットリオ・デ・シーカは、喜劇と悲劇の両面に俊才を表した監督であった。この後期の代表作「ひまわり」はその両方を併せ持った演出を施し、それが後半の悲劇をより一層感慨深いものにしている。またデ・シーカ監督の一代傑作「自転車泥棒」では、終戦直後の日常生活のほんの些細な出来事から起こる家族の不幸な事件を描いたが、この「ひまわり」の悲劇の主因は遥かに規模が大きく、第二次世界大戦という戦争そのものに取り組んでいる。結婚したばかりのまだ仲睦まじい男女を引き離し、そして更に哀しみのどん底に叩き落す戦争。敵味方死闘を繰り返す戦場以外の(戦場)、または戦後の(戦場)を一組の夫婦の姿を借りて表現している。
そこに導くものが、ソフィア・ローレン演じるジョバンナが持っている愛を貫く強い意志だ。夫の生存を信じる愛の終着点を確認するために、イタリアから遥々ソ連へ行方不明の夫アントニオ探しの長い旅が始まる。広大な大地を覆うように咲くひまわり畑と、夥しい数の墓碑が整然と並ぶ墓地のコントラスト。ついにロシアの大地に来たと見せる、この映像の証言は圧倒的である。そこに一人ジョバンナの姿が映し出されて、この数え切れないひまわりの中のたった一本の花を探しに来たのかと思うと、彼女の愛の執念に改めて感心しないではいられない。
そして、物語は急展開を見せる。その深刻さは、体験することのない人にとっても無理にでも分かって上げたいという同情の涙で答えるしかないものだろう。夫アントニオが生きている歓喜に震えるのも一刹那に、不吉な予感で呆然自失となってしまうジョバンナの心の置き所はあったのだろうか。あらゆる感情によって体力の限界を維持し漸くマーシャの部屋に踏み入る彼女の眼に映るものは、慎ましくも幸せな家庭の光景だった。そして、ついに再会するシーン、列車から降りて妻マーシャに気付き寄り添うアントニオの姿を見たジョバンナの心境はどのようなものか。虚しさ、口惜しさ、憐みなど、様々な感情によって列車に飛び乗るジョバンナ。ここにデ・シーカ監督が最も特徴とする、理屈からの理解で人間を表現するのではなく、感情そのものを表現した映像美で観客を映画の世界に吸い込んでしまう天才的な演出技巧がある。それは同時に、ソフィア・ローレンという優れた女優の豊かな感情表現の演技力があって成立した見事さであり、デ・シーカ監督作「ふたりの女」から10年のキャリアを共にした信頼関係が生む名場面と言える。
後半の話は、劇的な表現を抑えた冷静な大人の世界になる。他の人達の誰も傷つけない幸せな生き方の結論は、二人が別れることだった。もしアントニオに子どもがいなかったら、ジョバンナも独身でいたならと選択は少し変わっていたに違いないが、もっと大切なことは本当に愛する人から離れて偽りの家庭に生きて行くのではないということ。二人の愛が全てだったジョバンナとアントニオは、大人の良識を持った人間に成長変化していた。
しかし、ラストそれでも愛は人間を揺さぶる。ソ連戦線に向かうアントニオを見送ったフォームで、再び別れる二人。永遠の別れになるかも知れないこの悲痛さに、夫探しにソ連まで行った情熱を持ったジョバンナだからこそ、涙を見せるも静かに佇むことが出来る。全ての不幸を戦争の所為と思いつつも、その苦しみに耐えて生きるジョバンナの逞しさも窺える名ラストシーンになっている。
アントニオとジョバンナの出会いから最初の出兵の別れまでの追憶場面は、喜劇タッチで恋人たちのイタリア人気質を楽しく描いて、喜劇「昨日、今日、明日」をモノにしたデ・シーカ監督らしい演出を見せる。後半は、予想もつかない事態に出会うやるせない悲しみを感情豊かに描き、またシリアスな場面の落ち着いた演出にも熟練の味がある。ただ、10年の年月を掛けて準備して構想を練った作品全体の迫力は、ソ連ロケ以外あまり感じない。大作と云うより、より身近に感じる悲劇メロドラマとしての感動が大きい。完成度の点では問題が残るも、デ・シーカ監督とマルチェロ・マストロヤンニ、ローレンの名トリオの名人芸が素晴らしいのは間違いない。その中で一番の魅力を放つのが、ソフィア・ローレンのヒロイン像であり、これはアカデミー賞主演女優賞を受賞した「ふたりの女」の名演に勝るとも劣らない実力を披露したと絶賛したい。このローレンの演技を更に抒情的に表現したヘンリー・マンシーニのテーマ曲がまた素晴らしい。繊細にして哀愁漂うメロディが優しく包み込むようにローレン演じるジョバンナを慰め労り共鳴する。
1976年 4月29日 早稲田松竹
マルチェロマストロヤンニはどうしていつも罪な男なんだ!
まあ今なっては、2時間ドラマのようなストーリーですな…。
しかしこうも濃厚なラブストーリーになっているのは、背景にある戦争と、圧迫された生活からでしょうかね…。あとカメラワークかな。流れるようなカメラワークが素晴らしいね。
あと意外だったのは、「ひまわり」に真冬のシーンが出てくること!こういう映画だったんですねえ。
それとロシアの奥さんが出てくるとは思わなかった!めちゃ白くて可愛いのね…
名シーンは
・病院でのハグ
二人が愛し合っていることがあのシーンだけでひしひしとわかるようなシーンになってます。素晴らしいね。何も喋らず、音楽もなく、なのにあんなに伝わってくるなんて。
あと
・ローソクが点いて二人が顔見合わせるシーン。
うん、このシーンも語らずして何かを語っておりますな…。絵になる名シーンでした。ああいうシーンを変に角度付けて撮らないのがいいよね。写真家のようなアングルで撮る人だなあと。
後半はなんだか、「シェルブールの雨傘」にしか見えなかったけど、名作なのは間違いないし、いろんなドラマがラストの別れのシーンに影響受けてると思うなあ。
ソフィアローレンは、パムグリアにしか見えないのですが、やはり駅のホームとかで佇んでると異常に綺麗に見えて仕方なかったですな。
久しぶりに観た
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