ひまわり(1970)のレビュー・感想・評価
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ひまわりの下
兵役を遅らせようと結婚し、戦況そっちのけでラブラブの新婚生活を12日間楽しみ、最終的には出兵を逃れようと発狂まで演じるなんて、日本兵では考えられないし、流石イタリアンだなぁ…と思いながら前半を観ていました。
帰還しない夫の無事を信じて何年間も根気強く探し続ける妻の一途さと健気さに引き込まれます。戦前と戦後では人が変わったような夫、残酷な事実に打ちのめされる妻。戦争は命を奪うだけでなく、生存者達の運命をも大きく翻弄します。
ロシア女性は可憐で優しくて良いなぁ、でもやっぱり大胆で勇ましいイタリア女性も良いよなぁ…と(^_^;)、感情と状況に流されるダメ男のせい…という気もしますがね。
冬は辺り一面の深雪、夏は輝かんばかりの向日葵畑となる広大な土地。その下に眠る戦争の爪痕を忘れてはならないと、哀しい音色が嘆いているようでした。
何度見ても新しい発見があり感動する。ソフィア・ローレンの迫力、存在...
何度見ても新しい発見があり感動する。ソフィア・ローレンの迫力、存在感がすごく、引き込まれてしまう。お日様に照らされていたオープニングのひまわりがエンディングでは打ちひしがれているのが物哀しい。
素晴らしい!
ネタバレしない程度に。
希望と絶望。
戦争がもたらしたもう一つの現実。
情熱的で、どこか少女のようなピュアさで、戦争がもたらす悲劇と向き合った女性をソフィア・ローレンは完璧に演じていました。
その立ち振る舞いまで、本当に美しく、かっこ良い、なのに人間くさい。
ソフィア素晴らしい!の一言です。
彼女に感情移入して映画を観れば号泣します。
クラシカルな良質さ
長年観たかった映画で、大きなスクリーンで観ることができて、とても良かった。
音楽はよく知っていたし、ヒマワリのシーンもTVのワンシーンで観たことはあったけれど、内容は詳しくは知らなかった。
ストーリーは淡々と進んで行くが、古い映画だからこそのカメラワークや、俳優たちの表情や演技力、風景とファッションと、最後まで飽きることなく楽しめた。
さすがに有名なだけあって、クラシカルで良質な映画だと思う。
後半面白かった
ソフィア・ローレンがソ連を訪れるまでがドラマ性が弱くて退屈でちょっとウトウトした。ソ連で、マルチェロ・マストロヤンニが若いかわい子ちゃんと結婚して子供までもうけている事を知ってから俄然面白くなって、引き込まれた。
結局悪いのは戦争で、マルチェロ・マストロヤンニも普通に帰国していたらなんの問題もなかったはずだ。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンは愛し合っていても決定的に状況が変わっていてうまくいかない。人生のままならなさを深く感じいった。
累々とした死体の上に地平線まで咲き誇るひまわりが大変意味深かった。ソフィア・ローレンの顔は怖いのでソ連のかわい子ちゃんを選んでしまう気持ちは分かる。しかしその後ソ連が大変な管理社会になって苦労するだろうから、何が正解なのか、果たして正解や不正解が人生においてあるのか、考えさせられる。
ヘンリー・マンシーニの哀しい旋律
戦争で引き裂かれた男女の哀しい運命を描く大人のラブストーリー。数百万本ものひまわりはその下で眠る戦没者の墓標のようにも見える。再会も虚しく終わり飛び乗った汽車で泣き崩れるシーンと、涙を堪えて互いを見送るラストシーンにヘンリー・マンシーニの哀しい旋律が重なり切なさで一杯になる…
切な過ぎる愛の形
戦争という悲劇。
最愛の人を探し要約見つけたその目には…
もう私は映っていない。
悲しみとも怒りとも絶望とも…どんな気持ちで彼女は帰ってきたのか。
数年後に記憶を取り戻し会いに来た彼に
つらい別れを告げる彼女の心境に熱いものがこみ上げる。
誰が悪いわけでも無く。
時代が悪かっただけ…
ひまわり畑の色が鮮やかで脳裏に焼きつく名作。
哀しみのひまわり
最初と最後に映し出される、果てしないひまわり畑の映像が目に焼きつきます。太陽に向かって陽気に咲くひまわりの花とは、全く別物の印象を受けるその花の下には、沢山の兵士の慰霊が眠っているとのこと。
そこに寄り添う、切ない旋律のもの哀しく重厚な音楽は、誰もがよく知るあまりにも有名なメロディ。心に、この二つが深く深く刻まれます。
戦争によって引き裂かれた男女の悲恋。
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの力強い(これがイタリア映画なのだと思うのですが)男と女像が印象的。それに対してロシアの女性、リュドミラ・サベーリエワが対照的な清楚な気品漂う全く違うタイプなのですが、やはり一途に男を愛する、忘れ難い女性を演じていました。
帰らぬ夫をどこまでも探して旅に出た妻が、ようやく再会できるその瞬間に列車に飛び乗る場面は名シーンでした。切なさが募りますが、これが運命に抗えないということなのでしょうか。
ソフィアの目ヂカラ
ソフィア・ローレンという女優を観るための映画。
終始一貫、その目ヂカラに釘付けになる。
個人的にはリュドミラ・サベーリエワのほうが断然好きな顔立ち♡
だがソフィアだけ観ていると惹き込まれるから不思議だ。
ストーリーはありきたりなのに、なぜか魅力のある映画。
美しく哀しい抒情詩
総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 80
音楽: 80
戦争の悲劇。戦争そのものの残酷さを描くのではなく、戦争の後の余波を美しく哀しく残酷に描く。
地平線の果てまで無限に広がる一面のひまわり畑。のどかで平和で美しいはずの風景の下には、実は数え切れないほどの悲劇と死体が埋まっている。マンシーニの哀愁を誘う音楽とともにひまわりが風にたなびく風景は、かつて一組の男女の愛を切り裂き運命を翻弄した戦場の跡。どうにもならない厳しい現実がもたらす残酷な悲しみも大地の果てまで広がっていっている、そんな抒情詩のような感情を揺さぶる作品。
ソフィア・ローレンが演じるのは貧乏で安っぽい服装の情熱的なイタリア南部の女。かなり気が強く気性が激しい典型的なイタリア南部女で、こういう女は最初は日本人には少し刺激が強そうに見えたのだが、夫を思い続け諦めず一途に行動する健気さにだんだんと好感度が上がっていく。そんな彼女を打ちのめす、突きつけられた現実のなんと厳しいことか。その厳しさを受け止めた後の彼女は情熱的な女ではいられなくなり、深みと憂いを秘めた表情をするようになる。やむを得なかったとはいえ自分が不幸を引き起こした一因であるマルチェロ・マストロヤンニの苦悩もまた深い。そして戦争の後にもそれぞれが犠牲者として生きていかなければいけない不条理さが心に残る。
戦争は2人にとって、祭のあとに過ぎない
戦争に引き裂かれた夫婦の数奇な運命を、野原一面に咲き乱れる向日葵が鮮やかに、そして、ヘンリー・マンシーニの奏でる旋律が痛切に銀幕を染め上げていく。
イタリアは日本と同じく敗戦国やから、兵士とその家族がひしめく駅の殺伐たる景色は、残酷な戦争の傷痕を色濃く物語っており、印象深い。
あれだけ激しく愛を誓い合ったのに、淡々と別れを選ぶ虚無感は、2人にとって、戦争ですら、まるで、祭のあとのようなやりきれない想いに支配され、息苦しくなる。
ソフィア・ローレンの乱れる心情が向日葵を揺らす北風とリンクし、ざわめきを加速させ、改めて戦争の虚しさを思い知り、悲しい。
それ以上に、ソフィア・ローレンの麗しき美貌と豊満な乳房に、改めて釘付けになってしまう自分に気付く。
ハラリと顔を出し、チラリと揺れる愛しき膨らみ…
あの不安定な重量感が堪らない。
イエローキャブ軍団で例えたら、全盛期の小池栄子を余裕で凌駕する。
決して、根本はるみではない。
ならば、彼女を弄ぶ
マルチェロ・マストロヤンニは、差し詰め野田社長であろうか。
ってな事を呟きながら、妄想内でソフィア・ローレンに紐ビキニを着せ替えているアホな自分はもっと哀しい…。
辺り一面咲き誇る向日葵畑が広がるウクライナは、十数年後、死の灰を浴びる事となる。
忌まわしきチェルノブイリ原発事故である。
福島のどこかでまたいつか美しい向日葵畑が満開となった時、少しぐらい愛は日本に戻ってきてくれるのだろうか?
今作の主題は反戦やのに、なぜか放射能汚染の恐怖に駆られる。
了見のスライドに改めて無情なる時の流れを思い知った。
被災地のいち早い復興を改めて願うところで、最後に短歌を一首
『待つ愛も 吹雪に散りて 北の駅 別れに染まる 太陽ひとり』by全竜
ウクライナの大地に咲き誇る、ひまわり
映画「ひまわり」(ビットリオ・デ・シーカ監督)から。
戦争の悲惨さを伝えたい、監督の想いは伝わってきた。
しかし今、観直すと違った視点が、この作品にはあった。(汗)
ロシア・ウクライナ地方というと「チェルノブイリ」が浮かぶし、
たぶん場面からすると、工場なんだろうけれど、
アメリカ・スリーマイル島原発の形をした建物が風景にあり、
さらに、放射能を吸収しやすいからと、東北地方でも
「ひまわり」を植える活動があるから、その関連性に驚いた。
まるで「原発事故とひまわり」を「予知」してたように・・。
ところで、作品自体は重厚な映画音楽に支えられ、
シンプルながら、鑑賞後、余韻を楽しめる作品と言えそうだ。
「ウクライナの大地に咲き誇る、ひまわり」の下には、
「ドイツ軍の命令で、穴まで掘らされて
イタリア兵やロシア人捕虜が埋まっています。
そして無数のロシア農民も、老人、女、子どもまで。」
きっと反戦テーマの作品としても、評価が高いだろう。
チャイコフスキーの曲を感じさせる作品でもあった。
P.S
個人的には「卵24個使ったオムレツ」が食べてみたい。
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