ひまわり(1970)のレビュー・感想・評価
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ソフィア・ローレンの演技に涙。ヘンリー・マンシーニの楽曲に涙。
物語は愛と戦争と悲劇をめぐる。
広大な土地に咲くひまわり。
そこに流れるヘンリー・マンシーニの楽曲は切なく
この後に続く映画の内容を暗示する。
題名の「ひまわり」は現在のウクライナの国花
撮影当時ソビエト連邦のウクライナのひまわり畑で撮影。
悲しい歴史のあるウクライナに咲くひまわり
それだけで普通と違うものが湧き上がる。
そしてソフィア・ローレン。
見逃してはいけないのは彼女の表情。
ウクライナの夫の家で見た寝室に
希望を砕かれ、絶望感に襲われた。
さらにラストシーンで見せた別離の演技。
映画の中で愛に喜び、愛に苦しんだが
この二つのシーンで彼女の凄さを見た。
エンドクレジットでは
再び、美しいひまわり畑に戻る。
切ない音楽とともに。
心に留まる名作。
※
劇場でひまわりを、観たかったなあ。
戦地で行方不明になった、夫を探す妻。
離れた年月を、2人は埋めることができるのか。
ざっくりしたあらすじは知っていました。
最初は若かった2人も、白髪まじりの再会。
愛していたなら、夫は妻に会いに行っちゃいけなかった。
愛していたなら、帰ってこなくちゃいけなかった。
今も愛しているなら。
出番は少なかったけど、夫の母は息子が亡くなったと思い。
ずっと喪服で過ごしているのもねえ。
最初で咲き誇っていたひまわりが。
ラストシーンでは、俯いた姿で終わる。うわーん・・・。
涙スイッチONでした。
恋愛映画には、あまり手を伸ばさない私が。温故知新映画に認定。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「愛なしでも生きてられたわ」
前半は、盛りのついた
○○とも言えそうな二人のお話。
どうしてここまで評価されるのか不思議な気がした。
とはいえ、今のウクライナの状況だからこそ心に残るものがあるのは確か。
どうか戦争のない世界になりますように。
ジョバンナの健気さ
ヘンリーマンシーニの名曲から始まるだけでもいいね。ソフィアローレン扮するジョバンナは、マルチェロマストロヤンニ扮する夫アントニオガルビアーティの生死を確認しようと必死だった。ソフィアローレンは若い豊満な肢体をフルに活かして魅了しているね。アントニオが帰らなかったのは基本的に生死をさまよい助けられた恩義に報いるためかもしれない。本当に記憶喪失ならしかたないかもね。ロシアまで探しに行くジョバンナの健気さがたまらんね。
すごく濃い内容なのに2時間無い!
以外と観るの初めて
ソフィアローレンが濃い!
マストロヤンニも濃い!
ストーリーが濃い!
サントラも何か濃い!
何より人情が濃い!
現代が薄すぎるってのもある。
『無法松の一生』を見たのと同じ気持ちになると言うたら怒られるかな
あんなに人を愛したことがあるだろうか。
戦争によって引き裂かれた、切ない愛。簡単に要約すればそうなんだが、
夫の生を信じきって、ソビエトまで探しに行く主人公の思いがすごい。
そして、そこで見た。夫の新しい生活。
彼は雪中行軍で脱落し、とあるロシア人女性に救われ、家庭を築いていたのだ。
それを知ったソフィアローレンの演技がまたなんともやりきれない。
主人公をイタリアまで訪ねてきて夫だが、今度は彼女にも新たな家庭があった。
愛を確認する2人なのだが、ラストでの元夫を見送るソフィアローレンの表情、
汽車の窓際に立ち、虚無の表情で徐々に画面から消える元夫。
冷戦下での撮影とのこと。多くの困難があったのだろうが、ソビエトの
映像も興味深い。
怒る女
ジョバンナの泣く姿よりも、怒る姿の方が、印象が強かった。なんだかピカソがドラ・マールをモデルに描いた、「泣く女」が浮かんできた。反対に、アントニオは弱い。流され、迷い、思いきりが悪い。まあ、本人のせいではないのだが。
戦争は市民が一番損をする。まったくいいことはない。戦争がなければ、運命が変わったのに。寒い寒いロシア。あったかいイタリアから、こんな寒いところまで連れてこられ、死ぬことになった多くの人々。大地に広がる、おびただしい十字架。生き抜いてイタリアに帰国できた人もいれば、ロシアに残る人もいる。生きていても、みんな心に傷を受けている。
ひまわりは太陽に向かって咲く、明るいイメージだが、こんなにたくさん咲いていると、怖く感じてしまう。死んだ人がひまわりになったかのような怖さ。無言で大地に立つ姿が、悲しい。テーマ曲の効果もあるかもしれない。静かなる反戦映画。
映画の中のロシアのおばさんやこどもは、ジョバンナに親切だった。一般市民はどこの国も普通の人間なのだ。戦争をしようと思うのは、政治家や軍人など。今も普通のロシア人は、戦争を望んでいないと思いたい。まさか、21世紀にこんなことが起こるとは、想像もしなかった。一刻も早く終わって欲しい。
BSプレミアムの放送にて。
原題のI girasoliとはイタリア語でのひまわりらしい。 この劇中のひまわり畑がウクライナにあることも知られていると思う。
BS-NHKで映画「ひまわり(1970)」を見た。
1970年製作/107分/G/イタリア
配給:アンプラグド
日本初公開:1970年9月
原題のI girasoliとはイタリア語でのひまわりらしい。
この劇中のひまわり畑がウクライナにあることも知られていると思う。
ビットリオ・デ・シーカ監督といえば「自転車泥棒(1950)」で有名らしい。
オレはあまりよく知らない。
ソフィア・ローレンは今年88才
劇中の彼女は本当に綺麗だ
身長が174cm。
マルチェロ・マストロヤンニは1996年に亡くなってる。
ほとんど誰でも知ってるストーリーだと思うが、
最初から最後まで見たのはこれが初めてである。
マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンは
イタリアの新婚夫婦。
第2次世界大戦でマルチェロ・マストロヤンニはロシアの最前線に送られた。
凍てつく大地で凍死寸前のマルチェロは現地のロシア人女性に助けられた。
終戦になってもマルチェロはイタリアに還らなかった。
ロシア人女性と家庭を持って子供もいる。
ソフィア・ローレンはロシアの地で夫を探して歩きまわる。
そしてついに見つけてしまう、夫とその家庭を。
逃げるように列車に飛び乗ってイタリアまで戻ったソフィア。
この後この二人はどうなってしまうのか・・・
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
魂の疼きを癒す中和薬
目の前で起こっている現実を見ているようだった。
自分自身の現実でもなく、他人が直面している現実でもない。
映画という現実を経験しているとしかいいようのない時間だった。
素晴らしい映画とは、こういう作品のことを言うのだろう。
第七芸術と言われる映画だからこそ表現できる世界が、2時間弱のフィルムの中に収められている。 類まれな名作の一つだ。
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニという二人の名優の演技が、これ以上ないほどに切ない。 監督は、どういう気持ちで演出したのだろうか。 細部の細部にわたるまで、制作者たちの魂がこめられているのを感じた。
戦争で同じような経験をした人は、いくらでもいると思う。 この作品以上に過酷な運命をたどった人も、大勢いるはずだ。 そしてその誰もが、理不尽な現実の前に跪き、沈黙するしかなかった。
呑み込めるはずのない現実を無理やり呑みこみ、腹の中に据えたまま戦後を生き、死んでいった人たち。 そういう人たちにとってこの作品は、 時に耐え難い疼きをもたらす記憶の毒を、少しでも中和する作用があったのではないだろうか。 この作品を観て流れる涙の中には、心の中から排出された記憶の毒が含まれている。
若い頃観たはずなのだが、ストーリーさえ忘れていた。 当時の私にとっては、単なるメロドラマだったのだろう。 歳をとると感動のツボが変わることを、この作品でつくづく実感。
戦争が裂いた愛
テレビ大阪での放送を鑑賞。
最近行われていたリバイバル上映に足を運ぶことが叶わなかったので、今回の放送はめちゃくちゃ嬉しかったです。
戦争が引き裂いた愛が切ない。戦争さえ無かったら、ふたりは今も仲睦まじく暮らしていたはずだろうになぁ…
別れのシーンはあまりにもツラい。アントニオを乗せた列車を見送るジョバンナが流した涙にグッと来ました。
相手への想いを胸に仕舞い込んで、それぞれの生活へ戻っていく。ふたりとも、せめてそちらでは幸せであれ。
何はともあれ、悲劇しか生まない戦争は忌避し続けるべきだし、現実、本作の印象的なひまわり畑のある国が蹂躙されている今、改めて考えるべきことだと思いました。
※修正(2023/05/23)
【ヘンリー・マンシーニによる切ないメインテーマが心に響く。現況のウクライナ紛争を見ても、ロシアを統べる男は歴史から何も学んでいない。戦争により引き裂かれた男女の哀切なる物語である。】
■ナポリの海岸で出会い、恋に落ちたジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)。
結婚するふたりだったが、第二次世界大戦が激しさを増して狂言で免れようとするも、アントニオはソ連戦線へと出征することに。
やがてジョバンナのもとに夫が行方不明なったとの報せが。
それを信じられぬジョバンナは単独、ソ連へ向かう。
◆感想
・序盤の、ジョバンナとアントニオが、恋に陥るシーンは、如何にもイタリア映画らしい。
ー 卵、24個を使ってアントニオがオムレツを作るシをーンなどは、クスリと笑える。だが、卵は多くの映画で暗喩されているとおり、命の象徴である。それを、食べきれずに捨ててしまう二人のその後の運命が暗示されているシーンである。-
・アントニオが、狂言をしつつ、ソ連への徴兵を忌避しようとするシーン。だが、あっさりとそれは見破られ、彼はソ連に兵士として送られる。
ー この辺りの事情は、第二次世界大戦の実情が知識としてあれば、何ら問題ない。-
■今作が、世の評価を得たのは、後半の展開である事は間違いない。
ソ連に出征しながらも、生死が分からなくなった、アントニオの姿を追い求めるジョバンナの姿。
更に凄いのは、ジョバンナが自ら、ソ連に夫を探しに乗り込んでいくシーンである。
数ある戦争映画で、自らが愛した男を戦地に赴き、探す映画は稀少である。
・そこで、ジョバンナが目にした、アントニオがソ連で幸せな家庭を送っている事を目の当たりにしたシーン。
ー ここも、雪の中、斃れている兵士の中、アントニオを必死に連れ帰るウクライナ人と思われるマーシャの姿が、キチンと描かれている事で、観る側はアントニオを責める気持ちにはなれないのである。-
<当たり前であるが、戦争は不幸しか齎さないと言う事を今から50年以上前に、描き出した作品。ソフィア・ローレンの深い哀しみに対して、凛とした姿を保つ姿が心に響く作品である。
現況下、ロシアを統べる男に正座して、100回程今作を観させたいと思うのは、私だけであろうか。>
<2022年7月22日 刈谷日劇にてHDレストア版にて鑑賞>
ひまわりの景色きれいでした。 戦争が愛し合うふたりを引き裂き、 運...
ひまわりの景色きれいでした。
戦争が愛し合うふたりを引き裂き、
運命の歯車を狂わす。
時が経ち、
二人が再会することはできるのか。
再会する時に、
かつて愛し合った二人のままでいられるのか。
今のご時世だからこそ、
戦争が人の運命を狂わす悲しさを感じる。
大人の恋愛映画でした。
早くウクライナの戦争終わりますように。
あの旋律の切なさがまだ耳に残っている
ウクライナ侵攻に思いを馳せ収益の一部を寄付するということでHDレストア版を公開ってことで名画を映画館で観ることができたけど、やはり複雑な心境。
ひまわりの咲き乱れるウクライナが今もまだ戦乱の地として現在進行系で踏みにじられていることについては、なかなか気持ちの整理をつけることができないでいる。
夥しいひまわりと、夥しい墓標。
なんて哀しい大地なんだろう。
哀しい大地が早く平穏を取り戻せるよう、心から願っています。
鑑賞前は悲恋の認識はあったものの戦争で引き裂かれる悲しい恋の物語ってくらいの知識だったので、よよと泣き崩れる哀れな女性かなくらいに思ってたらなんのなんの。強いイタリア女性ここにありとばかりの、情熱的で激しいソフィア・ローレンが素晴らしい。彼女とアントニオは情熱的に恋をしてそして戦争によって隔たれてしまう。ジョバンナは泣き崩れるままではなく必死で探し回り、そしてアントニオの真実を知る…
歴史と運命が、情熱的な絆を引き裂いたとき、何が人を癒してくれるんだろうか。
過去の、情熱的な恋の記憶?
新しい恋?
癒してくれるのは甘く切ないあの旋律だけなのかもしれない。
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