ヴィデオドロームのレビュー・感想・評価
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クローネンバーグはいいなぁ。 高尚すぎず適度に俗っぽくて、でもアー...
クローネンバーグはいいなぁ。
高尚すぎず適度に俗っぽくて、でもアート的で
楽しい。あの優秀なエンジニアの人が爆発したのは何でや!?って爆笑しちゃった。
どう撮ってるの?ってこの時代のクローネンバーグの作品観るたび思うし、彼以外だとこのビジュアルの物は生まれないんだろうな〜って思うものが見れてワクワクする。
4Kリバイバル上映で観たかった。
ジェームズ・ウッズは、そんなに男前ではないはずなのに、謎の色気があってかっこいい。
配信で鑑賞
メディアの身体化と夢幻
テレビ局の社長マックスが拷問や殺人をリアルに描写する番組「ヴィデオドローム」の謎を追う物語。身体がビデオ再生機械に変貌し、脈打つカセットテープが悶え鼓動するようなシーンを通じて、物理的なメディアと人間の身体の境界が曖昧になり、テレビが身体化する悪夢のような状況を描き出します。メディアが私たちの現実感をどのように形成し、変化させるかを執拗に追求しています。
映画はブラウン管テレビが持つ生物的なハレーションや、性と視覚の拡張、人間の意思へのメディアの影響など、90年代前半までの世代に実感を与える要素を含んでいます。特に、イメージが現実とフィクションの境界を曖昧にし、私たちの世界認識を形成する過程を巧みに描いています。これは、メディアが私たちの感覚、認識、そして現実にどのように影響を及ぼすかを示しています。
現代における画面を通じて体験する世界は、個人の選択やフィルターによって形成され、現実の世界観を歪め、自分だけの情報バブルを作り出すことが可能です。これにより、90年代のマスメディアを通じて体験する世界と比較して、現在のメディア体験はより主観的なものになりつつあると言えるのはないでしょうか?
めっちゃB級
ストーリーは本当テキトーってかんじだ。短い映画やけど一応世界観みたいなものがあって、この世界観が好きな人はめちゃくちゃ好きやろうなと思った。
テレビや銃などの無機物と、血や内臓などの有機物が融合した映像は面白いと思った。CGが発達する前ならではの手作り感があってよかった。
クローネンバーグはこうでなくちゃ!
私が初めて体験したクローネンバーグ映画は『スキャナーズ』であり、人体破壊ホラー、超能力バトルに驚いた。その後に監督について知らないまま観た名作『ザ・フライ』では身体が変化し、文字通り"変身"してゆく様に恐怖と哀愁に心動かされたものだが、代表作とされる本作はまさに監督の作家性と造形美に胸踊るものだった。
今観ると造られているのは丸わかりなのに本能的に嫌悪感を何故か現実味のあるエロさとグロさがあり、変化する肢体は唯一無二だろう。
ヴィデオに呑み込まれ、自身を見失うと共に自己を再発見してゆくストーリーもやや難解だが面白い。
現実の隣にある人の闇が映像化された部屋。 その存在を追求する内に彼...
現実の隣にある人の闇が映像化された部屋。
その存在を追求する内に彼の中に目覚めていく闇。
彼の闇が投影された部屋に映る物は何?
と、こっそり他人の闇を覗き見るような恐怖を感じる心理ホラーかと思いきや。。。
これがもう、心理なんか途中からほったらかしてやりたい放題で荒唐無稽なアクションホラーになってしまう、なんと言うか勿体なさと言うか、むしろ贅沢さと言うか。
見事なまでのカルト映画。。。
とは言え、前半の人の闇を秩序立てて炙り出していくクローネンバーグには真っ当さしか感じない不思議。
【”セックスと暴力を写した映画のどこが悪い!””いやいや、貴方が取付かれているのはスナッフフィルムですよ!”】
ー この作品が、配信でお手軽に観れてしまう事実に、驚嘆する・・。ー
■感想
・セックスと暴力を写した映画を配給する、マックス(ジェームズ・ウッズ)が、手に入れた女性を酷い目に合わせる様を写した「ヴィデオ・ドローム」に呑み込まれていく様が、リアルに気持ち悪い。
ー いやいや、それ、スナッフフィルムでしょ・・(以下、自粛)ー
・心理番組のパーソナリティを演じるデボラ・ハリー(ええっ、”ブロンディ”の大ヒット曲”ハート・オブ・グラス”でガンガン稼いでいたのではないんですか???)も、マックスと一緒に「ヴィデオ・ドローム」を観ながら、”好き!、私も切って・・”と言いながら、露わにした肩には、複数の傷が・・。
・ソシテ、「ヴィデオ・ドローム」を遺したオブリビオン教授(忘却・・)も登場し・・。
・マックスの腹には、何時の間にやら、ヴァジャイナの様な割れ目が出来ていて(ボク、ヨクワカラナインダケレドモ・・、ガッコウデナラッタキガスル・・)粘着質の液体と共に出し入れされる拳銃・・。
ー えーっと、どんどんエッチな想像をしてしまうのは、私だけ?ー
<超難解と言われる、デヴィッド・クローネンバーグの問題作品であるが、分かり易いじゃないか。(ちょっと、偉そう。)
それよりもこの作品がサクッと、配信で観れる事に驚愕しつつも、嬉しさを隠しきれないNOBUである。
神 “貴方は変態ですか?”
私 ”いーえ、コーマック・マッカーシーを始めとした人間の本質は悪であるという考え方には反発を覚えながらも、惹かれるんです・・。”
神 ”それを、変態と言うんです・・。”
私 ”けれども、それに惹かれない人っているんですか?”
神 ”・・・・・・・・・”>
初心者お断りの超難解映画。何が何やら訳わからん…!
セクシャル&バイオレンスを売りにしているケーブルTV会社の社長が、とある裏ビデオを見てしまったことにより狂気の世界へと迷い込んでしまう、というサスペンス・スリラー。
監督/脚本を担当したのは『ザ・ブルード』『スキャナーズ』のホラー映画界のレジェンド、デヴィッド・クローネンバーグ。
あらすじから「呪いのビデオの恐怖を描いたバカバカしいB級ホラー映画かしらん?」と思い鑑賞したが、本作はバカ映画とは真逆の、文芸的かつ風刺的なハードコアな作品だった。
クローネンバーグ作品は本作の4年後に公開された『ザ・フライ』は鑑賞したことがある。
『ザ・フライ』でも描かれていた、異形へと姿を変えた者の悲しみのようなものは本作でも描かれている。クローネンバーグ作品に共通するテーマなのかな?
本作の印象は…、とにかく難しいっ💦
主人公のマックスは「ヴィデオドローム」という幻覚作用を引き起こすビデオを鑑賞したことにより虚構と現実の境界線があやふやになってしまう。
このため、今起こっている出来事のどこからがリアルでどこまでがフィクションなのか、観ている観客も惑わされてしまう。
例えば、「ヴィデオドローム」に侵されたマックスは、お腹にグロテスクな差し込み口がついた「ビデオ人間」へと変貌を遂げる。
この変化はマックスの幻覚であるともとれるし、超常現象により本当にマックスの体に変化が現れたととることも出来る。「現実など認識の問題でしかない」というセリフが示唆的&印象的。
どちらにとるかによって本作のジャンルは大きく変わるが、そこは観る者の解釈に任せられるところなのだろう。
話の筋は明快。
マックスのケーブルTVを乗っ取り国民を洗脳しようとする悪の結社の陰謀が描かれており、最終的にはこの試みは失敗に終わる、というもの。
…にも拘らず、話の展開が頭に入ってこない!
M気質なヒロインが話の途中でいなくなり、その後どうなったのかがよくわからない。殺されたのか?それとも初めから存在しなかったのか?
裏世界に通じていたおばちゃんはどうなったの?あの死体はリアル?幻覚?
オブリビアン教授と彼女の娘ビアンカはどういう立ち位置のキャラクターだったの?特にビアンカは一体何者?
という風に、物型の細部を非常に曖昧に作ってある。
これらの要素が映画の強烈なビジュアルと相まって、観客の脳味噌はぐるんぐるんとシェイクされてもはやパープリン状態🧠🤯
映画の半分も理解できてない気がする…😅
テーマとしては過剰なまでの暴力やセックス描写の危険性を説いている、と考えていいのかな?
あとはフィクションと現実の境目が消滅することへの危惧とか?
こういったテーマ性は少々説教くさいものの、現代でも通用する…というよりインターネットの普及した現代の方がより身近に感じられるのかも。
「ヴィデオドローム」は幻覚作用を引き起こすために本物の殺人や拷問を視聴者に提供するが、今やネットの世界にはこの「ヴィデオドローム」の映像よりももっと過激なものも転がっている。
芸能人へのSNSでの誹謗中傷が問題となり自殺者も出ているが、これも現実とフィクションの境目が分からなくなったものが攻撃しているのだと考えれば、この映画で描いている恐怖は単なる絵空事ではないのかも…。
VFXは今見るとチープにも感じられるが、それが逆に面白い映像になっている。
脈動するビデオテープとか、ミニョーンと伸びるテレビ画面とか、視覚的に面白い🤣
眼鏡屋のオッさんの死に様が異様にグロかったのは監督の趣味?
80年代初頭の作品で、そこまでエログロを表現することができなかったのだろうが、「ヴィデオドローム」の映像があまり過激に見えなかったのは問題点かな…。
このため、「ヴィデオドローム」のやばい組織感がちょっと薄い。
「ヴィデオドローム」って眼鏡屋のオッさんと海賊盤扱ってるニイちゃんの2人でやってるのかな…?
とにかく難解で、ただのホラー好きの一般人にはオススメ出来ない!
正直最近見た『テネット』より難しかった💦
難しい映画が観たい!という人にはオススメ!
ビデオドロームは既に現実になっている
本作は1983年公開
リングは1998年
先行すること15年
ビデオテープ、テレビ画面のモチーフは同じ
おそらく本作が元ネタであると思う
リングでは貞子が砂嵐のテレビ画面から出てくるが、本作ではテレビ画面に吸い込まれるしまうくらいの違いしかない
きっかけは謎のビデオテープというのは同じだ
テレビ教会の内部はまるで、ネットカフェそのものだ
個人別に仕切られた小さなブースのなかで、それぞれがモニター画面を観ている
そこに飲み物や食べ物が配られる
誰も話はせず、モニター画面だけを黙々と眺めている
いや、会社のオフィスだってこうではないのか?
80年代だったから、ビデオテープだったのだと気が付いた
21世紀の現代ならどうだろう?
ネットに決まってる
ダークネットのサイトにビデオドロームならぬ、ネットドロームがあるのだろう
幻影を録画する装置はVRゴーグルそのものだ
ネットと現実との狭間に落ちる男はすでに現実ではないか
そしてコロナ時代の到来
仕事もテレワークとなり、現実とネットの境目は無くなってしまったのだ
腹が割けて、体内に拳銃を持った腕が差し入れられる
ビデオテープも入れられる
その裂け目は女性器を模してある
体内からそれを抜くとベチャベチャネトネトなのだ
ビデオデッキにテープを挿入する
君が期待するのはこれだろう?と監督は映像にする
ピストルは暴力
ベチャベチャネトネトはアダルトビデオ
さっきまでテレワークで仕事をしていた同じパソコンで、私達は一体何を見ているのだろう?
DVDのスロットにあなたはどんな映像ソフトを入れるのだろう?
ブラウザのブックマークにはどんなサイトが登録してあるのだろう?
正にビデオドロームの世界ではないのか?
新幹線の座席でスマホでアダルトビデオを観ているオジサンがいるくらいなのだ
VR時代を予見したカルト映画
クローネンバーグのカルト映画を初めて鑑賞。同監督作を見るのは「スキャナーズ」以来2本目、その内容は衝撃的だった。
ビデオ・テレビ文化に耽溺した人間が、自らの思考や体さえ乗っ取られ、しまいには同化していく。
一見すると荒唐無稽に思われるが、今のガジェットに置き換えると分かりやすい。
例えばスマホやPCがそうだ。利便性から使い始めたこれらのガジェット。もはや人間はこれなしには生きられないほど依存している。
またVRに至ってはビデオドロームそのものと言って良いだろう。ヘッドマウントディスプレイに投影された映像を、虚構と分かっていながら現実と錯覚してしまうあの感覚は今だからこそ分かるものがある。
機械と人間の主従関係の逆転を、クローネンバーグは当時主流だった「ビデオ」で表現したのではないだろうか?
脈打つビデオや人間を誘うテレビ、機械と人体との融合。どれもこれらを視覚化したメタファーに感じた。
そう言った意味ではターミネーターやマトリックス、邦画なら鉄男とも通底しているのかもしれない。機械と肉体が融合した描写はどの作品でも見られている。
主人公が機械に肉体を侵食されながらもどこかマゾヒスティックに見えてしまうのは、機械と肉体の融合の先に新人類になりうるというという欲望があるからかもしれない。
インプラントが進んだ世界になった時、更にこの映画が楽しめるようになるに違いない。
スナッフか?
エロいスチール写真を送られ、「サムライ・ドリーム」というタイトルのビデオを見せられる。東洋のエロ?しかし女性の裸が写ってるだけ・・・つまらん。何しろ、この社長、最初のあらすじ部分は要らない、最後だけ見せろと要求するんだもん。
とにかく小さい放送局なのでエロからグロ、何でも放映しちゃう。普通のエロには飽きてしまったのか、スナッフ風のビデオで興奮し始める。ついつい彼女(デボラ・ハリー)にも傷つける行為を楽しんでしまい、彼女はピッツバーグに行ってしまう・・・
幻覚作用のあるビデオ。観てしまうともうダメ。リアルな映像のため現実とビデオの世界の境目がわからなくなってしまう。元々スナッフ好みであったマックスはそのまま殺人を犯すようになって・・・それでも腹の中に銃やビデオ入れてしまったり、右手が銃と同化してしまったり、グロい殺人があったり、やっぱりクローネンバーグ全盛。今じゃCG処理で簡単にできるんだろうけど、コマ撮りでここまでグロいのを作るのって、アニメーターも変態だ。ブラウン管から飛び出る映像なんて『リング』に影響与えてるんじゃないかとも思える。
17年31本目。 82年デヴィッド・クローネンバーグの怪作【ビデオ...
17年31本目。
82年デヴィッド・クローネンバーグの怪作【ビデオドローム】観た。世界観がカルトで難解ぽいんだけどストーリー自体は割と単純。奇妙なスナッフビデオが観る者の脳を操り幻覚と現実の区別を曖昧にさせる魔力を持っており、CATV会社社長はその魅力に取り憑かれていく。
80年代とは思えない特殊メイク・特殊装置クオリティ。魔のビデオ・ビデオドロームに魅入られた主人公の腹部に、女性器に見立てた穴が出現しそこに拳銃をぶち込む(収納)一番印象深い名シーン。抽象的で取っ付き難そうなカルト映画だけど監督の変態嗜好に一緒にトリップ出来る人なら楽しめる作品かも
人間ビデオデッキ
特殊効果がグロくて良い意味でB級な雰囲気を醸し出しビデオテープが膨らんだりするのは可愛い感じ。
中盤から現実?幻想?と戸惑いながら起こる出来事は幻覚だろう?と思いながら!?
麻薬をやるように幻覚を見て中毒性を帯び現実と幻想の区別が付かなく死に陥る。
ヴィデオドロームで世界滅亡を企む話!?
平面の先の内部へ
クローネンバーグの代表作ということで観てみましたけど、なんとも掴みようがなかったですよ。観念的な題材に猥雑な描写をのっけてて、のめり込んでしまったり、おぞましかったり、なんだか笑えてきたりと、忙しいったらありゃしません。
ですけど、思ったのは、この映画、内部への尽きせぬ興味を描いているんだと感じました。内部から出てくるものは常にドロドログログロしていて、私たちが必死に画面を見る先に求めているものを、これだろ、これが欲しいんだろ、と言われ続けているような気がしていました。
死に至る禁断のビデオ
デヴィッド・クローネンバーグ監督のホラー作品。
それを観た人間は、幻覚を見るようになり最後には死に至るという禁断のビデオ『ビデオドローム』を巡る物語です。
ストーリー展開としては、よくあるサスペンス物のような感じで、主人公が『ビデオドローム』という謎のビデオの秘密を追い求めていくという流れなんですが、この作品の見所は何といっても【幻覚】のシーンです。
話が進むに従って、【現実】と【幻覚】の境目が曖昧になっていく展開は、観ている方も映画の世界に引き込まれそうになる感覚になります。
マイナーな作品ではありますが、ホラー好きなら一度は観るべき怪作です。
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