ヴィデオドローム
劇場公開日:1997年1月
解説
「スキャナーズ」の鬼才デビッド・クローネンバーグが、殺人ビデオによって狂気の世界へと引きずりこまれていく男の姿を衝撃的な映像で描いたSFホラー。地方テレビ局の社長マックスは、拷問や殺人が繰り返される禁断のテレビ番組「ビデオドローム」の存在を知る。恋人と共にビデオドロームにのめりこんでいったマックスは、残虐な映像を見続けるうちに幻覚を見るようになり……。主演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のジェームズ・ウッズ。カルトムービーとして、今なお熱狂的な支持を集めている。
1983年製作/87分/カナダ
原題:Videodrome
配給:日本ヘラルド映画
日本初公開:1985年6月
スタッフ・キャスト
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2021年12月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
現実の隣にある人の闇が映像化された部屋。
その存在を追求する内に彼の中に目覚めていく闇。
彼の闇が投影された部屋に映る物は何?
と、こっそり他人の闇を覗き見るような恐怖を感じる心理ホラーかと思いきや。。。
これがもう、心理なんか途中からほったらかしてやりたい放題で荒唐無稽なアクションホラーになってしまう、なんと言うか勿体なさと言うか、むしろ贅沢さと言うか。
見事なまでのカルト映画。。。
とは言え、前半の人の闇を秩序立てて炙り出していくクローネンバーグには真っ当さしか感じない不思議。
2021年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー この作品が、配信でお手軽に観れてしまう事実に、驚嘆する・・。ー
■感想
・セックスと暴力を写した映画を配給する、マックス(ジェームズ・ウッズ)が、手に入れた女性を酷い目に合わせる様を写した「ヴィデオ・ドローム」に呑み込まれていく様が、リアルに気持ち悪い。
ー いやいや、それ、スナッフフィルムでしょ・・(以下、自粛)ー
・心理番組のパーソナリティを演じるデボラ・ハリー(ええっ、”ブロンディ”の大ヒット曲”ハート・オブ・グラス”でガンガン稼いでいたのではないんですか???)も、マックスと一緒に「ヴィデオ・ドローム」を観ながら、”好き!、私も切って・・”と言いながら、露わにした肩には、複数の傷が・・。
・ソシテ、「ヴィデオ・ドローム」を遺したオブリビオン教授(忘却・・)も登場し・・。
・マックスの腹には、何時の間にやら、ヴァジャイナの様な割れ目が出来ていて(ボク、ヨクワカラナインダケレドモ・・、ガッコウデナラッタキガスル・・)粘着質の液体と共に出し入れされる拳銃・・。
ー えーっと、どんどんエッチな想像をしてしまうのは、私だけ?ー
<超難解と言われる、デヴィッド・クローネンバーグの問題作品であるが、分かり易いじゃないか。(ちょっと、偉そう。)
それよりもこの作品がサクッと、配信で観れる事に驚愕しつつも、嬉しさを隠しきれないNOBUである。
神 “貴方は変態ですか?”
私 ”いーえ、コーマック・マッカーシーを始めとした人間の本質は悪であるという考え方には反発を覚えながらも、惹かれるんです・・。”
神 ”それを、変態と言うんです・・。”
私 ”けれども、それに惹かれない人っているんですか?”
神 ”・・・・・・・・・”>
2020年10月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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セクシャル&バイオレンスを売りにしているケーブルTV会社の社長が、とある裏ビデオを見てしまったことにより狂気の世界へと迷い込んでしまう、というサスペンス・スリラー。
監督/脚本を担当したのは『ザ・ブルード』『スキャナーズ』のホラー映画界のレジェンド、デヴィッド・クローネンバーグ。
あらすじから「呪いのビデオの恐怖を描いたバカバカしいB級ホラー映画かしらん?」と思い鑑賞したが、本作はバカ映画とは真逆の、文芸的かつ風刺的なハードコアな作品だった。
クローネンバーグ作品は本作の4年後に公開された『ザ・フライ』は鑑賞したことがある。
『ザ・フライ』でも描かれていた、異形へと姿を変えた者の悲しみのようなものは本作でも描かれている。クローネンバーグ作品に共通するテーマなのかな?
本作の印象は…、とにかく難しいっ💦
主人公のマックスは「ヴィデオドローム」という幻覚作用を引き起こすビデオを鑑賞したことにより虚構と現実の境界線があやふやになってしまう。
このため、今起こっている出来事のどこからがリアルでどこまでがフィクションなのか、観ている観客も惑わされてしまう。
例えば、「ヴィデオドローム」に侵されたマックスは、お腹にグロテスクな差し込み口がついた「ビデオ人間」へと変貌を遂げる。
この変化はマックスの幻覚であるともとれるし、超常現象により本当にマックスの体に変化が現れたととることも出来る。「現実など認識の問題でしかない」というセリフが示唆的&印象的。
どちらにとるかによって本作のジャンルは大きく変わるが、そこは観る者の解釈に任せられるところなのだろう。
話の筋は明快。
マックスのケーブルTVを乗っ取り国民を洗脳しようとする悪の結社の陰謀が描かれており、最終的にはこの試みは失敗に終わる、というもの。
…にも拘らず、話の展開が頭に入ってこない!
M気質なヒロインが話の途中でいなくなり、その後どうなったのかがよくわからない。殺されたのか?それとも初めから存在しなかったのか?
裏世界に通じていたおばちゃんはどうなったの?あの死体はリアル?幻覚?
オブリビアン教授と彼女の娘ビアンカはどういう立ち位置のキャラクターだったの?特にビアンカは一体何者?
という風に、物型の細部を非常に曖昧に作ってある。
これらの要素が映画の強烈なビジュアルと相まって、観客の脳味噌はぐるんぐるんとシェイクされてもはやパープリン状態🧠🤯
映画の半分も理解できてない気がする…😅
テーマとしては過剰なまでの暴力やセックス描写の危険性を説いている、と考えていいのかな?
あとはフィクションと現実の境目が消滅することへの危惧とか?
こういったテーマ性は少々説教くさいものの、現代でも通用する…というよりインターネットの普及した現代の方がより身近に感じられるのかも。
「ヴィデオドローム」は幻覚作用を引き起こすために本物の殺人や拷問を視聴者に提供するが、今やネットの世界にはこの「ヴィデオドローム」の映像よりももっと過激なものも転がっている。
芸能人へのSNSでの誹謗中傷が問題となり自殺者も出ているが、これも現実とフィクションの境目が分からなくなったものが攻撃しているのだと考えれば、この映画で描いている恐怖は単なる絵空事ではないのかも…。
VFXは今見るとチープにも感じられるが、それが逆に面白い映像になっている。
脈動するビデオテープとか、ミニョーンと伸びるテレビ画面とか、視覚的に面白い🤣
眼鏡屋のオッさんの死に様が異様にグロかったのは監督の趣味?
80年代初頭の作品で、そこまでエログロを表現することができなかったのだろうが、「ヴィデオドローム」の映像があまり過激に見えなかったのは問題点かな…。
このため、「ヴィデオドローム」のやばい組織感がちょっと薄い。
「ヴィデオドローム」って眼鏡屋のオッさんと海賊盤扱ってるニイちゃんの2人でやってるのかな…?
とにかく難解で、ただのホラー好きの一般人にはオススメ出来ない!
正直最近見た『テネット』より難しかった💦
難しい映画が観たい!という人にはオススメ!
2020年8月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
本作は1983年公開
リングは1998年
先行すること15年
ビデオテープ、テレビ画面のモチーフは同じ
おそらく本作が元ネタであると思う
リングでは貞子が砂嵐のテレビ画面から出てくるが、本作ではテレビ画面に吸い込まれるしまうくらいの違いしかない
きっかけは謎のビデオテープというのは同じだ
テレビ教会の内部はまるで、ネットカフェそのものだ
個人別に仕切られた小さなブースのなかで、それぞれがモニター画面を観ている
そこに飲み物や食べ物が配られる
誰も話はせず、モニター画面だけを黙々と眺めている
いや、会社のオフィスだってこうではないのか?
80年代だったから、ビデオテープだったのだと気が付いた
21世紀の現代ならどうだろう?
ネットに決まってる
ダークネットのサイトにビデオドロームならぬ、ネットドロームがあるのだろう
幻影を録画する装置はVRゴーグルそのものだ
ネットと現実との狭間に落ちる男はすでに現実ではないか
そしてコロナ時代の到来
仕事もテレワークとなり、現実とネットの境目は無くなってしまったのだ
腹が割けて、体内に拳銃を持った腕が差し入れられる
ビデオテープも入れられる
その裂け目は女性器を模してある
体内からそれを抜くとベチャベチャネトネトなのだ
ビデオデッキにテープを挿入する
君が期待するのはこれだろう?と監督は映像にする
ピストルは暴力
ベチャベチャネトネトはアダルトビデオ
さっきまでテレワークで仕事をしていた同じパソコンで、私達は一体何を見ているのだろう?
DVDのスロットにあなたはどんな映像ソフトを入れるのだろう?
ブラウザのブックマークにはどんなサイトが登録してあるのだろう?
正にビデオドロームの世界ではないのか?
新幹線の座席でスマホでアダルトビデオを観ているオジサンがいるくらいなのだ