ビッグ・ガン
劇場公開日:1973年11月1日
解説
暗黒街から足を洗おうとした矢先、愛する妻子を殺された殺し屋の復讐を描く。監督は「続荒野の1ドル銀貨」のドゥッチョ・テッサリ、脚本はウーゴ・リベラトーレ、フランコ・ヴェルッチ、ロベルト・ガンドゥス、撮影はシルヴァーノ・イッポリティ、音楽はジャンニ・フェリオが各々担当。出演はアラン・ドロン、リチャード・コンテ、カルラ・グラヴィーナ、ニコレッタ・マキャヴェッリ、マルク・ポレル、ロジェ・アナン、リノ・トロイージ、アントン・ディフリング、ウンベルト・オルシーニ、グイド・アルベルティなど。
1973年製作/イタリア
原題または英題:Big Guns
配給:東和
劇場公開日:1973年11月1日
ストーリー
トニー・アルゼンタ(A・ドロン)は七回目の誕生日を迎えたひとり息子のカルロを抱きしめながら心を決めた。足を洗わなければ……。いまが潮時だ。トニーは組織の中でも一目置かれた重要な存在だった。狙った獲物は決して逃がさない腕ききのハンター。二大ボスのニック(R・コンテ)とクチッタ(L・トロイージ)は、トニーが彼らの同郷のシチリア島出身ということも手伝って、高く評価していた。組織でも将来は約束されているが、拳銃を手離せない日蔭げの生活を、カルロだけにはのぞかせたくなかった。パーティの翌日、トニーはニックにその由、申し入れたが彼は色よい返事をしなかった。トニーは組織をあまりに知りすぎているのだ。ヨーロッパ各地に拡がっている組織の幹部も同様だった。会合での結果は、トニーを亡き者にせよ、ということだった。それから数日後、トニーは茫然と窓の外の光景を見下ろしていた。地獄のように燃えさかる炎に、愛するカルロと妻のアンナが包まれている。組織の黒い手は、トニーを消すつもりが誤って彼の妻と子を殺してしまったのだ。彼は復讐を誓った。故郷から駆けつけた神父のドン・マリアノ(G・アルベルティ)や弟分のドメニコ(M・ポレル)のなぐさめにも救われなかった。第一の犠牲者はカーレ(R・アンナ)だった。手引きしたのは、以前トニーが助けたことがあるカーレの情婦サンドラ(C・グラビナ)。ミラノに戻ったトニーはドメニコが見つけてくれたアパートに身を隠す。次なる獲物は組織の大立物グルンワルド(A・ディフリング)だ。サンドラの情報によって、幹部たちがコペンハーゲンのグルンワルドの元に集まる事を知る。グルンワルドが、その所有する巨大なビルからいつものとうり現われ、迎えのベントレーに乗り込もうとした瞬間、待ち伏せていたトニーの拳銃が火を吹いた。目的を果たしたものの自らも負傷したトニーは、同郷のデンニーノの友情に救われた。その頃、ミラノでは、ドメニコがトニーのアパートの住所を白状させられたうえで、惨殺されるという事件がもちあがっていた。アパートに入り込んだクチッタの部下は、部屋に身を隠していたサンドラを徹底的に痛めつけ、トニーの帰りを待ち伏せている。電話のベルが鳴った。トニーがミラノに戻ってきたのだ。受話器から洩れる彼女のすすり泣きに全てを察したトニーは先手を打った、クチッタの邸に忍び込み、彼を射殺したのだ。殺し合いの毎日に、さすが疲れたトニーはむしょうに故郷が恋しくなり、サンドラを連れてシチリアへと車を飛ばした。追う側の疲れは、また追われる側の疲れでもあった。組織の面目にかけてもトニーを消さない訳にはいかないニックは、クチッタの葬式の日、部下イズネロ(U・オルシーニ)のすすめで、コペンハーゲンでトニーを救ったデンニーノを呼び寄せて取り引きをもちかけた。間もなくして、神父ドン・マリアノがトニーにニックとの和解をもちかけた。ニックは娘の結婚式にトニーを招待するという。それは可愛い娘の結婚式を血で汚したくないからだ、ともいった。ニックを全面的に信じたのではなかったが、トニーは母とサンドラを連れて、その式にのぞんだ。荘重な儀式はとどこおりなく終り、参列の人々が家路につこうとしたとき、一台の車が教会の前に止まった。運転席にはデンニーノがいる。晴やかな笑みをみせて歩み寄るトニー。だが、デンニーノの手には鈍く光る拳銃が握られていた。沈黙をさく銃声と共にトニーはくずれおちた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ドゥッチオ・テッサリ
- 脚本
- ウーゴ・リベラトーレ
- フランコ・ベルッチ
- ロベルト・ガンドゥス
- 撮影
- シルバーノ・イッポリティ
- 音楽
- ジャンニ・フェリオ
- 字幕監修
- 山崎剛太郎