ピアノ・レッスン(1993)

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劇場公開日:2024年3月22日

ピアノ・レッスン(1993)

解説・あらすじ

ニュージーランド出身の女性監督ジェーン・カンピオンが、1台のピアノを中心に展開する三角関係を官能的に描き、第46回カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた恋愛ドラマ。

19世紀半ば。エイダはニュージーランド入植者のスチュアートに嫁ぐため、娘フローラと1台のピアノとともにスコットランドからやって来る。口のきけない彼女にとって自分の感情を表現できるピアノは大切なものだったが、スチュアートは重いピアノを浜辺に置き去りにし、粗野な地主ベインズの土地と交換してしまう。エイダに興味を抱いたベインズは、自分に演奏を教えるならピアノを返すと彼女に提案。仕方なく受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちにベインズにひかれていく。

第66回アカデミー賞ではエイダ役のホリー・ハンターが主演女優賞、娘フローラ役のアンナ・パキンが助演女優賞、カンピオンが脚本賞をそれぞれ受賞した。2024年3月、4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1993年製作/121分/R15+/オーストラリア・ニュージーランド・フランス合作
原題または英題:The Piano
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2024年3月22日

その他の公開日:1994年2月19日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 日本アカデミー賞(1995年)

ノミネート

外国作品賞  

第51回 ゴールデングローブ賞(1994年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) ホリー・ハンター

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演女優賞 アンナ・パキン
最優秀監督賞 ジェーン・カンピオン
最優秀脚本賞 ジェーン・カンピオン
最優秀作曲賞 マイケル・ナイマン

第46回 カンヌ国際映画祭(1993年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ジェーン・カンピオン
女優賞 ホリー・ハンター

出品

コンペティション部門
出品作品 ジェーン・カンピオン
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(C)1992 JAN CHAPMAN PRODUCTIONS&CIBY 2000

映画レビュー

4.5 手が触れるかなしみ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

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共感した! 5件)
まぬままおま

4.0 寄り添える人とおかしな人

2025年10月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

この作品は、女性がまだ一人では生きていけなかった時代に、男性の言いなりになるのではなく自己を貫こうとした人の物語だ。

興味深いところとして、話すことが出来ない主人公エイダのことを「おかしな人」と周りが扱うところだろう。
確かにエイダは変わり者だろうし、時代背景を考えれば尚更「特別に」見えたかもしれない。
しかし当然ながら話せないからといって「おかしな人」ではないはずだ。少なくとも話せないことが理由になることはないはずである。
それでもエイダは頭がおかしいと扱われる。
そう決めつける人たちは、自分とは違うからとか、常識と違うからという理由であろう。その心は自分とは違う他者は受け入れないという姿勢でもある。

一方で、ハーヴェイ・カイテル演じるベインズは、他者に寄り添う人物として描かれる。
現地の人の言葉を理解し、彼らと同じように顔に入れ墨もする。
そしてただ搾取するだけではなく現地の人も女性に対しても対等であろうとした。
エイダを部屋へ呼ぶために鍵盤一つを取引材料にした。一方的に奪うのではなく「取引」である。
もしこれがエイダの夫と逆の立場であったらエイダの夫はただ従わせようとしたに違いない。

そんなベインズが話せないエイダと心を通わせることになるのは必然だったのではないかと思う。
女性の権利が蔑ろにされていた時代に一人の人間として扱ってくれるベインズ。
自分というものが強すぎたエイダにとってはベインズ以外に選べる人などいなかったように思える。

他者とのコミュニケーションという部分は現地の人と入植者のすれ違いとして劇が用いられた。
少々過激な劇で、影絵を使って切りつけるシーンやシーツを使っての生首など、工夫を凝らした演出で仕上げたが、現地人にそのトリックは理解されず大騒ぎになった。
自分が理解できるから通じるはずと考えてしまうのは危険だ。
言葉も通じず文化も違う。何より劇を観るのも初めてだったであろう現地人に全く寄り添えていない内容の劇だった。

他者に寄り添えるベインズと寄り添えない他の入植者。そのギャップが鮮明に表現されていて、ある意味で仰々しい。
その仰々しさは中々過激なストーリーテリングを持つ本作全体に及んで、観る前に想像していたような甘さは全くなかった。
ジェーン・カンピオン監督は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でも中々過激だったものね。

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つとみ

3.0 情熱と純真

2025年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

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sironabe

4.0 激しい純愛と狂おしい三角関係

2025年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

野蛮な男に大事なピアノを人質に取られ、返して欲しけりゃ俺にピアノレッスンしろという、黒鍵の数だけ教えれば一個ずつ鍵盤返してやるという卑怯な話し。
「ピアノレッスン」はフェイクで、単にお前がエイダを自分のモノにしたくて変態プレイ強要したいだけだろって思ってたけど…違う、、エイダは失語症でピアノは自分の意思を伝える手段でそれをじっと聴いてくれる、心の声に耳を傾けて理解してくれようとする野蛮な男と心が通じ合っただけ。
写真だけで再婚させられた夫も愛情なんてなかったはずなのに、二人の純愛を目の当たりにしたら嫉妬心がメラメラと芽生えてあんな残酷な事を。激しい純愛と狂おしい三角関係を見せられて息苦しかった。

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ゆうき

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