パルプ・フィクションのレビュー・感想・評価
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洗練されたくだらなさ
クエンティン・タランティーノ監督作品はじめてみた。
傑作だった。友達におすすめの作品ある?って聞かれたら真っ先に挙げる。
タイトル通り、扇情的でくだらないクライムストーリーではあるのだが、そのくだらなさが洗練された脚本と構成によってつくられているのがよくわかる。
音楽もいいし、細部に登場する小ネタもまだまだ分からないし何度でもみたくなる作品である。
個人的にユマ・サーマン演じるミア・ウォレスが最高すぎた。
5ドルのシェイクと煙草を吸っている様が美しい。
ボブの女性が煙草吸っていることはなんであんなに魅力的なんだろう。
変則的な構成ながら、真っ向勝負のキャラクター描写が魅力。
○作品全体
一つ一つが取るに足らない物語であっても、物語の構成と登場人物の存在感が光れば物語が輝く十分な理由になる。ただ、タランティーノ監督のキャラクター主義は生半可なものではなくて、それぞれのキャラクターが色濃く描かれるからこそ、変則的な構成が力を発揮しているのだと思う。
ヴィンセントのキャラクター描写が特に好きだ。ミアにマッサージをした男が殺された、という話をこれでもかとダイアローグで見せた後の、ミアの退屈つぶしに突き合わされるヴィンセントの慎重な雰囲気。ツイストの足運びすら気にしているように見えてくるのは、濃厚なダイアローグがあったからだろう。
一つ一つをピックアップしてもあまり意味はないが、積み重ねられたキャラクターの考え方や仕草が作品への没入感を深め、そして予想もしなかった状況へと進んでいく。徹底したキャラクターの作り込みがあるからこそ真価を発揮しているといえる、タランティーノ監督の魅力的に溢れた作品だった。
○カメラワークとか
・「くだらない話」らしく、カメラワークもトリッキーなものは排除しているように見えた。だからこそレンズを意識させたカットは他作品以上に異質に感じる。ブッチがモーテルで時計を探しているときのジワTUは良い例だろう。裏を返せば、特定のキャラクターを意図的に見せるような画面を作ることを異常だと感じてしまうくらい、その場にいるキャラクターをまんべんなく描写しているのだと思う。そしてそれこそがこの作品の魅力なのだろう。
こりゃすごい
ちゃんと見たのは初めて。古い映画なのに、今見てもカッコいいのに驚き。ちゃんと面白い。全然退屈じゃない。
作り話って大体みんなそうだけど。例えば登場人物AとBが居た時、鑑賞者はAのエピソードもBのエピソードも画面で展開されるので知っている。Aの生い立ちとか、Aの心情を私たちは追体験しながら、同じようにBの方も追体験している。そうやって登場人物たちの感情を想像しながら、同時に物語の筋を追って、一つの目的(結末)に向かって進んでいくわけだが、「現実の世界では」違う。例えば私がダイナーでコーヒーを注文して、絶望しながら涙している隣の席で、カップルが楽しくデートしていて多幸感でいっぱい…みたいなことは日常だし、そこにはそれぞれ別の人生のドラマが存在する。現実は、何の理由も目的も筋書きもない雑然としたエピソードが、あちこち転がっているだけ。我々に共通のエンディングなんか無い。その無造作に転がってる感じで作品を撮りたかったんだろうな…と思った。
確か松尾スズキさんの書籍で読んだと思うけど。めちゃくちゃ辛くて苦しいのにお腹減ったり、ウンコしたりするじゃん。現実は。真面目に絶望してんのにトイレで尻を出してるわけで。その姿を定点カメラで撮ったら多分アホみたいな動画になると思うんだけど、そういうコメディみたいなニュアンスも作品から感じる。(大事な場面でジョントラボルタがいっつもトイレに行ってるところなど。)
そういう滑稽にも見える現実世界で、人が生きるとか死ぬとかって、皆んなが思うほど大袈裟なもんじゃない。むしろあっけない、運とかノリみたいなもんさ…て事を訴える場面が繰り返される。ポップアップトースターの、焼き上がるチン!という音と共に。車内でたまたま銃が暴発して。戦争に行った父親が死んで、たまたま生き残った方の戦友が訪ねてきたり。神の啓示?でたまたま弾丸が命中せずに命拾いしたり。
でも、そこには確かに、命のやりとりがある。場を制する力がある。自分の人生をちゃんと考えて、自分で決めて、自分で動かす力がある。何か目の前で変化が起きたかどうかは重要ではなく、自分がどう感じたかが大事なんだと。最後のダイナーの場面では、半端なく「人生」を感じました。痺れました。
最後の一節は、本当に聖書にあるのかと思った笑
ふつうの人は、こういう時本当に聖書から引用するんだと思う。そうしないところに、タランティーノの美学を感じる。ずっとこのまま、大人しくなんかならないでくれ。くだらなくて、ふざけてて、ワルで、暴れん坊の問題児でいて下さい。
別々の物語が交差してくる構成が今見ても斬新!ブルース・ウィリスが日本刀で敵に立ち向かうシーンに拍手
クエンティン・タランティーノ原案脚本監督による1994年製作(154分)のアメリカ映画。
原題または英題:Pulp Fiction、配給:松竹富士、劇場公開日:1994年10月8日。
会話が中心のところで少々退屈な部分もあったが、別々に思えた3つのエピソードが交わってくる展開は、今見ても斬新で、ある種のカタルシスを感じさせられた。タランティーノらによる物語構成のアイデアが何と言ってもGood!
「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977年)から年月を経て格好良さもかなり減ったチンピラ役ジョン・トラボルタ(1954年生まれ)が、ボスの女(ユア・サーマン)とダンスをする羽目になるストーリーも感心させられた。
また彼の相棒サミュエル・L・ジャクソン(好演)が拳銃で撃たれたのに死ななかったことにキリスト的な奇跡を感じて、ヤクザ稼業から足を洗うと思い詰める物語も、かなり突飛で興味深かった。米国はプロテスタントの人々が打ち立てた国家であることを改めて思い起こさせた。
「ダイハード」のブルース・ウィリスが登場し、彼が武器を物色して日本刀を見つけてそれをセレクトし、それで敵役を切り倒すシーンを作ってくれたのには、思わず喝采をしてしまった。
監督クエンティン・タランティーノ、製作ローレンス・ベンダー、原案クエンティン・タランティーノ、 ロジャー・エイバリー、脚本クエンティン・タランティーノ、製作総指揮ダニー・デビート 、マイケル・シャンバーグ、 ステイシー・シェア、共同製作総指揮ボブ・ワインスタイン、 ハーベイ・ワインスタイン 、リチャード・N・グラッドスタイン、撮影アンジェイ・セクラ、美術デビッド・ワスコ、衣装ベッツィ・ハイマン、編集サリー・メンケ、音楽監修カリン・ラットマン。
出演
ビンセント・ベガジョン・トラボルタ、ショーン・ウィンフィールドサミュエル・L・ジャクソン、ミア・ウォレスユマ・サーマン、ブッチブルース・ウィリス、ハーベイ・カイテル
ティム・ロス、アマンダ・プラマー、マリア・デ・メディロス、ビング・レイムス、エリック・ストルツ、ロザンナ・アークエット、クリストファー・ウォーケン、スティーブ・ブシェーミ、クエンティン・タランティーノ。
マヌケコンビ
愛と善意をもって弱き者を導く者に祝福を
意味がわからん
ギャング二人がかっこいいといえばかっこいいけど、どうもね。
何が言いたいのかわかんなかった。
時系列がバラバラなのが評価されてんのか、すぐに殺し合いになるのが評価されてんのか、本当にわからん。レザボア・ドッグスも見たけど、この監督の感性と合わないのだと思うわ。
時系列で最後にギャングが殺されますが、それで?なに?殺す人のストーリーも追いかけるのだが、薄っぺらい。
イマイチだよなあ。
あらためて観ると傑作だった。
タランティーノの代表作。
正直に言うと公開当時はさほどおもしろいとは思わなかった。
オープニングのファミレス強盗からタイトルロール、ウォレスとジュールスがチンピラのところにいって皆殺しにするシーンまでの流れはよかったが、そのあとはだらけていた気がしていた。だからイングロリアス・バスターズやジャンゴのような整理された作品のほうが好きだった。
しかし、今になって見直すとだらけてはいない。本筋と関係のないセリフも楽しめるようになったのかもしれない。会話のセンスを感じられると、タランティーノはおもしろい。
登場人物がそれぞれの人生を必死で生きる。それぞれやりたいことがある。それでもうまくいったりいかなかったりする。筋書き通りにはいかないのだ。そういうことを、パルプフィクションというチープなノワール風に描いていく。
製作費11億円。興行収入320億円。
売り上げもよかったが、この作品はレジェンドだ。
他の作品も観返してみようという気になった。
ずーーーーっと70点くらい面白い
死霊館を視聴し、休憩せずにそのまま観た。
1本目で正直映画疲れを患っていたがなんなく最後まで見ることができた。
登場人物それぞれの話を時系列関係なしに進んでいくため、「どういうこと?」となることは少しあったがそれでも一つ一つの話が面白かった。時系列をバラバラにした上での最初の話と最後の話の繋げ方は綺麗だった。
ここがこの映画の見どころ!という部分はないが、それでもこの評価をするくらい何かこの映画には魅力があった。
そのうちもう一度観てみたいです。
何故こんなにも高評価なのかよく分からんが
最初の強盗カップルはどこへ?ギャング2人はなんの話しをしているんだ?と最初に思ったんですが強盗カップルは最後に繋がっていたんですね。オチはネタバレしてたんですけどチェンソーマンのオープニングに出ててくるワンシーンがあってハッとしました。そしてジュールスの聖書を語るシーンがグッときた。でもなんか薄っぺらかったような気もするがな。あとは外人にしかできないような会話のユーモアがすごい。ヴィンセント「1度誤ったら許されるってことを知らねえのか?」ジュールス「それは脳ミソを掃除したことないヤツが言ったセリフだ!!」ここの会話とても好き。あとユマ・サーマン演じるミアね。ヴィンセントとミアが踊るシーンだけどあんなダサい踊りでもあの二人が踊れば絵になる。
最初は訳の分からんつまらない映画だなと思っていたが雰囲気は好きだった。確かに出てくるもの全てがカッコイイ。
覚醒剤、コカイン、タバコ、黒ネクタイ黒スーツのギャング、パッツン黒髪ボブのヤク中美女。どれも最高。
ポスターの人主役じゃないの⁈
色々と完璧
今見てもおしゃれな映画
この映画によりサミュエル・L・ジャクソンと ユマ・サーマンがトップ俳優の仲間入りをした。 当時キャリアが停滞気味だった ジョン・トラボルタが再評価されることとなった。
動画配信で映画「パルプフィクション」を見た。
1994年製作/154分/アメリカ
原題または英題:Pulp Fiction
配給:松竹富士
劇場公開日:1994年10月8日
クエンティン・タランティーノ監督脚本
ジョン・トラヴォルタ(ヴィンセント・ベガ)
サミュエル・L・ジャクソン(ジュールス・ウィンフィールド)
ユマ・サーマン(ミア・ウォレス)
ハーヴェイ・カイテル(ザ・ウルフ)
ティム・ロス(パンプキン)
アマンダ・プラマー(ハニー・バニー)
マリア・デ・メディロス(ファビアン)
ヴィング・レイムス(マーセルス・ウォレス)
エリック・ストルツ(ランス)
ロザンナ・アークエット(ジョディ)
クリストファー・ウォーケン(クーンツ大尉)
クエンティン・タランティーノ(ジミー)
スティーヴ・ブシェミ(バディ)
劇場封切りの時に見た記憶がある。
なので、30年ぶりに見たことになる。
オムニバス形式の映画だが、すべてのエピソードは犯罪がらみである。
この映画によりサミュエル・L・ジャクソンと
ユマ・サーマンがトップ俳優の仲間入りをした。
当時キャリアが停滞気味だった
ジョン・トラボルタが再評価されることとなった。
1994年のオスカーでは7部門にノミネートされた。
そのうち脚本賞を受賞した。
カンヌ映画祭ではパルム・ドールを受賞した。
その他にも多くの賞を獲得した。
冒頭、LAのカフェで強盗を企んでいるバカカップルの場面から映画は始まる。
ウエイトレスの時給が1ドル50セントだと話をしている。
時代を感じさせる。
ヴィンセントとジュールスは、
ボスの金品を横領した3人の男の部屋を訪ねる。
ボスの愛妻ミアの世話を頼まれたヴィンセントは、
食事やダンスをして過ごす。
ミアはヘロインをコカインと間違えて鼻から吸引して
昏睡状態になった。
ブッチは、ボスからボクシングの八百長試合を持ちかけられたが、裏切った。
報復を怖れたブッチは、ファビアンと逃げた。
ファビアンが父の形見の時計を置き忘れてきたことにブッチは
激怒し、ファビアンが住んでいたアパートに戻る。
アパートではヴィンセントがブッチを待っていたが、
ブッチは運よくヴィンセントから逃れることができた。
しかしファビアンのホンダでホテルに戻ろうとしたブッチは路上で
ボスに出くわしてしまう。
事故を起こし、走って逃げたブッチ。
それを追うボス。
逃げ込んだ先の質屋はとんでもないところだった。
しかしながら、質屋から命からがら生還できたボスとブッチ。
物語の場所は冒頭のカフェに戻る。
オムニバス形式の映画だが、
物語は最終的に全部つながることになった。
なるほど、こういうことか!
オスカーの脚本賞を獲っただけのことはあると感心した。
タランティーノがジュールスの友人、ジミーとしてがっつり出演している。
ボスは今ではミッションインポッシブルシリーズで
超有名になっているヴィング・レイムス。
おもしろい映画は30年経ってもまったく色あせない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
謎の魅力はある
ストーリーはあってないようなもの。
名作であることは知っていたがイマイチどういう映画なのかは知らなかったが、会話劇、セリフ回しを楽しむ映画であることは徐々に理解した。
とはいえ、字幕版で視聴したため、あまりそれらを楽しむことができなかった。英語がそもそもわからないから仕方ないが。
それでも、3時間近い内容ではあるものの最後までそれなりに楽しめた。
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