バルジ大作戦

劇場公開日:

解説

第2次大戦時の史実を忠実にフィリップ・ヨーダン、ミルトン・スパーリング、ジョン・ネルソンらが共同で脚色、「史上最大の作戦」のイギリス編を担当したケン・アナキンが監督した戦争アクション。撮影はジャック・ヒルドヤード、音楽はベンジャミン・フランケルが担当した。出演は「危険な道」のヘンリー・フォンダ、「史上最大の作戦」のロバート・ライアン、「魚雷艇109」のタイ・ハーディン、「大脱走」のチャールズ・ブロンソン、「スペンサーの山」のジェームズ・マッカーサー、「危険な道」のダナ・アンドリュース、「偉大な生涯の物語」のテリー・サヴァラス、ロバート・ショウなど。製作はミルトン・スパーリングとフィリップ・ヨーダン。

1965年製作/アメリカ
原題または英題:Battle of the Bulge
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1966年4月1日

あらすじ

第2次大戦のヨーロッパ戦線。破竹の進撃を続ける連合軍の間では、ナチの崩壊も時間の問題だという楽観ムードになっていたが、陸軍中佐カイリー(ヘンリー・フォンダ)だけは、独軍が必ずもう1度、反撃に出てくるだろうという危惧を抱いていた。プリチャード大佐(ダナ・アンドリュース)によって一笑に附されたし、グレー将軍(ロバート・ライアン)らにも疑問をもって迎えられただけだった。その頃ドイツでは、ヘスラー大佐(ロバート・ショウ)らが、大奇襲作戦の準備にかかっていた。カイリーはあるのんびりした兵営地に行ったが、そのとき独軍の戦車隊の攻撃が始まった。同じ頃、米軍MPに変装した独兵のパラシュート降下は濃霧をついて敢行されていた。彼らの任務は戦車が渡り終えるまで、河にかかった橋の、米側による爆破を何とか阻止することだ。到着した米軍爆破隊を彼らは容赦なく射殺し、道標切り換え作業までやった。MP偽装の効果である。事態のただならぬことを逸早く気づいたのはカイリーだったが、猛進撃の前に撤退を余儀なくされた。カイリーは、その後決死の低空飛行で偵察を行ったが、敵砲の攻撃をうけ重傷を負った。ガソリンこそ敵を制する鍵と考えたグレー将軍は、その消耗を目的に戦車同士の鬼ゴッコ作戦をとりそれに成功した。敵は燃料補給のため引き返した。戦列からはぐれた兵士たちを拾い集めてウェーバー中尉(ジェームズ・マッカーサー)が本隊へ帰って来た。戦車隊のガフィー軍曹(テリー・サヴァラス)と合流、補給所へ急いだ。そこは、独軍変装のMPに守られていたが、ただ1人、瀕死のカイリーがそれを見破った。ウェーバーに目顔で知らせ、偽MPの制裁に成功した。それを知らない独軍戦車が近づいて来た。カイリーの命令で、ウェーバーはガソリンに火をつけるよう部下に命じた。あふれるガソリンに手榴弾を投げ込み、独軍の最後の猛反撃は無惨に破局を迎えたのだった。連合軍の勝利はこのとき決まった。

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受賞歴

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映画レビュー

3.0「戦争劇画の実写版」としてみれば大丈夫

2025年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

1965(日本は1966)年公開、アメリカ映画。

【監督】:ケン・アナキン
【脚本】:フィリップ・ヨーダン、ミルトン・スパーリング、ジョン・メルソン

主な配役
【元刑事 カイリー中佐】:ヘンリー・フォンダ
【冷血軍人 ヘスラー大佐】:ロバート・ショウ
【グレイ少将】:ロバート・ライアン
【純愛戦車長 ガフィー軍曹】:テリー・サバラス
【俠気リーダー ウォレンスキー少佐】:チャールズ・ブロンソン

1.実際のバルジの戦いとの違い

バルジの戦い(独軍「ラインの守り」作戦)は、
ヒトラー発案による冬季大攻勢で、
独軍だけで50万人が動員された。

本作に描かれたような、
ヘスラー大佐のタイガー戦車旅団だけで、敵中に突撃するような小規模なものではない。

ヘスラー旅団長は、おそらく、ヨアヒム・パイパー親衛隊大佐をモデルにしている。
パイパーはドラム缶で爆死したりもせず、
戦後まで生き延びた。

◆燃料集積地を巡る戦い
◆マルメディの虐殺
◆マコーリフ准将の名言「Nuts」

など、一部の史実も織り交ぜてある。
だが、他の傑作戦争映画である『トラ・トラ・トラ』や『遠すぎた橋』などと比較すると、再現性はかなり低い。

実際には厳冬の戦場だったはずが、ロケ地がスペインだったこともあり、かなり残念な映像になってしまい、隠居していたアイゼンハワーが抗議声明を発表した。

2.監督にケン・アナキンを起用

『史上最大の作戦』でイギリス側監督を務めたケン・アナキンを監督に起用した。
元々は、ドキュメンタリー畑の製作者だ。

ドラマの埋め込み方は巧みだ。

◆元刑事の勘で独軍の反攻を予感する中佐と、情報部大佐の反目
◆戦争大好き戦車隊長と、長年の部下の訣別
◆戦場に咲く秘めやかな恋
◆使えないリーダーから脱皮していく中尉

人気ドラマ『コンバット』何週分かを一本の映画に詰め込んだ感じだ。

余談だが、アナキン・スカイウォーカーは、彼と親交のあったジョージ・ルーカスが直々に名前の使用許可を得たとするエピソードもある。

3.まとめ

intermission(劇中休憩)をはさむ167分の超大作なのに、大作感があるのは、戦車戦シーンくらいだ。

『パンツァーリート』が効果的に挿入され、
戦車万歳感はすごい。
しかし、肝心のタイガー、キングタイガー、パンサーなどドイツの戦車群は、すべてアメリカのパットン戦車が使われている。

第二次大戦ヨーロッパ戦線を舞台にした、
実写版・戦争劇画、
としてみれば大丈夫だ。

☆3.0

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Haihai

4.5ヘスラー大戦車軍団‼️

2025年2月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

怖い

興奮

知的

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活動写真愛好家

3.5タイガーVSシャーマン

2023年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

第二次世界大戦末期のヨーロッパ戦線、ドイツは戦車隊を投じて最後の反撃に出る。
楽観していた連合軍は、撤退を余儀なくされる。
オールスター大作だが、よくぞここまで戦車を集めたものだ。
公開時観たシネラマスクリーンが懐かしい。

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いやよセブン

3.5冒頭の版画がカッコいい。 ドイツ🇩🇪軍、最後の抵抗。ラストの戦車対...

2023年5月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

冒頭の版画がカッコいい。
ドイツ🇩🇪軍、最後の抵抗。ラストの戦車対決は大いに価値あり。ヘンリー・フォンダが主演なのだが、敵方のロバート・ショウが完全に食ってしまっている(笑)
私が見たのは162分だ、インターミッション等がカットされてたのかな。長尺にかわりなし、どうせなら完全版で見たかったかな。

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はむひろみ