パリは気まぐれ
劇場公開日:1972年11月23日
解説
修道院から抜けだした若い尼僧が、あこがれのパリで演じる大冒険をコミカルに描く。製作はアンドレ・ジェノーヴェ、監督・脚本は「ある日アンヌは」のギイ・カザリル。撮影はクロード・ルコント、音楽はフランソワ・ド・ルーベ、編集はニコル・ガードゥションが各々担当。出演はブリジット・バルドー、アニー・ジラルド、ジェス・ハーン、ジャン・カルメ、ジャック・ジュアノー、ジャック・デュビー、ドミニク・ザルディなど。
1970年製作/フランス
原題または英題:Les Novices
配給:CIC
劇場公開日:1972年11月23日
ストーリー
フランスはブリュタニュー地方のひと気のない海岸。セント・オボテューヌ修道院のシスターたちが、白いつばさのはえたような尼僧頭巾をぬぐと、大はしゃぎで海水沿をはじめた。その中の一人、シスター・アニエス(B・バルドー)は、修道院長のきびしい監視の眼を逃れると、岬を廻って、海水浴客でこみあう浜辺に泳ぎついた。その更衣室から、ドレスとサングラスを失敬し、途中、オートバイを拝借したアニエスは一路パリへ向った。あこがれの都パリで、最初にでくわしたのが交通事故。それがもとで警察のごやっかいになることになった。びくびくする彼女に、先に一斉検挙にあった街の女たちの一人が話しかけた。女教師のような物腰と、いつも浮かべているナゾめいた微笑から、モナリザと呼ばれていた彼女(A・ジラルド)は、いくあてのない彼女を自分のアパートに連れ帰った。そこは艶やかなベットを置いた豪華な部屋で、ちょっと壁の仕掛けをいじるとたちまち売春宿といったあんばいである。ぐったりと寝入ったアニエスがただならぬ気配に眼をさますとモナリザが商売を始めているところ。やがて、何もできないアニエスにモナリザがメーキャップをほどこし、それらしい超ミニのドレスを着せると、シスター・アニエスも、結構夜の女らしく見える。簡単なレッスンを終えると夜の街角に立った。ほろ酔いきげんのアメリカ人(J・ハーン)の相手をするが、その先どうしてよいかは修道院では習っていない。抵抗空しくあわや、というときモナリザが助けにかけつける。彼女にはこの商売が不向きと考えたモナリザは彼女にできそうな仕事として、救急車の運転手になれるニセの書類を手に入れてくる。モナリザは一生懸命に何やら考えをめぐらした。優先権を持つ車、クッションのよいベッド、エキセントリックなサイレン、それにセクシーな白い看護服……。かくして、アニエスは昼間は病院の助手(J・デュビー)と共に病人を運び、夜はシャンゼリゼで商売に精をだすモナリザに協力することになった。狙いたがわず、この新手の商売は大繁盛。さてこれからというとき、運の悪いことにアニエスが一緒に仕事をしていた病院の助手が最初のお客。おかげでしっぽを掴まれた二人は警察に追われるハメとなった。食べるものもなく、途方にくれて車を走らせているとアニエスには見なれた風景が広がってきた。車を捨て、人気のない海辺にたどりついたアニエスは、泳げないモナリザに修道院式水泳法を教えると、沖の方へ泳ぎ始めた。一方、修道院では、あの日溺れ死んだとばかり思っていたシスター・アニエスが、いきなり皆の前に姿を現わしたのでびっくり。しかも、もう一人パリから尼僧見習いを連れて。黒衣に白い大きなズキンをつけ、お祈りの場に現われた彼女ら二人。静かな思いの場所はどうやらここしかないようだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ギイ・カザリル
- 脚本
- ギイ・カザリル
- 製作
- アンドレ・ジェノーヴェ
- 撮影
- クロード・ルコント
- 音楽
- フランソワ・ド・ルーベ
- 字幕監修
- 高瀬鎮夫