ハリケーン(1937)

解説

東太平洋に浮かぶ島を舞台に、妻子に会うために脱獄してきた若者が台風に巻き込まれる様を描くドラマ。監督はジョン・フォード。

1937年製作/110分/アメリカ
原題:The Hurricane

ストーリー

東太平洋の熱帯の海面に、珊瑚礁に沿って小さな島が点々として波の間に見えかくれしている。その島の1つマヌクラ島に、ネーグル船長の帆船がタヒチから到着したので、島では今日はお祭り騒ぎだ。酋長のメヒヴィの娘マラマは、この帆船の一等運転手テランギと結婚することになっている。フランス本国から派遣された行政官デ・ラージュと妻のジェメールは、この島に住む欧州人を集めて宴会を開いた。牧師のポール、ケルサン医師、ネーグル船長、文化から離れたこの土地では、彼らは血縁以上に深く結ばれていた。宴会がすむと、彼らはテラギンとマラマの結婚式に出席した。牧師ポールの手によって式を終えると新婚の夫婦は人々に祝福されて、無人島へ漕ぎ出す。間もなくテランギは次の航海に出たが、タヒチのカフェーで放漫な白人を殴り倒して負傷させ、そのために六ヵ月の刑を宣告された。彼はママラ恋しさに脱獄を企てたが失敗して刑期を増された。かくしてテランギは破獄を企てること8回に及び、そのために刑期を16年に延長されたが、最後の脱獄に成功して逃走する。しかしその際監視人を殴り殺したため今度は殺人犯として追求される。彼はタヒチから600マイルも隔たったマヌクラへ小さな丸木舟で流れよった。ほとんど死んだようになっているところを、舟で通り合わせたポール神父に救われた。神父はテランギを孤島に上陸させ、その島で彼はマラマと獄中にいる間に生れた娘のチタに会った。神父からそのことを聞いた酋長はテランギと妻子を逃がしてやろうとした。医師も船長もジェルメーヌもテランギの不幸な運命に同情したが、行政官デ・ラージュは頑として法の命ずるところに従う決心を固め、彼がこの付近に来たことを知ると、嵐が近まっている中をネーグル船長に命じて舟を出させた。小さな舟に妻子を乗せて海へ乗り出したテランギは、島の群が飛び立つのを見た。それは台風の襲来する前兆である。彼は逮捕されるのを覚悟でマヌクラの人々に警告するため引帰した。妻子を大樹に縛りつけると、彼は激浪に洗われる島を教会堂へ近づき、、デ・ラージュ夫人を救い出して同じ樹に縛った。嵐は益々強く教会堂は波に壊され、ポール神父以下は命を失った。テランギ等の登った木は根こそぎ引抜かれて海上へ漂った。翌日、小島に夫人を残して妻子と共にテランギは海へ逃れた。そこへ到着したデ・ラージュはもはやそれを見ても黙って見逃すのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第10回 アカデミー賞(1938年)

受賞

音響録音賞  

ノミネート

助演男優賞 トーマス・ミッチェル
作曲賞 アルフレッド・ニューマン
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