パーフェクト ワールド

劇場公開日:

解説

脱獄犯と人質の少年との交流、そして男を追う警察署長の苦悩を描いた犯罪ドラマ。「ボディガード(1992)」のケヴィン・コスナーが主演し、「ザ・シークレット・サービス」のクリント・イーストウッドが監督・出演と、二大スターの初顔合わせが話題を呼んだ。イーストウッドの主宰するマルパソ・プロ作品で、製作のデイヴィッド・ヴァルデス、撮影のジャック・N・グリーン、音楽のエニー・ニーハウス、美術のヘンリー・バムステッド、編集のジョエル・コックス、スタント・コーディネーターのバディ・ヴァン・ホーンなど主要スタッフは、「許されざる者(1992)」をはじめとするイーストウッド作品の常連で占められている。そのほかのスタッフは、共同製作に「トイズ」マーク・ジョンソン。脚本にジョン・リー・ハンコック。共同編集にロン・スパング。衣装にエリカ・エルデ・フィリップスら。2人の主演者の脇を固めるのは本作が映画出演2本目のT・J・ロウサー、「ジュラシック・パーク」のローラ・ダーンなど。

1993年製作/138分/アメリカ
原題または英題:A Perfect World
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1993年12月11日

あらすじ

1963年、テキサス州。ブッチ・ヘインズ(ケヴィン・コスナー)は、アラバマ刑務所から同じ囚人のテリー・ピュー(キース・サセバージャ)と脱走した。途中、8歳の少年フィリップ(T・J・ローサー)の家に押し入った2人は少年を人質に逃亡するが、ブッチはフィリップに危害を加えようとしたテリーを射殺する。すぐに厳重な警戒線が張られ、州警察署長のレッド・ガーネット(クリント・イーストウッド)が陣頭指揮に当たった。レッドはブッチが10代のころ、彼の更生のためを思って少年刑務所に送った当人だった。だが、ブッチはそれを契機に犯罪の常習犯となり、ついには脱獄するまでに至った。レッドは、そこまで追い込んだのは自分だと強い悔恨の念にかられ、是が非でも自身の手で捕らえねばと思っていた。犯罪心理学者のサリー(ローラ・ダーン)が同行することになり、彼女はレッドの独自の捜査に反発しつつも次第に彼にひかれていく。一方、一人前の男として接するブッチにフィリップは親しみと友情を覚え、彼のほうでも少年が気に入った。父親を知らずエホバの証人の信者である母親のもとで、宗教上の厳しい戒律から年ごろの男の子の楽しみは何一つ与えられずに育ったフィリップ。少年に自分に似たものを感じたブッチは、ハロウィンやローラー・コースターなどフィリップのささやかな望みをリストに書かせ、ひとつずつ実現させる。母と自分を残して二度と帰ってこなかった父がたった1度よこしたアラスカからの絵ハガキを大事にしまっていたブッチは、「小さな相棒」を連れてかの地を目指す。車の中で眠っていた彼らにマックという男が声をかけ、一人は彼の家に泊まった。翌朝、フィリップやマックの孫と戯れるブッチは、小さな幸せを感じる。だが、ラジオで脱獄囚のニュースを聞き、危険を感じたマックが彼から引き離そうとするあまり孫を突き飛ばしてしまうのを見て逆上する。優しい表情から一変して「孫を愛していると言ってみろ」と、狂気につかれたようにマックを脅すブッチ。フィリップはそんな姿を見てたまらず、銃で彼を撃つ。その時、捜索隊が到着し、彼らを包囲した。レッドの説得に、ブッチはフィリップに別れを告げ、少年を引き渡そうとする。だが、誤認したFBI捜査官の銃弾が容赦なくブッチの胸を貫く。その手には、あの絵ハガキが握られていた。

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

5.0実は良い映画だと思う一本

2025年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

本作、当時は人気絶頂のケビン・コスナーがいきなり汚れ役に挑んだことで似合わないみたいな批判を浴びていたらしい。でも自分は結構好きだった。『ボディーガード』以前のストレートなヒーローのイメージから遠い役柄だったせいだけど、中学生の時に初めて見て感動して以来、お気に入りの映画だ。というか、中学校ではこの映画はすごく人気があった。
今、改めて見てもそんなに失敗作とは思えない。ケビン・コスナーの犯罪者役は哀愁を帯びていていいし、イーストウッドの演出も抑制を利かせていて、丹念に役者のいいところを見せてくれる。
誘拐した少年との疑似親子関係は泣かせる。宗教的理由でハロウィンに参加できない男の子が初めて犯罪者というはみ出し者と一緒になることで家族から解放されて自由になるが、運命はそのような関係を許さず悲劇の最後を迎えていく。ジャック・N・グリーンの撮影もきれいだし、普通にすごくいい映画だと思うので、何かのきっかけで再評価されないだろうか。

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杉本穂高

5.0満点のロードムービー

2025年3月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ダビ

4.0そして少年は大人になる

2025年3月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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める

5.0何回目かの観賞ですが

2025年2月26日
iPhoneアプリから投稿

父の立場で観るとまた違った良さがありました。

メインの登場人物だいたい優しいパーフェクトワールドだけれども

すれ違いや環境で全くパーフェクトワールドじゃない。

セリフがすごくいいんですよね。

とにかくまあ言葉ではあらわせない雰囲気も中身もいい映画です。

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ボタもち