ニューヨークの顔役

劇場公開日:

解説

1920年から30年にかけての、アメリカの不況時代を舞台とするギャング映画。ハロルド・ロビンスの原作ベスト・セラーを「裏町」「第十三号機橋」のロバート・スティーヴンソンが監督した。脚色は原作者ロビンスと、「波止場」「欲望という名の電車」等で美術監督をしているリチャード・デイの共同。「殺し屋稼業」のリー・ガームスが撮影にあたり、レイモンド・スコットが音楽を担当している。主演するのは、新人ジョン・ドルー・バリモア、「左ききの拳銃」のリタ・ミラン。他にスティーヴ・マックィーン、R・G・アームストロング、ロバート・ブレイ等が出演。ローレンス・エロートレイモンド・スコット作詞・作曲の主題歌2つをドロシイー・コリンズが歌っている。製作ハロルド・ロビンスとリチャード・デイ。

1957年製作/アメリカ
原題:Never Love a Stranger
配給:映配=アライド・アーチスツ
劇場公開日:1958年11月15日

ストーリー

1911年のある日、ニューヨーク下町の安アパートで身重の旅の女が男の子を生み落として死んだ。カソリック孤児院にひきとられ、母の名をとってフランセス・ケーン(ジョン・ドルー・バリモア)と名づけられた男の子は、牧師バーナードのもとで成長し、やがて若者となった。孤独な彼にシルク・フェネリやケオーという、やくざ仲間がついた。しかし大学の法科学生でユダヤ人のマーティンや、彼の家の女中ジュリー(リタ・ミラン)が、フランク(フランセスの略称)の心の友だった。フランクが最初に競馬のノミ屋をやるケオーの仕事を手伝った日、商売仇の連中の襲撃でケオーが射殺され、重傷を負ったフェネリからフランクは莫大な札束をあずけられて逃れた。ジュリーに金をあずけて、フランクは孤児院に帰った。ところが、十数年前死んだ母の遺品の中からユダヤ教聖書が発見されたことから、バーナード牧師はカソリック教徒として育てた彼を宗教的立場上、立ち去るよう要求した。ジュリーにあずけた金の中から20ドルを借用し、フランクの放浪がはじまった。何年かが過ぎて、アメリカに不況時代がやってきた。作業員として働くフランクは負傷して施療病院に入り、そこで今は地方検事となったマーティンに会った。20ドルを彼から借りて、フェネリに義理をすませたフランクは、ジュリーがフェネリの情婦になっているのをそこで発見した。フェネリの配下としての彼の暗黒街での活躍が始まった。暗黒街のギャング団一掃を計った検察当局はマーティンを特別捜査主任として活動を始めた。腕を上げ、ジュリーを奪いかえしたフランクは、フェネリに対立する地下組織の頭目となった。そして、フェネリと対決して彼を殺し、自らも重傷を負って死んだ。数ヵ月後、バーナード牧師はジュリーの手紙を受けとった。ユダヤ人フランクを父として生まれる子供に、せめて父が拒み続けられた神の愛と理解を受けさせたいと、そこには記されてあった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0人生は永遠の輪廻転生

2020年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 時代は1911年から始まり、孤児院に引き取られた男の子フランキー・ケーンの物語がスタートする。この主人公はドリュー・バリモアの父親ジョン・ドリュー・バリモア。演技なんかも結構いけてる俳優なのだが、泥酔とか暴力事件とかでろくな人生を歩んでいない。彼の父親もアルコール中毒、娘も色々あったし、かなり波乱万丈な家族。この映画にしても生まれてから死ぬまでの主人公を演じているので、本人を投影したような作品となった気がする。

 大恐慌の最中、孤児だったフランキーは政治家の息子マーティ・キャベル(S・マックィーン)とボクシングを通じて親友となり、キャベル家のメイドのジュリー恋仲になる。街の顔役でもあるシルク・フェネリに憧れ、狙撃にあったシルクを助けたことから信頼を得るのだが、母親がユダヤ人であることが判明してカトリック孤児院から追い出されてしまう。

 月日は流れ、浮浪者同然となっていたフランキーがトラックに撥ねられ、マーティが病院で金を渡したことから友情復活か?と思ったが、フランキーは借金を返すためにシルクの元へと急ぐのだ。その律義さにほれ込みシルクの部下となったフランキー。シルクの愛人がジュリーだったということにも驚かず・・・まぁ、憧れのギャングのボスだからしょうがない・・・といった感じでした。

 ところが、ギャング家業にも慣れてきたフランキーは権力を欲し、やがてシルクの上に立つまで成長し、新聞をも賑わせる大物となっていった。そして、皮肉なことに親友マーティは弁護士から州検察官となっていて・・・

 暗黒街の人生観。マーティン・スコセッシが描くと、もっとドロドロになり残酷シーンも満載になるのだろうけど、案外アッサリ気味で恋愛や友情をメインとした白黒作品となっています。懸命に自首を勧めるマーティと、覇権交代の暗黒街を熟知するフランキー。ギャング映画の基本ともいうべきストーリーだが、輪廻転生という宗教的な運命をも描いている。

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kossy
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