鉛の時代

劇場公開日:

解説

社会変革の方法論も女性としての生き方も対照的でありながら深い愛情で結ばれた姉妹二人のそれぞれの内面を描く。1977年に過激派の一人として逮捕され獄中死した実在の女性闘士グードルーン・エンスリンとその姉で雑誌『エンマ』の記者であるクリスチーネ・エンスリンをモデルに「とどめの一発」などの女優でフォルカー・シュレーンドルフ監督夫人のマルガレーテ・フォン・トロッタが監督・脚本を担当。製作はエベルハルト・ユンカースドルフ、助監督はヘレンカ・フンメル、撮影はフランツ・ラート、音楽はニコラス・エコノモウ、編集はダグマー・ヒルツ、製作デザインはゲオルク・フォン・キーゼリッキー、衣裳はモニカ・ハッセとジョージ・ヤラ、効果はウラジミール・ヴィツナーが各々担当。出演はユタ・ランペ、バーバラ・スコヴァ、リュディガー・フォーグラー、ヴェレニス・ルードルフ、リュック・ボンディ、ドーリス・シャーデ、フランツ・ラドニック、イナ・ロビンスキなど。81年度ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞。

1981年製作/西ドイツ
原題または英題:Die Bleierne Zeit
配給:欧日協会
劇場公開日:1983年1月20日

ストーリー

ユリアンネ(ユタ・ランペ)とマリアンネ(バーバラ・スコヴァ)は、戦時中に生まれ、鉛の時代といわれた1950年代に厳格な牧師の家庭で成長した。性格は違うが、二人とも、幼ない頃学校で上映されたガス室での大虐殺のフィルムを見て、嘔吐をもよおした経験をもっていた。マリアンネは、そのまま社会への反抗心を強くもつようになりテロリストのグループに入って活動した。ユリアンネは恋人と同棲しながら、女性雑誌の編集の仕事に励んでいた。そんなころテロ活動で逮捕されたマリアンネが獄死した。自殺という当局の発表に疑問を抱いたユリアンネは、平穏な恋人との生活を拾てて、死因を究明し始めた。マリアンネが残した息子をひきとり、彼女が入っていた牢獄を何度も訪れたユリアンネは、固い絆で結ばれていた妹の苦悩と生き方を徐々に理解してゆくのであった。

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