隣の女

劇場公開日:

解説

妻と息子をもち平凡な生活を送っていた男と、偶然彼の隣に引越して来た昔の恋人との激しい恋と葛藤を描く。監督は「終電車」のフランソワ・トリュフォー、原案・脚本はトリュフォー、シュザンヌ・シフマン、「恋のマノン」(67)の監督で知られるジャン・オーレル、撮影は日本初登場のウィリアム・ルプシャンスキー、音楽はジョルジュ・ドルリュー、編集はマルティーヌ・バラーク、美術はジャン・ピエール・コユ・スヴェルコ、製作責任はアルマン・バルボウ、録音はミシェル・ローランが各々担当。出演はジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン、アンリ・ガルサン、ミシェール・ボームガルトネル、ヴェロニク・シルヴェル、ロジェ・ヴァン・オール、フィリップ・モリエ・ジュヌーなど。ロケはすべてグルノーブル近郊で行なわれた。

1981年製作/フランス
原題または英題:La Femme Dacote
配給:東映ユニバース
劇場公開日:1982年12月24日

ストーリー

32歳のベルナール(ジェラール・ドパルデュー)は、妻アルレット(ミシェール・ボームガルトネル)と幼ない息子と平穏な日々を送っていた。ある日隣にボーシャール夫妻が引っ越してきた。夫のフィリップ(アンリ・ガルザン)は、空港に勤めるベテランの菅制官である。美しい妻マチルド(ファニー・アルダン)は、フィリップとはかなり歳が離れていた。しかし、彼女が隣人であるベルナールに向ける表情は、何かを含んでいた。彼らが引っ越して来た翌日マチルドはベルナールに電話した。実は二人は、昔恋人同士だったのだ。電話の内容は、お互いの相手に、自分たちの過去を打ち明けたか、ということだった。翌日、ボーシャール夫妻を夕食に招いたとアルレットから聞いたベルナールは、ジューヴ夫人(ヴェロニク・シルヴェル)の家から電話し、仕事で帰れないと嘘をついた。ジューヴ夫人は、20年前に愛していた男に裏切られ、そのために窓から飛びおり杖をつく身となっている中年女性で、恋の痛手をベルナールに話して聞かせた。しかし、ベルナールとマルチドは、お互いに罪の意識を持ちながらも、旧交を取り戻していった。遂にホテルでひとときを過ごした二人は、過去を振り返りお互いの不運を嘆いたが、もう二度と会うのはよそうとマチルドは言いきった。しかし、再び燃え出した炎はたやすく消えない。マチルドの家に行くベルナール。フィリップに全てを打ち明けようとするマチルド。しかし、数日後、ボーシャール夫妻は、予定通り、おそい新婚旅行に出かけて行った。その間、ベルナールは妻に全て打ち明けた。そして、その時彼は妻が妊娠していることを知った。そのころ、ジューヴ夫人は、彼女を拾ててニュー・カレドニアに行っていた男が来ることを知り、パリに姿を消していた。今の自分を見られたくないためか、それとも彼のせいで足を悪くしたのを知らせたくなかったためか……。旅先で、マチルドは、フィリップとのベッドでベルナールの名を呼んだ。彼女はやがて神経衰弱で入院し、そのことをフィリップはベルナールに知らせた。しかし、妻の妊娠を知ってからは、彼はアルレットにつきっきりだった。ある夜今は空家のはずの隣家で物音を聞いた彼は一人、調べに入った。暗聞の中に拳銃を手にしたマチルドの姿があった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第7回 日本アカデミー賞(1984年)

ノミネート

外国作品賞  
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映画レビュー

4.0嵯峨の結末

2024年8月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

あなたたち勝手にやってよね、と言いたくなるような内容。なのに、なぜか最後まで面白い…。

健康的で当たり前の日常。家族と堅実な仕事に支えられた穏やかな暮らし。そして地域のコミュニティ。しかし、眠りから目覚めたドロドロが浸食していく。相容れない質のもの同士が視覚的にリアル感をもって絡み合っていく様は興味をそそる。
真っ白い布に黒い糸が織り込まれる。よいとも悪いとも言いようがない。これはサガなのだ、と思わされる。真っ直ぐな白い布に仕上げようと頑張っても黒い糸は裏側にまわるだけで、やがては全体を侵食し始める。
抵抗できない自分を悟った時、女は心を決める。それぞれが離婚し二人が一緒になれば良いという類のものではないのだから、もうどうしようもない。

男は、道連れにされても仕方ないと思う。
でも、トーマは可哀想かな…。

マチルドは、いやらしくて嫌い。しかし気になる。どこか惹かれもする。この女優さんの演技が上手なんだろう、と思う。

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あま・おと

3.08年前のカノジョ

2023年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(ジェラール・ドパルデュー)は引っ越してきた隣の奥さん(ファニー・アルダン)を見てビックリ、8年前に別れた恋人だった。
それからの二人は駆け引き、というよりも心の赴くままに終わりに近づいていく。
離れようとしても離れられないのが・・・。

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いやよセブン

5.0大人の映画

2019年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

さすがトリュフォー 無駄なシーン、無駄な表情、無駄な台詞が一つとして無い。演技から目が話せない。切ない映画。

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