トト・ザ・ヒーロー

劇場公開日:

解説

自分が向かいの家の子供と産院で取り違えられたと信じる男の悲痛な一生と、人生の幸福を取り戻すための旅を実験的な手法で描く悲喜劇。脚本・監督は本作が長編デビューになるジャコ・ヴァン・ドルマル、撮影はヴァルター・ヴァン・デン・エンデ、音楽はピエール・ヴァン・ドルマル(挿入歌はシャルル・トレネの「ブン」)が担当。出演はミシェル・ブーケ、ミレーユ・ペリエほか。

1991年製作/92分/ベルギー・フランス・ドイツ合作
原題:Toto le heros
配給:フランス映画社
劇場公開日:1991年12月21日

ストーリー

老人ホームで暮らすトマ老人(ミシェル・ブーケ)は自分が産院の火事の際にカント家のアルフレッドと取り替えられてしまったと信じている。すべての幸福を奪われてしまった人生の思い出が浮かんでくる。8歳のトマ(トマ・ゴデ)の夢は、TVの名探偵トトになることだった。向かいの家に住むアルフレッドに比べればつつましい暮しだが、仲睦まじい家族に包まれて、トマは幸せだった。しかし、カント氏の依頼で雷雨の夜に飛び立った飛行士のパパ(クラウス・シンドラー)は戻ってこなかった。大好きな姉のアリス(サンドリーヌ・ブランク)とトマは、カント氏のスーパーに復讐を決行する。ママ(フェビエンヌ・ロリオー)がドーバーまで死体を確認しに行っている間中、姉弟は自由で夢のような日々を過した。だが、やがてアルフレッドと仲良くなったアリスにトマは激しく嫉妬する。トマの涙を見たアリスは、カント家に火をつけ、炎の中に消えた。時がたち、青年トマ(ジョー・ド・バケール)はサッカー場でアリスにそっくりな音楽家エヴリーヌ(ミレーユ・ペリエ)を見つけ、愛しあうようになった。が、駆け落ちの日に彼女がアルフレッドの妻であることを知り、トマは絶望する。そして今、大実業家となったアルフレッドが殺し屋に命を狙われていることを知ったトマは、それより先に復讐を果すために懐かしい通りのカント家へ向かうが、アルフレッドもまたトマに嫉妬していたことを知り、年老いたエヴリーヌ(ギーゼラ・ウーレン)とも再会し、決意してアルフレッドとして銃弾に倒れるのだった。

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受賞歴

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映画レビュー

3.5隣の芝生は青く見える⁈

2022年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

時間軸も幼少期、青年、熟年ととぶし、
現実なのか妄想なのかもよく見てないと
分からなくなりそうで集中して見てた。

色々あった人生だか、最後には、
身代わりになって人のためにいい事をして
人生を終えた。

この監督の他の作品は、
八日目、ミスターノーバディ、神様メール。
全て、テーマは人間讃歌だそう。

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ほんのり

3.0甘酸っぱい

2022年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

萌える

ストーリー:隣同士に生まれた少年二人は、互いに隣の芝生が青く見えて仕方がなかった。

人生の意味も人生のこっけいさも人それぞれ。要はとらえ方次第。最後はヒーローになれてよかったんじゃないでしょうか。

今週の気付いた事:老人ホームは老人だらけ

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ほとはら

3.5【”隣の芝生は青く見える。そして人は年を取る、様々な若き頃の屈託を抱きながら・・”生後直後に取り違えられた二人の男の人生を”シニカル&コメディタッチ”で描いた作品。】

2021年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作の監督”ジャコ・ヴァン・ドルマル”は1991年に今作を公開し、様々な賞を獲得しながら、その後、2015年までに、たった4作しか制作していない、寡作な監督である。
 今作は、生後直後に産院の火災で、取り違えられた老いたトマの邂逅を軸に、臨家の取り違えられたアルフレッドの人生と併せ、彼らの少年時代から、老年までを描く作品である。ー

◆感想

 ・老いたトマは老人ホームで、アルフレッドを憎みながら過ごしている、やや耄碌しながらも・・。
 ー 冒頭の、噴水に突っ伏す男の姿。ラストとの見事な繋がり。ー

 ・回想シーンでは、トマは、パイロットの父や、魅力的な姉、アリスに囲まれ、幸せな人生を送っている。勿論、臨家のアルフレッドも裕福なカント家で育っている。
 ー 何が、老いたトマを、アルフレッドを憎む気持ちにさせたのか・・。ー

 □トマの父は、アルフレッドの父の依頼を受け、商品購入のため外国に飛ぶが、雷雨のため帰って来ない、永遠に・・。
  そして、トマが好きだった姉(取り違えばなければ、恋したであろう・・)は、アルフレッドと恋仲になり・・。

 ・青年になったトマは、姉アリスに似ているエヴリーヌと恋仲になるが・・。

<老いたトマが、アルフレッドを訪れるシーン。
 老いたアルフレッドが言った言葉。
 ”金はあるけれど、幸せな人生ではなかったよ。君は、人生が楽しそうで良いな・・。
 トマは、アルフレッドを特に妄執もあり、憎むようになっていたが、実はアルフレッドはトマの人生を羨んでいた。
 捻りの効いたシニカルコメディである。>

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NOBU

3.0こども老人の悲しき空想の世界

2018年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

老人トマ、同じ誕生日で向かいのアルフレッド、ときどき姉エヴリーヌ。頭から終わりまで老人の回想、空想、夢、劇中劇(トト・ザ・ヒーロー)が入り交じりながら進む。終盤の老人を追い越すトラックの荷台に父と姉が演奏する軽快な主題歌「♪ブン、~ブン」が老人の悲劇性を一層引き立ててた。

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mimiccu
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