電話でアモーレ

劇場公開日:

解説

ハリウッドに憧れる売れないスペインの男優が引き起こすラブ・コメディー。監督は日本初紹介となるマヌエル・ゴメス・ペレイラで製作・脚本も兼ねる。製作は脚本を兼ねるホアキン・オリストレルとセザール・ベニーテス、脚本はファン・ルイス・イボーラ、ナオミ・ワイズ、撮影はファン・アモロス、音楽はベルナルド・ボネッツィ、美術はルイス・ヴァリェス、編集はギレルモ・レプレッサがそれぞれ担当。主演は「ビースト・獣の日」のハビエル・バルデム。共演は「ルルの時代」で共演しているマリア・バランコ、「雲の中で散歩」のアイタナ・サンチェス=ギヨンほか。

1995年製作/114分/スペイン
原題または英題:Boca a boca
配給:コムストック
劇場公開日:1997年11月15日

ストーリー

「映画館の客席係の父親が喉に異物をつまらせた女性客にキスして、その命を救ったが、誰も見ていなかった。もし映画ならきっと彼はヒーローになれたのに。」と語るプロモーションビデオの男を見ているハリウッドの映画会社の企画チーム。一方、スペインのマドリードでは、そのプロモーションビデオの男ビクトル(ハビエル・バルデム)は、黒眼鏡をかけ洗いざらしの髪でピザ屋の配達をしている。有名な俳優でも濃いマッチョマンでもない。ある日、ビクトルが配達した先はテレフォン・セックス業者。電話で大忙しでなかなかお金がもらえない。オーディションの時間が迫っているので、お金ももらわずに、バイクでオーディション先へ直行。ところがオーディションは落ち、バイクは盗まれと散々な目に遭う。ハリウッドからのチャンスをなんとかものにできればと励ます女性マネージャーのアンヘラ(マリア・バランコ)。とりあえず目先の生活費ということで始めたテレフォン・セックスのバイトでビクトルはすぐにビルこと形成外科医のリカルド(ジョセップ・マリア・フロタッツ)に気に入られる。また、キャスティング担当のシーラをオリーブオイルで固めたオールバックと熱いキスというラテンの魅力でメロメロにする。ところが謎の美女アマンダ(アイタナ・サンチェス=ギヨン)からの電話。今度はビクトルがメロメロになる。バーで待ち合わせ。ベージュのスカーフをした美しい女が1人。渡されたマッチの内側には私についてきて。2人は愛し合う。ところが彼女はあのリカルドの妻で、夫と別れるために証拠が欲しいと言う。手はずを整えたところにやってきたのはマネージャーのアンヘラ。さらには殺し屋登場。とりあえず、危機を乗り越え、2人はアンヘラの車に乗り込み、レストランに向かう。アマンダはリカルドの妻ではないことが発覚。リカルドの衣裳を借りたビクトルはワインではなくコーラを注文した監督を田舎者呼ばわりし、パンを片手で粉々に砕くバイオレンスな男を演じてみせ、監督にも気に入られる。アマンダは誰?マッチを手がかりにわかったことは彼女はテレフォン・セックス業者の経営者の妻で、殺し屋に頼まれたのだ。その殺し屋を買収した結果、殺しを依頼したのはリカルドの妻と親友だった。おかしくなったリカルドは妻のいるホテルのパーティー会場に向かう。追いかけるビクトル。銃を持ったリカルドは主演女優とエレベータに閉じこもる。電話をするビクトル。降りてくるリカルド。父に倣い、気絶している主演女優にやさしくキスをするビクトル。彼はハリウッドの大役をついに射止めたのだった。

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