殺人狂時代

劇場公開日:

殺人狂時代

解説

チャールズ・チャップリンが監督・脚本・製作・作曲・主演を務め、戦争による大量殺人を告発した異色のブラックコメディ。

銀行員として真面目に働いてきたヴェルドゥは、不況のあおりを受けて仕事を解雇されてしまう。彼は車椅子の妻や幼い息子を養うため、裕福な女性を次々と誘惑して命と財産を奪っていく。数年後、ついに逮捕された彼は、シニカルなメッセージを残して死刑台へと向かう。

チャップリンがおなじみの放浪者役を封印して洗練された紳士を演じ、痛烈な反戦メッセージを込めながら、スタイリッシュなユーモアと名演出で描き出す。しかし戦勝に沸いていた当時のアメリカでは激しいバッシングを受け、チャップリンが事実上の国外追放を受けるきっかけのひとつとなった。

1947年製作/124分/アメリカ
原題:Monsieur Verdoux
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2022年11月4日

その他の公開日:1952年9月2日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)Roy Export SAS

映画レビュー

4.5【”一人殺せば悪党で、100万人殺せば英雄です。”チャップリンが殺人紳士を演じたスタイリッシュブラックコメディ。現代社会でも十二分に通用する、戦争に対する怒りを練り込んだ脚本が見事な作品です。】

2024年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 不況により、30年真面目に務めた銀行を首になった男ヴェルドゥ(チャップリン)が足が不自由な妻と幼い息子のために、金持ちの未亡人を次々と殺す”事業”を始め、金を株に継ぎ込み生活を維持する。-

◆感想

・改めて観ても、凄い作品である。

・内容が連続殺人であるにも関わらず、チャップリン演じるヴェルドゥが悪人には見えないのである。殺人シーンが間接的にしか描かれていない事と、ヴェルドゥが金持ちの未亡人を殺そうとする過程が、可笑しいからである。

・シニカル且つヒューマニズムを感じるのは、刑務所から出て来た女を毒の効き目を試すために毒殺しようとするヴェルドゥが、彼女の身の上を聞き毒殺を止め大金を持たせて、人生の再出発をさせるシーンから、彼が経済破綻により妻も子も財産も全て失った時に、運転手付きの車でその女が彼を見つけ、車内に招き入れるシーンである。
 彼女は、ヴェルドゥに助けられた後に、”軍需産業の社長”と結婚し金持ちになっていたのである。

<そして、有名なヴェルドゥが死刑執行される前に言った”一人殺せば悪党で、100万人殺せば英雄です。”という台詞には、矢張り唸らされるのである。
 今作は、優れた脚本と、チャップリンの演じる殺人鬼の一見紳士的な風貌と、コミカルな演技が優れたる作品なのである。>

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NOBU

5.0戦争に人間を引き込む真実のカラクリ」をチャプリンが暴いた

2024年5月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

5.0相当な傑作です

2024年3月30日
PCから投稿

他に名作が多すぎるので、影に隠れた感が否めませんが、CCらしさが希薄であるのにこの水準はさすがです。

モダンタイムスでスラップに一区切りつけて、独裁者でアメリカ中を敵にまわし、次作ライムライトはついにアメリカを離れて、なのでこれがアメリカで撮った最後の作品です。

今でこそCCのメッセージ云々という褒め方をしますが、あの時代にこの内容では激しい非難に晒されたのはやむを得ないでしょう。

しかし、CCを離れて一本の映画作品として評価すれば、全体の構成やテンポ、各人に対する確かな演出、映画らしさにあふれた傑作です。

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越後屋

3.5役者としてのチャップリンの芝居が楽しめて、いつの時代でも通用する風...

2023年9月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

役者としてのチャップリンの芝居が楽しめて、いつの時代でも通用する風刺の効いた作品。

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mini