魂を救え!
劇場公開日:1997年11月8日
解説
ドイツとフランスの国境間で起きた不条理な荷物検査から1人の若者が大きな政治的な陰謀に巻き込まれて行くサスペンス。監督は「そして僕は恋をする」のアルノー・デプレシャン、脚本はデプレシャン、「二十歳の死」(脚本協力)のパスカル・フェラン、ノエミ・ルヴォフスキー、エマニュエル・サランジェ、撮影は「パリでかくれんぼ」のカロリーヌ・シャンプティエ。音楽はマルク・ソメール、美術のアントワーヌ・プラトー、編集のフランソワ・ジェディジエはデプレシャンの全作に参加する常連。衣裳はヴァレリー・ポッゾ・ディ・ボルゴ。主演は「二十歳の死」のエマニュエル・サランジェ。共演は「見憶えのある他人」のマリアンヌ・ドゥニクールほか。
1992年製作/144分/フランス
原題または英題:La Sentinelle
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:1997年11月8日
ストーリー
1991年。マチアス・バリエ(エマニュエル・サランジェ)は外交官だった父の死を契機にドイツのボンからフランスのパリに列車で向かう。外交官の友人ジャン=ジャック(ティボー・ド・モンタランベール)と同じコンパートメントにいたが彼だけビザ書類が不備だというので別の業務用の車両に移される。がっしりとした税関検査員の不当な取り調べに興奮したマチアスは鼻血を出す。パリに着いたマチアスは法医学の研修生として手続きを済ませた後、ホテルに部屋を取る。シャワーを浴びて、スーツケースを開けて彼はまたも鼻血を出す。白いガーゼに包まれて人間の頭部が紛れ込んでいたのだ。あの男の仕業だと直感したマチアスはその夜のうちに税関窓口で男のことを尋ねるがなにも聞き出せない。それからパーティーに向かう。姉のマリー(マリアンヌ・ドゥニクール)とかつての恋人ナタリー(ヴァレリー・ドレヴィル)に会う。2人は組んでモスクワにオペラ興行に行くという。ウィリアム・マエ(ブリュノ・トデスキーニ)がシェイクスピアのリチャード三世を暗唱する。詰まったところをマチアスがフォローする。姉の誘いを断り、マチアスはホテルに帰る。あの頭が気になるのだ。法医学の実習が始まり、マチアスはシモン・アシュール(ファブリス・デプレシャン)という学生と知り合いになり、頭部のことを打ち明ける。マチアスは捨てることができずに、コインロッカーにしまう。そしてジャン=ジャックの同僚ウィリアムと共同で部屋を借りる。教会で頭部を埋葬できないかと相談するがあえなく断られる。しかたなくマチアスは自力で分析を開始する。ある日、マチアスは外務省で友人の外交官に囲まれて74年の映像を見せられる。そこにはあの男が映っていた。彼の名はルイ・ブライシャーで3ケ月前にスパイとしての消息を絶ったと聞かされる。また姉たちが行くモスクワへの演奏旅行の本当の目的を知らされる。彼女たちは現地で入れ替わり、逃亡を手助けするのだ。マチアスは頭部を地球儀の中に隠したり、ナタリーの家の靴箱の中に隠したりしてウィリアムにとりかえさせない。ついにマチアスは頭部からその男の完璧な復元像を作り上げる。そしてウィリアムのパスを使い、国防省に潜入して該当する男がコチャルギンという科学者であることを割り出す。ウィリアムはマチアスを車に乗せ、証拠の頭部を捜し回る。ナタリーの家ではナタリーは倒れている。そしてウィリアムの家では一瞬のすきをついたマチアスに、ショットガンで撃たれたウィリアムが倒れている。マチアスは劇場に向かい、入り口で同志コチャルギンの死をわめきたてるが誰も相手にしない。一方、ブライシャーがウィリアムを自殺に見せかけようと細工をしている。事件はなにひとつ解決されず、マチアスはどことは判別できない真っ白な病院の中で目を覚ます。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アルノー・デプレシャン
- 脚本
- アルノー・デプレシャン
- パスカル・フェラン
- ノエミ・ルボフスキー
- エマニュエル・サランジェ
- 撮影
- カロリーヌ・シャンペティエ
- 美術
- アントワーヌ・プラトー
- 音楽
- マルク・ソメール
- 録音
- ローラン・ポワリエ
- Bernard Aubouy
- 編集
- フランソワ・ジェディジエ
- 衣装デザイン
- ヴァレリー・ポッゾ・ディ・ボルゴ
- 字幕
- 寺尾次郎
受賞歴
第45回 カンヌ国際映画祭(1992年)
出品
コンペティション部門 | |
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出品作品 | アルノー・デプレシャン |