タクシードライバーのレビュー・感想・評価
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トラヴィスの不器用さ
ベトナム帰りは劇中通しても強調されていないし彼の取る行動は理解出来ず地味に狂気の沙汰へと。
初デートがポルノ映画って異常な思考から小娘を助ける為にお節介気味な行動と大統領候補の暗殺未遂、トラヴィスは明確に強い意識や考えなどがあったのか?秩序の乱れた街を一掃したいとタダ漠然に。
英雄行為として称えられるがトラヴィスは何も変わらずタクシーのハンドルを握る。
救いは彼を最後に犯罪者にしなかったコトだがラストのトラヴィスが映画の始まりと変わらないのが悲しい。
3回目にしてやっと共感
何気に3回目のタクシードライバー!の割に、ほとんど内容を覚えていなかったこの感じな。今回ついに脳裏に刻まれました。不朽の名作ですもんね。これで最後になるのかならないのか。
舞台は、大統領選挙を間近に控えたニューヨーク。あちこちに候補者のポスターが貼られ、明るい未来を約束する演説が響き渡る。街を行き交う人々は希望に溢れ、あくせくと働いている。
一方、タクシードライバーのトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)は仕事も恋愛もうまくいかず、鬱屈した日々を送っていた。想いを寄せた女性をポルノ映画に連れて行った挙句にこっぴどくフラれ、行き場のない心境を仕事仲間に吐露しても、人生に希望なんか持つな、とにべもない。この日々をどうにかしたい、でもどうにもならない。行動を起こしたい、でも全てが空回る。さらに、まだ12歳だという幼い娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)との出会いによって、その思いは加速していく。
容赦なく蓄積するストレスと自己嫌悪がトラヴィスの視野を狭め、徐々に狂気を帯びていく。いつしか、誰とも会わず、一人でテレビ画面を漫然と眺め、手を挙げた客も無視するようになった。そしてある日、彼はついに行動を起こす。
最後まで観て「やっぱ全然覚えてなかったわー」ってなったんだけど、意外と救いのあるエンディングだった。世界は救えなかったけど、救えた人もいたし、何よりトラヴィス自身に起こった変化が画期的。何に対しても自信が持てずに自堕落だった彼が、つまらない日常を生き続けていく心の拠り所みたいな経験をして自信をつけた。っていうか、自信ってなんだろうね? 自信を持って生きている人の方が世の中少ないんじゃない? 根拠のない自信を堂々と持てる人もいれば、根拠があってもなお疑心暗鬼になる人もいる。私はたぶんずっと前者だったけど、最近自分を構成するいろんな基盤からボロが出てきた気がして足が竦んでる。そういう時期だからこそ今回初めてトラヴィスに共感できたのかもしれない。なんて。
でもトラヴィスみたいな人はさ、栄光が徐々に過去のものになっていくことに耐えられずにいつかまた自暴自棄な行動に出そう。アベンジャーズとか観ても思うけど、ヒーロー役って中毒性あると思うんだよね。一度ヒーローになったら常にそうありたいと願う。「元ヒーロー」は最大の禁句、的な? いや、私は昔からヒーローになりたかったからそういうことをよく考えていたんだよね。笑
さて。ヒーロー談義はこの辺にして。
今回は「ディパーテッド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に続いてのスコセッシ監督。さすが代表作。上手。40年も前の映画なのにとても洗練されている。募っていくトラヴィスの狂気とは相容れない気だるげなジャズや、スローモーションの演出など、ジメッとしたノスタルジー感が好き♡
ディカプリオがついにアカデミー賞獲ったことだし、次は「アビエイター」かなぁ〜♪
狂気から生まれる正義
主人公のトラビスは孤独で街を徘徊するヤクの売人や売春婦を汚水物ように考えている男だ。
トラビスはある日このままではいけないと思い一念発起して美女を口説き落としてデートに誘う事に成功する。しかしデートに連れて行った場所がポルノ映画館、女は怒りだしトラビスはフラれてしまう。女の冷たい態度を受けて怒りを感じ益々、孤独感を深めトラビスは次第に妄想を抱き狂気に駈られた行動を起こす。
この映画の怖い所は狂気に囚われた人間は自分の事を狂人とは思っていない、そして人の持っている狂気性からも正義が生まれてくるかも知れないという事だ。
殺戮に走るトラビスを見ていると人を殺すことへのやるせなさや戸惑いはおろか人を殺すことへの罪悪感を全く見せない。有るのは少女を食い物にする極悪人どもは皆殺しにするという狂気に駈られた正義感だのみだ。
トラビスはメディアに少女を悪の巣窟から救い出したヒーローとして祭り挙げられる。
この映画は人の狂気性からも正義が生まれてくるかもしれない事を教えてくれる。
本当に怖い映画だと思う。
全体に漂うけだるさは好きだが
荒んだ都会の雰囲気がたまらなくかっこいい
ベトナム帰還兵の主人公は自分の境遇や犯罪だらけの町に苛立ちを覚え、
眠れない日々を夜な夜なタクシーで流して紛らわせる。
社会に対する漠然とした不満はあるが、無知な彼に政治はわからない。
彼の世界観は狭く、スラム街の住人がそうするようにベッツィをポルノ映画に誘い、
偶然客が口走っただけの44マグナムにこだわり、聞きかじった知識だけで銃談義をしてご満悦。
愛銃を手に鏡の前でポーズを決めるそぶりは、TVヒーローの真似をする子どもと変わらない。
漠然とした苛立ちは、彼が感じるところの腐った社会に向けられ、
ついには、家出少女を売春婦としてこき使う悪党一味を皆殺しにする。
彼の行為は犯罪で、しかも浅はかであり、決して褒められない。
しかし結果的に彼の行動は悪人を消滅させ、少女を救い、彼自身も苛立ちから解き放たれる。
…つまり狂った人間の許しがたい行動が、ベストな結末を導いた?
犯罪も場合によっては許されるとかそういうことではなく、
もっと大きな意味で既存の価値観の再考を迫り、行為の意味を探求する作風が衝撃的。
雰囲気、音楽、ストーリー、演技、ラストシーンまで、稀にみる傑作。
最初から最後まで
こういうバカっているかもな
・1回目の鑑賞 2015/10/22 ・2回目の鑑賞 2020/1...
映画「タクシードライバー」の感想
タイトルなし(ネタバレ)
トラビス(ロバート・デニーロ)は議員を殺そうとする一方で、アイリス(ジョディ・ホスター)を助けようとして「英雄」として新聞に載る。
物語の冒頭、トラビスはタクシードライバーに応募する。そして「自分の殻だけに閉じこもり一生過ごすのはバカげている。人並みに生きるべきだ」と考え、選挙事務所で働くベティに声をかけるが振られる。議員をタクシーに乗せたときには、「悪を町から無くしてほしい」と訴える。ベッツィに冷たくされたトラビスは議員を殺そうと計画し、一方でアイリスに売春婦をやめて両親のもとに帰るように説得する。
トラビスがベッツィと初めてお茶したとき、彼女は言った。「預言者で麻薬の売人、事実と作り話が半々の歩く矛盾」。言ってることは預言者のようでありながら、やっていることは麻薬の売人。悪をなくしてほしい、と心に思いながら、拳銃を買い、体を鍛え、モヒカンにして、自分で決めた「悪」を殺そうと計画する。
ラスト、世間がトラビスが「悪」を殺したことを賞賛して終わる。議員を殺した場合、世間はトラビスを非難しただろうし、アイリスを助けたことはたまたまトラビスと世間の「悪」が一致したことになる。
重い映画だけど、トラビスの心情を考えさせられる映画。マーティン・スコセッシ監督が出演しているシーンも見所。
なんでモヒカン?
物語はすごくおもしろかったし
ハラハラしてずっと見てましたが、
ムキムキになった主人公(モヒカン)が気になって仕方なかった。
映画が作られた時代に斬新な髪型だったのでしょうか?
気になって仕方なかったー…
デニーロの最高傑作
主人公の偏った正義感にある種の共感をおぼえる。デニーロの演技はもちろんだが、子役のジョディ・フォスターの演技も素晴らしい。当時、子役としては、アカデミー賞を受賞したテータムオニールとどっちがうまいっかって比較されたけど、結局残ったのは彼女のほうだった。トム・スコットのサックスが心憎いまでに雰囲気を盛り上げてくれる。最後、主人公が生き残ってくれた点に救われる。日本人が作ったら、殉職?でしょうけど。
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