タクシードライバーのレビュー・感想・評価
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不条理な社会構造を映した傑作中の傑作
1975年ベトナム戦争が終結し、その暗い影がアメリカ社会に蔓延していた。また、思想的には強い意志を持って主体的に生きること(実存主義思想)の限界から構造主義的思想へ転換した頃でもある。
この作品は、アカデミー賞を逃したがカンヌ映画祭ではパルムドールを受賞した。その理由は、アメリカ社会への痛烈な批判であると受け取られるならば当然の帰結であった。
しかしながら本作品は、アメリカのみならず現代社会の構造全体への痛烈な批判が込められたものであり、「社会は不条理ものである」と言う観点から見れば、未だ普遍性を持った傑作中の傑作である。
「歩く矛盾」
主演のR・デ・ニーロが29才。M・スコセッシ監督が30才。若い。
不眠のために深夜のタクシー運転手を始めた主人公の日常を追ううちに、彼のするストーカー紛いの意中の女性へのアプローチの仕方と、ベトナム戦争で負った大きな傷跡、深夜のニューヨークに生きる人々を見て世直しをしなければと正義漢のような気持ちで武装し、売春宿を「掃除」し、民主党の大統領候補を暗殺する計画に没入していく様子に、作品中の彼を評する言葉「あんたは歩く矛盾ね」の意味を理解する。そして、その矛盾した行為はすんでのところで英雄行為に転ぶ。
脚本、映像、演技等々、ベトナム戦争後のアメリカ社会を表した作品として屈指の感じがした。
孤独なトラヴィスの白昼夢
たぶん、名誉除隊ではなく、不名誉除隊となったトラヴィス。海兵隊も嘘だろう。兵役にすら行ってないかもしれない。背中にキズはあったけど。嘘をついてないと生きていられない哀れなトラヴィスは虚実の区別がつかないほどイカれちまっている。華奢でハンサムな若いロバート・デ・ニーロだから成立する映画かもしれない。また、廚二病と言ってしまうと身もフタもない。
両親への手紙に国家機密に関わる仕事についているから住所は言えないとか、大統領候補の秘書のベッティと付き合っていると書くあたりは、映画「バッファロー'66」でオマージュされている。ベッティを Sometimes Sweet Susan という二重人格の女のポルノ映画に誘って見事にフラれる。本当にバカな廚二だ。1975年のこのハードコアポルノ映画を劇中映画に選んだのは分裂したトラヴィスの人格を重ねている意味もあるかも。
いちばん恥ずかしいと思ったのは、未成年の売春婦に説教たれること。廚二の天秤の揺れ幅が滑稽過ぎる。それに比べ、堂々として、トラヴィスを完全に見下しているアイリス(若干13才のジョディ・フォスターがすごい)。壁に貼ってあるジミヘンやミック・ジャガーのポスターやサイケデリックな色とりどりのキャンドルのあかりの雰囲気も少女の部屋にいるようだ。
そして、ポン引き役のハーベイ・カイテルの方が断然カッコいい。右手の小指の爪だけ伸ばし、真っ赤なマニキュア。ほかの指は痛々しいほどの深爪。粋な帽子に白のタンクトップ。ギタリストのCharのトレードマークの帽子はハーベイ・カイテルのこのスタイルに憧れて、真似したのかもと思った。
街頭演説会場にわざと目立つモヒカンで現れる。場当たり的で計画性に欠ける行動。シークレットサービスに追われる。そのあとはアパートに逃げ帰り、白昼夢を見ていたのだとオイラは思う。アイリスの両親から感謝の手紙。ヒーロー扱いされた新聞記事の切り抜き。売春宿の廊下の血はケチャップみたいに薄くて、あまりリアルではなかったのには何か意味があったと思いたい。
マーティン・スコセッシ監督は出たがり。黒人に妻を寝とられた乗客のシーン。コンビニで殺される黒人にだめ押しの暴行シーンもイタリア系移民のスコセッシ監督のこだわりだろう。1976年当時はさまざまな反響があったに違いない。
バックミラーに映る夜のニューヨークの街の光と影、悲しげなトランペットの音が幻想的な世界に誘ってくれる。
45年も前の映画だが、全然そうは思えない。ベトナム戦争からの帰還兵というシチュエーションを取っ払っても、違和感なく観れる暗黒時代になってしまったためかもしれない。Sometimes Sweet Susan を観て、ストレス発散したいね。シヴィル・シェパードも素敵でした。
痛々しくて見てられない
タクシードライバーという職種をよく観察していると思うし、確実にこういう反社会分子はいるんだなと思わせられる映画。デニーロは、かなり不安定なキャラクターをうまく表現して、なりきったと思う。この頃からデニーロ・アプローチなんて言う用語が聞かれるようになったんじゃないかと思う。
この映画の中だけでも、ずいぶんと変身していくデニーロは、マフィアになったり、ボクサーになったり、帰還兵になったりと、その都度違う人間を演じ切る素晴らしい俳優だと思う。でも、映画がいいかどうかは別の話だ。
2018.5.19
期待していたほどの作品ではなかった。
映画公開時に話題となったが、観ることもなく50年経過した。ある作家が観るべき映画として、推奨していたので、鑑賞してみた。
さほど、面白いとも思えなかった。大都会でタクシー運転手として働く孤独な若者を描いた映画だ。
善良だが周囲と打ち解けない性格で、この若者がなぜテロ行為に走ってしまうのか。鬱屈した感情を抱えた青年をデ・ニーロは好演している。
安倍元首相を殺害した加害者に通じるものがあるように思う。
驚愕!きみの悪いテロリストの話だった。
64歳で初めて見た。音楽は知っていた。音楽から想像していたのと大分違う話だった。ジム・ジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』みたいな映画だと思っていた。それが、まさかこんな映画だとは。
日本でも最近似た様なテロ事件があったが、この映画はそれを肯定すると言う事か?肯定するのは自由だが、主人公はナルシストで気持ち悪い輩。道徳の教科書みたいな奴が、ベトナム戦争の後遺症を理由にテロを起こし、5人も殺しをして、大団円!めちゃくちゃ!また、女性をポルノに連れて行き、思うようにならず、逆ギレする。つまり、ストーカーみたいな男『かっこいい』なんてどうしたら思えるか? また、テロの被害者なので、同情心から『美しい日本』と言っていた方の方が、正しいのでは。と誤解を与えてしまう。だから、
何を主張したいのか?全く分からない。映像はサイケデリックな汚い映像だし、スプラッターだ。ペドリファイを否定しているが、それが唯一はっきりした主張。気持ち悪い。
若いうちにこんな映画見なくて良かった。もう、二度と見ない。音楽だけで、点を加点したい所だが、噛み締めて聞くと、薄気味悪い音楽かもしれない。
まぁ、アメリカンニューシネマと言われるそうだが、現在、こういった映画を継承した作品は一本もないので、一時の流行りだったのだと思う。だから、この頃の映画(ニューシネマ)は、駄作な映画多いって事。兎も角、この頃はポルノが流行っていた事は覚えている。
スケアクロウ、狼たちの午後、セルピコ、明日に向かって撃て、イージー・ライダー、卒業、時計じかけのオレンジ、さらば冬のかもめ、カッコーの巣の上で みな反ベトナム戦争や、ベトナム戦争に負けたナーバスな雰囲気の中で制作された映画ばかり、本当のベトナム戦争でのアメリカの侵略行為を訴えた映画は一本もない。プラトーン、フルメタルジャケット、地獄の黙示録、ディア・ハンター、キリング・フィールドも同様。アメリカの言い訳映画ばかり。
モヒカンにして、テロを企て、モヒカンで、蛮行におよぶ。それで、めでたしめでたし。なんか脚本も破綻している。完全にネタバレだけど。ネイティブアメリカンをディスっている。どうせなら、顔も黒く塗ればよかったんだ。
タクシードライバーだった今は亡き叔父が『こんな映画見るな』って言っていたのを思い出した。今は亡き従兄弟も『ニューヨークのイエローキャブは安全だょ!デ・ニーロ、こんな映画出ちゃ駄目だ』って言っていた。だから、今まで見なかったのだが、あえて見てみた。彼等の言う通りだった。
但し、付け加えて従兄弟は『イエローキャブは日本人女性と同じ位!安全だょ』って薄気味悪い事を言っていた。そんな事言っていたので、謎の死を遂げた。クワバラクワバラ。
You talkin' to me? の黒歴史(笑)
とうとうこの作品をレビューすることになったです。
私的ランキングに入れるのも憚られる、超ランキングベスト10に入る作品ですよ。
この作品、かなり遅れて名画座で鑑賞の映画でした。当時は地元に5軒の映画館があったです。
今となっては、シネコンに集約されてしまったけれど。全く面白味がないの。全く風情がないの。
味わい深い歴史を刻んだ映画館が多くあったです。
でね、この映画観の初見後って、テーマとか割とどうでもよかったような気がするの。
トラヴィスが銃を買い漁って部屋で弄っているシーンのインパクトが強すぎて。ダムダム弾とか作ってるシーンも。
私も買いましたとも!モデルガンを!S&W M29 6インチだとかM36 2インチだとか、ちっちゃいコルト .25オートっぽいパチモンだとか。ワルサーPPKだけは、お値段高くて買えなかったのね。
して、当然ながら「You talkin' to me?」ってやってたんですよ(笑)
アホの極みの黒歴史ですよ(笑)
ちっちゃいのって、やっぱりやりたくなるじゃないですか、アレを。
腕から“ジャキ―ン!”と飛び出してくるやつを!
でね、私もカーテンレール切って作ったのよ、アレを(笑)
あんな精巧には作れなかったし、誤作動が多かったけれどね。
(よく調べてみると“ジャキ―ン!”はS&Wエスコートらしいですね)
完成したのが嬉しくって嬉しくって学校(当時高校1年生だったかな?)に持って行ってみんなに見せびらかせたの。
学生服の袖から“ジャキ―ン!”って(笑)
したらね、先生に見つかって、あえなく没収ですよ。
そりゃぁそうだ。当然の仕打ちだ。
あとはね、LPレコードも買って「タクシードライバーの日記」をそらで言えるほど丸暗記してたの。
今はもう「メイ、テーンス」しか覚えていないんだけれど(笑)
今になって思えば、鬱屈して歪んだ欲望の捌け口を、凶行に及ばせた過程がめっちゃ怖いです。
映画のお話が怖かったんじゃなくて、リアル現実にそういう人って多そうだから。それが重なって。
この国でもつい先日に、同様の事件があったところじゃないですか。
こちらは未遂じゃなくて、とても残念な悲劇に至ったですけれど。
世の中にはトラヴィス予備軍が、うじゃうじゃいそうな気がして。
実際、米国ではジョン・ヒンクリーによるレーガン大統領暗殺未遂事件がありましたよね。
犯行の動機が、かなりアレなんですが。
笑いごとじゃないので(笑)は付けないのですが…かなり病みきっていますよね。
凶行を思いつかないだけとは言え、私の中にも鬱屈としたものがあるので、ちょっと“だけ”気持ちがわかるような気がして。
一線は越えないし!アレなことなんて、これっぽちも思いつかないよ!
そこで軽~く一線を越えちゃう人も結構いるのが怖いです。
そんな感じ。この映画の感想は。
ジョディー・フォスターがどうたらこうたら、書きたいことは山ほどあるんですが、確実に文字数制限オーバーしちゃうし他のレビュワーさんが語り尽くしていらっしゃるはずなので、私は割愛ね。←こら!
再度観てみると、、
一度目見たときは、なんだこのモヒカン!大統領を殺そうとして、女の子にちょっかいを出して、
勝手に人を殺して、、、、。と思ったのですが、再度見てみると、感想が全然違った。
人の不安定な部分、ベトナム戦争後の暗いアメリカが素晴らしいほどの完璧に描かれている。
やはり傑作。
ちなみに奥さんの不倫にブチギレているのは、監督のスコセッシ。
現実か、幻想か
エンディングは、いつもの冴えない4人組でくだらない話をしていて、髪がモヒカンからナチュラルに戻っている…。全ては社会への鬱憤が溜まったトラヴィスの夢物語だったのね。と思ったら違うか?バックミラーの視線は?解釈が難しい。ジョーカーの元ネタになったというのも頷ける
ベトナム帰還兵がマンハッタンでヒーローを演じる夢想と実行の偶然の産物
「アリスの恋」のマーチン・スコシージ監督の最近作。夫の事故死を切っ掛けに子連れの放浪生活を送る女性を描いた活気ある演出タッチに好印象だったが、今度は何と沈んだムードに落ち着いて、静かに怒り平穏の中で燃えている事か。先ずこのスコシージ演出の個性と吸引力に驚く。
ベトナム戦争の後遺症で不眠症になった若い男トラヴィスが、ニューヨークのタクシー運転手の仕事に就く。映像は夜のニューヨーク、その様々な色彩のネオンサイン、暗く汚れた道路、派手な装飾を施したビルディング、そして自由気儘に生きる夜の群衆を捉え、トラヴィスに何かを起こさせようとする。そう感じさせるくらい、このニューヨークの夜の映像とトラヴィスの孤独が見事に対比されていた。その前に、大統領候補の選挙運動員のベッツィー(シビル・シェパード)に惹かれ、全く紳士的ではない粗野で強引な接近を試み、半ば強制的に交際を始めるところが面白い。その二人のデートにポルノ映画館を選ぶところで、このトラヴィスという男の女性に対する無知を明確に描写している。トラヴィスの生い立ちや戦争で何があったのか、そして何故ニューヨークに住むのかの説明なしでスパッと入って来た未知と謎の魅力。これも確かに映画的だ。
しかし、話が進むほどに謎が増幅し、トラヴィスの行動が解らなくなる。そこに生まれる緊張感がこれまでの映画の語り方とは違う。女性への関心から社会の退廃へ移り、幼いアイリスという売春婦に興味を持ち付き合い、相談相手になり御節介を焼くまでになる。(一つ理解不能だったのが、選挙の路上演説のところへモヒカン刈りのトラヴィスが現れて候補者を暗殺しようとするところ)そして肉体を鍛え上げ、銃を裸の身体に装着する格好に酔うナルシシズム。クライマックスはベトナム帰還兵をマンハッタンの悪の巣窟排除で活躍させ、瀕死の重傷を負いながら現代のヒーローと称える逆転劇にしてしまう。かつて憧れていたベッツィーを袖にするオマケつきだ。この自己満足な結末には驚いた。
ニューヨークの醜い一面を成敗する、ベトナム帰還兵の病的ながら正義感ある想いと、実行に移す衝撃的過激さを描いたスコシージ監督の力作だと思う。孤独な男の姿を強烈に映像に焼き付けた演出は見事と云いたい。ロバート・デ・ニーロの演技も素晴らしい。ただし、予測不可能なストーリーの面白さを最後まで味わっての最後に、作者(脚本・演出)の自惚れも一寸感じる。それを感じなかったらもっと絶賛した思う。
1978年 5月18日 池袋文芸坐
この当時はスコセッシ監督の呼び方は、スコシージだった。今回そのままで敢えて再録しました。淀川長治さんの本の中にも、スターや監督へのインタビュウーで名前の発音を尋ねる場面があります。直接本人に確認すればいいだけの話ですが、昔はある意味いい加減でした。外国の監督にも俳優にも、日本表記が修正されたものが結構あります。
何をやらかすのか目がくぎ付けに
あのR・デ・ニーロが、細く、若いです。普通の人から狂気に変わるベトナム帰還兵を演じます。モヒカン頭に豹変し、拳銃数丁で無言のまま悪党を成敗する場面は、かなり衝撃的です。
大統領候補を狙う意図はなんだったのか、選挙サポータのS・シェパードには当時こんないい役があったのか、J・フォスターはこれでオスカーか、H・カイテルは若い時も相変わらずクセモノか、とか、あちこちにいろいろありますが、何といってもデ・ニーロ氏が、一体次に何をやらかすのか目が釘付けになってしまう映画です。
そんな強烈な演出のM・スコセッシ監督ですが、この映画を観るまでは監督の映画を意識してあまり観ていませんでした。この強烈さにしびれ、これまでの作品を拝見したくなります。
【マーティン・スコセッシ監督がベトナム帰還兵に対する当時のアメリカ政府の処遇及び風潮に対し、強烈な怒りを叩きつけた作品。シニカルな、デ・ニーロスマイルが炸裂した作品でもある。】
ー 若き娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)の姿。ベトナム帰りのタクシー運転手・トラヴィス(ロバート・デニーロ)は自身の境遇も踏まえ、”この国はオカシイ”と思って行く様が、彼の狂気性を煽って行く過程と共に、見事に描かれている。-
◆感想
・ベトナム戦争で、命を懸けて戦って来た男、トラヴィスが久方ぶりに戻って来たアメリカ。だが、そこは腐りきった社会であった。
- タクシー運転手になったトラヴィが乗せた数々の乗客の愚かしき姿。
ある日、少女の娼婦・アイリスがトラヴィスのタクシーに逃げ込んでくるが、ポン引きに連れ戻されてしまう。ー
・トラヴィスが精神的に戦争のダメージを受けている事は、バランタイン上院議員の選挙事務所で働くベッツィー(シビル・シェパード)をデートに誘った際に、ポルノ映画館に連れていく事で、垣間見える。
・だが、彼の正義感は狂気性を帯びながらも、着実に遂行される。
- 身体を鍛え、モヒカンになった彼が、バランタイン上院議員の演説会場に現れる姿。
そして、アイリスがいる娼館での発砲シーン。-
<今作での、ヴァイオレンスシーンは観るのはキツイが、私は全面的に肯定する。
何故ならば、トラヴィスの行為はベトナム戦争で多大なる犠牲を払った米国の下層階級及びベトナムの人民への鎮魂歌であると思ったからである。
更に言えば、今作はロバート・デ・ニーロの万民を魅了する不可思議な笑顔(口角は上がっているが、冷たい目は笑っていない・・。)が印象的な作品である。
今作は、マーティン・スコセッシ監督がベトナム帰還兵に対する当時のアメリカ政府の処遇及び堕落し切ったアメリカの風潮に対し、強烈な怒りを叩きつけた作品でもある。>
■その他
・30代後半、仕事で居住区の大都会で飲む機会が良く有った。
終電がない事も多く、良くタクシーを利用させて頂いたが、同乗させた部下の言動でその人物の品性が良く分かった。
特に、年配の運転手さんに対しての言葉遣い・・。
人間の品性は、タクシーの中でも伺い知れる事を学んだモノである。
デニーロとフォスター
タクシー運転手(ロバート・デ・ニーロ)は世の中に不満を持っていた。
あるきっかけから暴走するのだが・・・。
大人の美女はシビル・シェパード、美少女はジョディ・フォスターでとても魅力的。
男気!
観よう観ようとやっと観た映画。
平凡なタクシードライバーが振られたことによって変貌していくさまは、
正義の味方と思いながらもデ・ニーロさんのオーラは恐怖(・・;)
最後ヒーロー扱いされるとは想像つかなかった。
彼女も戻ってきたし一応ハッピーエンド(^_^;)
振り上げた拳
これは怒れる男の話だ。
ベトナム戦争は敗北だった。
だが、本土の人々は敗戦だなんて思ってはいない。
上手く行かなかった位にしか思っちゃいない。
敗残兵はトラビスただ1人だ。
戦争で得た物は後遺症だけ
他者との距離も分からない。
たまに遭遇する帰還兵もベトナムを忘れ
社会に帰ろうとしており
仲間に会えたと歓喜するトラビスに困惑しか無い。
これは、社会から孤立した男が振り上げた拳の先を探す映画だ。
大統領候補暗殺の動機も「たまたま目に付いた」から。
暴力を行使出来るなら理由は何でも良かった。
破滅願望の男が結果的に英雄となり社会の称賛を浴びるラストは
恐ろしさを感じる。
無差別殺戮に走る輩が選んだ先で極悪人になったり英雄に祭り上げられたりは
実際に起こる事なのだろうと思った。
アンニュイなカタルシス
予想よりも暗くは無いし、ドロドロもしていない。かと言って、明るくもカラッともしていないが、なぜか何度も観たくなる。
トラヴィスの勝手な思い込みが一途に見える錯覚によって、歪んだ形ながら報われる展開を産む。
少なくとも、同僚からは阻害されてないあたり、朝の来ない夜と止まない雨が彼のこれからを暗示していて切ない。
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