誰が為に鐘は鳴る(1943)のレビュー・感想・評価
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今を生きるために、命の炎を燃やせ
上記がヘミングウェイ作品に共通するメッセージのように思う。 つい一月ほど前に本で読んだが、割と忠実に再現していた。 人を殺すことに躊躇するアンセルモの苦悩や、主人公ジョーダンに死に際の 逡巡などは、本の方が伝わってきた。。 映画では、山岳地帯の恋愛としか捉えられない方も多いと思う。 是非、本で読んでください。
若い頃の、主人公の彼女への別れの言葉への違和感が思い出されたが…
NHKの放映戦略か分からないが、 「100分de名著」で ヘミングウェイスペシャルが放映された後に この作品の放映があったので 数十年ぶりかで鑑賞。 劇場ではなく多分以前もTVだったと思うが、 キスに鼻が邪魔になるとのエピソードや ラストの主人公の機銃掃射の映像を 印象的なシーンの映画として記憶していた。 全般的には山岳ゲリラのリーダーの 動きに振り回される部分や、 別のゲリラグループの登場と戦い・全滅の エピソードの必要性が分からなく、 総じて作品自体が冗長に感じ、 原作がどうなのかは分からないが、 上手い演出とは思えない作品だった。 キネマ旬報では誰からの1票も 入らなかったのは当然に思えた。 全般的には今回も同じ印象だったが、 特に、若かりし頃に違和感を感じたのは、 ラストで主人公の彼女に語る言葉だった。 確かに涙誘う台詞ではあるが、 「いつも君と一緒だ」や 「離れても心はひとつだ」では、 彼女の彼への想いが足かせとなって 彼女の将来の幸福獲得への 障害になるばかりではないかと、 若気の至りで当時は反発を覚えた。 ここはむしろ「君のことはもう眼中に無い」 とか、自分を忘れさせるための突き放す 言葉の方が彼女のためになるはずだ、と。 しかし、今回は迷いが生じた。 どんな酷い言葉だろうが、 それが彼の真意ではないと 彼女は悟るだろうし、 彼の優しい心に触れた彼女が、 それを糧に力強く生きていく とも想像出来たので。 若い時とは異なる、 老齢の境地の成せる感性だったろうか。
キスで邪魔になる鼻の持ち主
劇場でイングリッド・バーグマンのアップに、心を鷲掴みにされた記憶がある。 1937年のスペインで、フランコ政権に反対するゲリラ活動に身を投じていたアメリカ人(ゲイリー・クーパー)は、戦略的な要所の橋を爆破スべく、地元のゲリラと接触する。 その中にショートカットの美しい娘(イングリッド・バーグマン)がいた。 1943年にこのレベルの映画を作っていたんだ。
橋の爆破ミッションでゲリラに協力を求めたGクーパー教授。作戦変更と...
橋の爆破ミッションでゲリラに協力を求めたGクーパー教授。作戦変更となってしまい最終的にはゲリラを助ける事になった話と、戦火の恋の話。ラブストーリーというほどでもなく、鼻と鼻をどうしたらの場面も大した事ない。別に何も感じなかった。 仲間同士でのゴタゴタのほうが話にしめる割合が大きい。 俺は絶対キレないぞ。殴られる、効果音の繰り返しから、ピラーがパブロ武勇伝を語る場面は良かった。 スペイン内戦に参加したヘミングウェイの経験に基づく話だから、戦争中の正気でない人間の怖さがでてる。内輪揉めですぐに殺す殺さない会議。 ストーリーはわかりやすったけれどそんなに名作とも思えず。ラストもよくなかった。
恋する女の眼演技ではバーグマンの右に出るものはないかな…
子供の頃にテレビで良く観た映画のひとつ。スペイン内戦を恋愛映画にしてしまう典型的なハリウッド映画。今となってはあの女の子役にはバーグマンは年取りすぎだと分かるけど、やはりゲーリー・クーパーの顔を見上げながら必死に愛を探すバーグマンの眼演技は忘れられません。
キスの仕方がわからないの。鼻が邪魔だわ。
冒頭から列車の爆破だ。明らかに模型とわかるので迫力はないけど、次の目標である鉄橋は壮大で美しい。 橋の近く、山間に住む8人のゲリラ。リーダー格のパブロはやがて女リーダーのピラーにその座を奪われてしまう。アメリカ人ロベルト(クーパー)は娘マリア(バーグマン)とお決まりのように恋に落ちる。「キスの仕方がわからないの。鼻が邪魔だわ」 橋を爆破するのに反対するパブロ。スペイン内戦当初は尊敬に値するほど勇敢な男だったのに、今は飲んだくれ。皆から「殺せ」と言われるほどだったのだ。そして5月だというのに雪が降ってきた・・・爆破計画はどうなるのか・・・ 仲間割れとなるかと思ったら、なんとか計画を実行できた。しかし援軍に届けた手紙はやや遅かった。彼らだけでの実行。戦車がやってくる。ファシスト兵は大勢。しかも起爆装置はパブロが壊してしまった・・・あとは撤退するだけとなったのに、ロベルトだけが爆撃を喰らってしまう。マリアに先に行かせるロベルトの心情。あぁ苦しい・・・ バーグマンの美しさはファシストに髪を剃られ、暴行を受けたことによってますます磨きがかかったのか。3日間の恋なのに人生すべてをかけるよう。甘ったるいけど、尽くすタイプ。
山岳ゲリラの肝っ玉女ボス役のカティーナ・パクシヌーが凄い
ご存知ヘミングウェイの超有名小説の映画化 といっても内容は高尚な文学作品ではなく、大まかに言って戦争アクション物ですから気楽に見れます 見所はゲイリー・クーパーと、イングリッド・バーグマンの二大スターの共演でしょう 主人公ゲイリー・クーパーはインディジョーンズをちょっと10歳程老けさせた感じで、さすがに二枚目スターだけに格好は良いのですがやはり中年感は否めません しかし、イングリッド・バーグマンは輝くばかりに若く美しく見事なヒロインぶりです 彼女が監督の自宅にヒロイン役の短髪姿で乗り込んでこの役を獲得したとか、後年イタリアにロッセリーニ監督の下に走ったエピソードを予感させるような話です 単に役者魂だけでなく、スペイン内線の反ファシズム映画として参加したかったようにも思えます それはさておき、彼女の飾り気のない健康的な笑顔は役柄にぴったりで本作の成功は彼女の配役で半分はあると思われます ヘミングウェイも彼女しか考えられないと言ったとか そしてあと半分の成功要因は、山岳ゲリラのボスの女房にして実質的に本当のボスの中年女性ピラー役のカティーナ・パクシヌーです 彼女の存在感と役柄への説得力は半端ではありません 成る程アカデミー賞の助演女優賞を獲っています ジブリアニメのラピュタに出てくる空賊の女ボスの元ネタはきっと本作の彼女のイメージでしょう 脚本もこなれていて2時間半強ありますがだれることなく楽しむ事ができます ぜひカティーナ・パクシヌーの熱演と短髪のイングリッド・バーグマンの美しさをご堪能下さい
イングリッド・バーグマン・・
スペイン内戦が舞台。文豪ヘミングウェイの作品が映画化。歴史的な話しになるが、当時のスペイン共和政に反発する軍のクーデターが起こり、国を二分する内乱になったようだ。また欧州全体にその流れが勃発して第二次世界大戦が始まったらしい。映画では山岳に潜むゲリラ隊とアメリカの学者が手を組んで鉄橋の爆破を実行する。後はネタバレになるので映画をご覧になってのお楽しみ・・1943年のアメリカ映画。デジタル映像でカラー化された作品。
ワールドプレミア上映版を鑑賞。ヘミングウェイの名作。この邦題が抜群...
ワールドプレミア上映版を鑑賞。ヘミングウェイの名作。この邦題が抜群にかっこよい、訳した人のセンスに尊敬。 恋のお話。手相の件とかで結末は予想できてしまうのですが、やはりラストシーンがいいですね。この為に長い時間見てきた、この為だけに…そんな映画です。 絶世の美女と心酔してきたイングリッド・バーグマンだが、今回はさほどときめかなかった。なぜだ?髪型か、カラー補正か、演じた役柄がやや積極的すぎたのか。しかし、やっぱり笑顔は最高にキュート。 恋バナでバーグマン主演なのに評価はイマイチなんですね、この作品。なぜだ?
名作っちゃ~名作。
戦争物だけど人間関係も少し複雑で所々コメディーチックもあり当時の映画にしては戦争ドンパチだけじゃなくこの映画の深味みたいのを感じる。男女の嫉妬するシーンは戦争物語ではほのぼのします。ただロマンスシーンはしっかり描かれてるのに任務の作戦シーンは適当感があるのでそこらへんもしっかりしてくれれぱ観る側も恋愛、任務への気持ちを切り返しが出来たのにと思いました。
有名作品なのだけど
総合:60点 ストーリー: 60 キャスト: 70 演出: 60 ビジュアル: 65 音楽: 60 命懸けの任務と、戦場に咲いた一輪の花との悲恋。ゲイリー・クーパーが演じるロバート・ジョーダンが初めて会う協力者たちがそれぞれに背景を背負っていて、任務の遂行に忠実とは限らない部分などの設定は良く出来ている。正規の軍隊ではないし混乱した社会では、このような人々をそれぞれ見極めるというのも重要で、それが物語に彩りを添えていた。 とはいうものの、時代が古い作品のせいなのか、戦場にメロドラマを持ってきて焦点がぼやけたせいか、その知名度からくる期待度ほどには面白いとは思わなかったのが正直な感想です。なんというのだろうか、真面目に作っている質の高い映画ではあるのだろうが、私には見ていてあまり緊張や感動や興奮がありませんでした。 製作は第二次世界大戦真っ只中の1943年。このような時代ならば、映画は自分の国を持ち上げて敵国を貶めるようなものになりがち。確かにこの映画の主人公は連合国側であるしファシストたちは悪く描かれてはいる。だがあまりに一方的な描き方になっていないのは、作品の品位を貶めることなく保っているように思えた。当時の日本ならばいくら有名小説の映画化といえども、日本万歳、鬼畜米英殲滅のようなものになっていたんじゃないかな。 有名作品なのでたくさんアカデミー賞をとっていると思い込んでいたが、受賞は助演女優賞のみなんだそうです。クーパーとバーグマンという有名俳優二人の出演だが、確かに気の強い妻のピラー役を演じたのカティナ・パクシヌーが良かったように思います。セットとかはこの時代にしては頑張っていると思うし、何より天然色で撮影しているのは立派。
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