スラム砦の伝説

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スラム砦の伝説

解説

予言に従い、生きたまま砦に埋め込められた中世グルジアの伝説に基づくこの映画は、彩色写本や中世のイコンから現実に踊り出たような謎めいたシークエンスで綴られる不思議なパノラマ。監督は、「火の馬」「ざくろの色」「アシク・ケリブ」のセルゲイ・パラジャーノフ。共同監督のダヴィッド・アバシーゼは、パラジャーノフの幼な友達であり、グリジア共和国人民芸術家の称号を持つ俳優でもある。また、ペレストロイカによってパラジャーノフの生涯初めての公式プレミアが1985年のモスクワで行われた作品としても記憶される。

1984年製作/83分/ソ連
原題または英題:The Legend of The Suram Fortress
配給:シネセゾン
劇場公開日:1991年7月20日

ストーリー

度重なる敵の侵入のため多大な戦死者を出していた頃のグリジア。皇帝は民との平等を宣言し、祖国を護る砦の建設に立ち上がった。だがトビリシの南門のスラム砦だけは、何度建造してもすぐに破壊されてしまう。スラム砦建設はグリジア民族の宿願となっていた。奴隷から解放されたドゥルミシハンには、ヴァルドーという恋人がいた。しかし、公爵に騙されたことを知るとすべてを捨て、放浪の旅に出る。彼は隊商を率いるザリカシヴィリと出会い、彼の懴悔を聞かされたことをきっかけに、隊に加わり、成功して妻を娶った。一方、恋人に捨てられたヴァルドーは悲嘆に暮れ、占い師の老婆のもとへ行き、みずから跡を継いで占い師になっていた。そこへドゥルミシハンの妻が、生まれる子供の性別を占いに来た。ヴァルドーハ男児であると予言した。運命の悪戯なのか、その時に生まれたズラブが、時を経て彼女のもとへ来て、砦再建の方法をたずねた。彼女の予言は、青い眼の美しい若者の人柱を砦の壁に埋めろというものだった。

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