スタア誕生(1937)

解説

「沙漠の花園」に次いでデイヴィッド・O・セルズニックが制作したテクニカラー映画で、色彩デザインもカメラも「沙漠の花園」同様L・C・ホルデンおよびハワード・グリーンがそれぞれ担当した。主演は「四つの恋愛」「小都会の女」のジャネット・ゲイナーと「復活(1934)」「ダアク・エンゼル(1935)」のフレドリック・マーチで、「オーケストラの少女」「銀盤の女王」のアドルフ・マンジュウ、「妻と女秘書」のメイ・ロブソン、「オペラ・ハット」のライオネル・スタンダー「ビック・ゲーム」のアンディ・ディバイン、新顔のエリザベス・ジェンス等が助演している。監督は「小都会の女」「ロビンフッドの復讐」のウィリアム・A・ウェルマンで、ストーリーはウェルマンがロバート・カースンと共作し、脚本はカースンがドロシー・パーカー、アラン・キャンベルと協力して書いた。

1937年製作/111分/アメリカ
原題または英題:A Star is Born

ストーリー

北ダコタの寒村に生まれたエスター・ブロジェットは、夢見がちな乙女心に銀幕のスターを憧れていつも映画雑誌を手から離したことがなかった。愚鈍な田舎者の父親、腕白者の弟、うるさい叔母のマテイなどの中で、若い頃この地方の開拓者であったレティー祖母さんだけが、彼女の望みを理解し力づけてくれるのだった。そしてある時、エスターは祖母さんに勇気づけられた上、貯金をもらって夢の国ハリウッドへスターを志して出発した。しかしハリウッドで彼女を待っていたのは就職難だけだった。エキストラの日さえもなく持ち金も残り少なくなったころ、安宿で知合った人の良い助監督のダニイの世話である映画関係の宴会にお手伝いとして雇われた。その席で彼女は大スターのノーマン・メインに会った。この有名なスターは飲酒癖のため名声を落とそうとしているので、プロデューサーのナイルスはいろいろと心配しているがききめはなかった。ノーマンは美しいエスターを見ると、同伴していたアニタの嫉妬も構わず彼女を家まで送ってやった。そしてエスターの夢が実現するときがきた。ノーマンの紹介でテストを受けた彼女は、ビッキィ・レスターの芸名で華々しく映画界に登場した。次いでノーマンと彼女の結婚が披露されたが、蜜月旅行の途中から呼び戻されたほど彼女の人気は高まっていた。だがノーマンの飲酒は依然として止まず、地位も名声も次第に低まるばかりだった。その年のアカデミー演技賞がレスターに授与される席上へ、ノーマンは酔った勢いで自暴自棄の醜態を見せるようになっていた。ついに彼は療養所へ送られて疲れた体を治すことになり、映画界からは完全に忘れられて、ただレスターの優しい愛情とナイルスの友情に守られるのみになった。ようやく退院した彼は宣伝部長リビイに罵倒されたことから再び自棄を起こして警察に留置されたが、れすたーは彼の保釈を願って優しく介抱した。彼女はノーマンの健康を盛り返すために自分は引退使用とまで決心してナイルスに相談したが、隣室で漏れ聞いたノーマンはその夕方妻に淋しい微笑を見せて海岸へ遊泳に出たままついに再び帰らなかった。身も心も打ちひしがれたレスターは元のエスターに返って田舎に引き上げようとしたが、その時祖母レティーはハリウッドに現れて彼女を励ました。やがて華々しく返り咲いたレスターは新作の試写会の夜、マイクを通じて全国のファンに「私はノーマン・メイン夫人です」と涙ながらにあいさつするのだった。

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マサシ