劇場公開日 1950年11月14日

「企業研修の教材として使われた映画」頭上の敵機 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0企業研修の教材として使われた映画

2021年5月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

興奮

知的

本作は、第二次大戦下、イギリス駐屯のアメリカ陸軍航空隊(B-17爆撃隊)の物語。
実在の人物やエピソードを散りばめた秀作。

いわゆる「戦史」「ドッグファイト(空中戦)」
に重きが置かれず、
リーダーシップ、つまり、

・組織の束ね方
・士気のあげ方
・人材配置
・個人ごとの接し方(育成)
・規律と休養(緊張と緩和)

など、平時の企業でも役立ちそうなテーマで
見るものを引っ張ってくれる。
演出、演技も戦時下の緊張感をよく表現していて、
安っぽい「青春群像シーン」もなく、
硬派な作りとなっていて私好みである。

ラストに向かうシーンは秀逸な展開で、
グレゴリーペック演じる厳格な准将も、
実は、一人の弱い人間であったことが
迫真の演技で表現され、静かに胸を打つ。

シーンとしては順番前後するが、
解任した前指揮官(友人でもある)との会話、
部隊再建への助言を求めるが
結局は、自分とは考えが相容れない、
とグレゴリーペックは強弁する。
これが、ラストシーンへの伏線として
効き目が絶大だった。

企業研修の教材として使用されたことも
うなづける。

Haihai