白い足

劇場公開日:

解説

人間嫌いの伯爵と彼を囲む人々の姿を描く人間ドラマ。全編にバロックの風味をキかせている。監督は「この空は君のもの」のグレミヨン。最初はシナリオを担当したジャン・アヌイが監督するはずだったが、急逝したため、代わりを努めることになった。音楽は一九三〇年にローマ賞を受賞した女流作曲家のエルザ・バレーヌ。撮影はフィリップ・アゴスティニ。美術はレオン・バルザック。

1948年製作/フランス
原題または英題:Pattes Blanches
配給:シネカノン
劇場公開日:1993年6月12日

ストーリー

ブルターニュにある小さな港町には、酒場の主人ジャック(フェルナン・ルドウ)とその情婦のオデット(シュジ・ドレール)がいた。ジャックはオデットに何でも買い与え、オデットもわがまま放題に暮らしている。酒場には他に、ミミ(アルレット・トマ)という猫背の女給がいた。彼女は、村の嫌われ者“白い足”を慕っている唯一の人間だ。“白い足”とは、ケリアデック(ポール・ベルナール)伯爵のことで、いつも白いゲートルをはいているため、そんなニック・ネームがひそかにつけられていた。オデットは、貴族への憧れと嫉妬から、店に来るケリアデックを誘惑する。ケリアデックは、たちまち彼女にうつつを抜かすが、モーリス(ミシェル・ブーケ)という義理の弟も時を同じくして、オデットに接近していた。モーリスはケリアデックをオデットと共謀して殺そうと企んでいたのだ。それに気付いたケリアデックは、失意のあまり、オデットを殺してしまう。深く傷ついた彼は自らの命も断とうとするが、ミミの献身的な愛情に出会い、自首をする。

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