「これぞ娯楽大作の決定版! 映画の未来はここから始まった🦖✨」ジュラシック・パーク たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ娯楽大作の決定版! 映画の未来はここから始まった🦖✨
恐竜パニック映画の金字塔、『ジュラシック・パーク』シリーズの記念すべき第1作。
DNA操作により蘇った恐竜たちを展示するテーマパーク、「ジュラシック・パーク」内で巻き起こる惨劇が描かれる。
監督は『インディ・ジョーンズ』シリーズや『E.T.』で知られる巨匠、スティーヴン・スピルバーグ,KBE。
カオス理論の専門家、イアン・マルコム博士を演じるのは『アニー・ホール』『ザ・フライ』のジェフ・ゴールドブラム。
パークのチーフエンジニア、アーノルドを演じるのは『星の王子ニューヨークへ行く』『グッドフェローズ』の、後のレジェンド俳優サミュエル・L・ジャクソン。
第66回 アカデミー賞…音響賞、視覚効果賞、音響編集賞の3冠を達成👑👑👑
第17回 日本アカデミー賞…最優秀外国作品賞を受賞!
第36回 ブルーリボン賞…外国映画賞を受賞!
言わずと知れた大ヒット作!
どれだけヒットしたのかと言うと、製作費6300万ドルに対し興行収入は驚異の10億3000万ドル!💵💰
製作費の16倍以上の興行収入を叩き出し、当時の歴代興行収入ランキングの1位を獲得した(本作の登場まで『E.T.』がNO.1だった。スピルバーグ恐るべし…😨)。
勿論何度となく鑑賞しているわけだが、真面目に見返したのはすごく久しぶり。
いやぁ、改めて見返してもやっぱり面白いわコレ…!
映画の冒頭から最後まで、退屈なところがない。
ワクワクしてハラハラして、時々ホロっと涙して、ヒェ〜と怖がって、ウヒョ〜と興奮させてくれる✨
子供からお年寄りまで楽しめる娯楽映画としては、完璧な作品ではないでしょうか。
とにかく、制作陣が心から恐竜と映画を愛しているのが伝わってくる。
見返して気づいたのは、本作には銃を恐竜に向けて発砲するシーンが一つもないということ。
もしもこの映画の主人公がブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツェネッガーだったら?
当然恐竜をぶっ殺しまくって物語を進行させただろう。
しかし、本作はそういった80年代的なアクションを過去に追いやった。
アメリカ的マッチョイズムは本作には存在しない。主要な登場人物は一人残らずオタクである。
銃や筋肉に頼るのではなく、知識と機転を用いて脅威に対抗するというのはその後の大衆作品に広く影響を与えたように思う。
そして何より、愛しい恐竜たちを銃なんて無粋なモノで傷つけたくない!という製作陣の思いが伝わってくるような気がしてくる。
勿論本作には恐竜たちの恐怖が描かれている訳だが、決して彼らを悪役にはしていない。
どれだけ恐ろしい目にあっても、主人公のアランもティム少年も恐竜を愛する気持ちは失わない。
Tレックスに襲われた直後にも拘らず、ブラキオサウルスに目を輝かせる2人の姿は美しい。
恐竜を恐れるレックスに対し、彼らは怪物じゃない、理由もなく恐れてはいけないと諭すアランの姿は何処までも無垢で慈愛に満ちている。
愚直なまでの恐竜への愛情、言い換えれば好きなものへの情熱が本作に通底するテーマであり、それはスピルバーグの映画への愛情が反映された結果のように思える。
本作における恐竜は「映画」のメタファーなんだろう。
子供のように無邪気にはしゃぎ回るオーナーのハモンド。彼の姿はほとんどスピルバーグ本人であるように自分の目には映った。
作りたい映画を作る。CGIなどの最新技術も貪欲に取り入れ、誰も観たことのないような映像を目指す。
世間からの批判は気にしない、というより批判される事など全く想像もしていないようだ。
当時は娯楽映画の監督という立ち位置だったスピルバーグ。ヒットメーカーではあるが、業界関係者により選ばれるアカデミー賞とは無縁だった。
つまり、スピルバーグは業界内では低く評価されていたということだろう。
娯楽大作ばかり作っていては、映画監督としては評価されない。そのことはわかっている。アカデミー賞は欲しいが、俺に作れるのは、そして俺が作りたいのは観客をハラハラドキドキさせる娯楽映画だけなんだ…。しかし、このままで良いと思っているわけでは…。
という葛藤が、この映画においてハモンドが数学者マルコムに批判される場面に表れているようだ。
あんたの作る娯楽映画は、芸術に対するレイプだ、と。
このような自己批判と、それに対するアンサーとして『シンドラーのリスト』を本作と同年に公開したのだとするならば、まさにこの1993年はスピルバーグ革新の年といっても差し支えないだろう。
この後、スピルバーグはしばらく娯楽映画からは距離を置き、『アミスタッド』『プライベート・ライアン』『A.I.』と言ったドスンと重たい作品を手がけるようになる。
ちょっと話がズレてきてしまった💦
要するに、スピルバーグの映画愛がビンビンに感じ取れるから本作は素晴らしいっちゅーことです。
アラン博士、エリー博士、マルコム博士。基本的にみんな好奇心の塊みたいな人たち。
散々ハモンドを批判しておいて、その後のツアーでは目を輝かせて「Tレックスどこどこ!?」みたいなテンションになっているのが微笑ましいし笑っちゃうところ。
ただ、気になる点もある。
というのも、そのピンチ必要?と言いたくなるような展開がチラホラと…。
恐竜に襲われるというピンチは良いんです。でも、高い木にぶら下がった車から降りるところとか、電気柵を登って乗り越えるところとか、恐竜に関係ないハラハラシーンは正直不要だと思う。
そんなんやる暇があるなら、もっと恐竜をみせてくれよ。
他にも細かいところで気になるポイントは何点かある。
ネドリー1人にセキュリティの権限与えすぎだろとか、もっと警備員の人員を増やせよとか。
アラン博士とエリー博士はわかる。しかしマルコム博士、この人呼ばれた意味ある?後半ほとんど出番ないし。何故カオス理論の専門家のお墨付きが必要なのか、コレガワカラナイ…。
とまあ重箱の隅をつつくような指摘はいくらでも出来るんだけど、そんな事観ている最中は気にならない。まさにジェットコースター的アトラクション映画!
映像も30年近く前の作品とは思えない。CG綺麗。
そして恐竜のアニマトロニクスの素晴らしさ🦖
トリケラトプスなんて、本物にしかみえないっす。
下手にCGにばかり頼らず、ちゃんとロボットも駆使しているからこそ、圧倒的なリアリティが映画に生まれているんですね。
今では当たり前になった映画におけるCGIも、本作から本格的に始まった。
まさに映画のカンブリア爆発や!💥
ただただ純粋に面白い、娯楽映画の決定版です!!
最後に一点。
本作はとにかく吹き替えが素晴らしい♪
富山敬さんや永井一郎さん、大塚芳忠さん、弥永和子さん、納谷六郎さん、梁田清之さん、桜井敏治さん、田中信夫さん…etc。そして坂本真綾さんの子役時代の演技も楽しめる!
ぶっちゃけ本作を吹き替え以外で観たことないし、観る必要もないと思っている。
完璧な吹き替え、お見事です!
…懐古主義者は嫌われるというが、こと洋画吹き替えに関してはもう100%昔の方が良い。
一体誰が玉木宏や木村佳乃、オリエンタルラジオの吹き替えなんて聴きたがる………ン?…あぁ、おいやめろよせ…ウワァーーー!💥💥💥🦖🦖🦖
ぷにゃぷにゃさん、コメントありがとうございます😊
リアルタイムで鑑賞されたんですね!羨ましいです〜😆
当時はまだパソコン通信とかの時代ですもんね。
それなのに、子供ながらにバリバリとパソコンを使いこなすレックスはすごいです!
しかし、子供にレックスっていう名前(愛称?)をつける親も凄いですよね😅
私、公開時に映画館で見ました。
すっごく怖かったですよ。
恐竜は圧倒的に強いですもん。
しかも、頭のいいヤツらが、複数で協力し合うという…。
しかし、一番印象に残っているのは、「UNIXなら使える」という、レックスのセリフです。
パソコンが普及し始めたくらいの時代に、こどもが専門的なコンピュータを使えるのかいっ!
と、突っ込みたくなりました。