私生活のない女

劇場公開日:

解説

パリの裏町を舞台に女優志願の少女が映画撮影を通じて経験する人間との特異な関わりを描く。製作はルネ・クレトマン、監督は“Possession”のアンジェイ・ズラウスキ。ドミニク・ガルニエの原作を基にガルニエとズラウスキーが脚色。撮影はサッシャ・ヴィエルニー、音楽はアラン・ウィスニアック、編集はマリー・ソフィー・デュビュ、美術はボーダン・パクゾウスキーとクリスチャン・ジレが担当。出演はフランシス・ユステール、ヴァレリー・カプリスキー、ランベール・ウィルソンなど。

1984年製作/フランス
原題または英題:La Femmes Publique
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1985年2月22日

ストーリー

20歳のエテル(ヴァレリー・カプリスキー)は、女優志願の魅力的な女の子。生活のために、ピーピングスタジオで写真のモデルのような仕事をしている。映画のオーディションの際に新人監督のリュカ・ケスリング(フランシス・ユステール)に注目され、ドストエフスキーの『悪霊』を脚色した新作のリサ役に抜擢される。才能はあるが、エキセントリックでナルシスティックなケスリングは、異常な情熱をもって、この作品に取り組んでいる。そんな彼に惹かれるエテル。ある朝、ケスリングの部屋で目覚めたエテルは別の部屋で女の声がするのを耳にした。姿は定かではないが、金色の靴をはいていることがわかる。そして戸棚にあったバックの中からチェコ女性のパスポートを見つける。それから間もない日、テレビのニュースで身元不明の金色の靴をはいた女性の死体が発見されたことが報じられた。ケスリングに疑惑を抱いたエテルは、ホテルの調理場で働くミラン(ランベール・ウィルソン)という男を訪ねる。彼はチェコからの亡命者で、ある理由でケスリングにかくまわれている人物であった。パスポートの女性は彼の恋人であり、ケスリングとも関係の深かったエレナという女優であることをエテルは知る。そんな折、芝居の才能がないとケスリングに非難されたエテルは、世捨人のような無味乾燥な部屋に住むミランの部屋に逃れる。だが、ミランはエレナのことが忘れられない。エテルはいつしかエレナの身代りを引き受けるがごとく、ミランの心に侵入していった。再びヌードモデルの仕事に就き、夜はミランとパリの街を遊び歩く。テレビではリトアニアの大司教スカラバスの暗殺場面を映す。エテルは、その画面に、ケスリングの顔とピストルを握った男の手を認めた。その日、ミランの部屋は、ケスリング率いる男たちによって荒らされた。あの手がミランだったことを確信したエテルは、彼を捜し出すため街へと出る。ミランへの愛を通じて自分が演じるべき女性であることを自覚したエテルは、本物の女優に変身していた。映画の現場に戻るエテル。TVニュースでは、ミランの無惨な死を報じていた。撮影は、ケスリングの演じるスタヴローキンの自殺のシーンが行なわれている。首をくくったのは、スタヴローキンかケスリングか……。

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