「こ、こあい。。。」地獄の黙示録 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
こ、こあい。。。
ゴッドファーザーで成功を収めたフランシス・フォード・コッポラ監督が、映画化不可能と言われたジョセフ・コンラッド原作の「闇の奥」を手掛けた。原作はアフリカを舞台に金の採掘会社で働く男の物語だったが、これはその骨格をベトナム戦争に当てはめたもの。ちなみにこの映画の撮影当時は実際にベトナム戦争中だった。
そんな中でフィリピンロケで戦争の狂気を描く。撮影中に主役を降板させたのが不運の始まりか、ロケ地に竜巻は襲うわ、製作費は底をつくわ、しまいには主役代役のマーティン・シーンは心臓発作を起こすわの災難つづき。コッポラさん、かなり神経いってたようで、これのメイキング映画では、銃をこめかみにつけるコッポラ氏の写真まで見れる。(わたくしの解釈では、これはたぶん半分嘘。)
そんな状況下で撮影しただけあってこの映画に流れる戦慄はすさまじいものとなっています。なんていうか、画面から何か出てるんですね、怖いものが。そして締めのマーロン・ブランドがこれまた怖い。「ベトナム戦争映画史上、最高にして最大の失敗作」と言われたらしいが、たしかに解釈的にはコンラッドの原作をベトナムに合わせるのは無理があったのかもしれない。それでも人間の狂気をここまでまざまざとリアルに引き出した本作は、やっぱり映画史上に残る傑作だと思います。
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