シェフとギャルソン、リストランテの夜
劇場公開日:1997年4月12日
解説
イタリア人の移民兄弟が開いたリストランテ(レストラン)を流行らせるために奮闘する様を描いた人情喜劇。共同監督・共同製作は「死の接吻」などの個性派俳優スタンリー・トゥッチで、脚本も従兄弟で本作がデビューとなるジョゼフ・トロピアーノと共同で執筆。「ミセス・パーカー/ジャズ・エイジの華」の俳優キャンベル・スコットが共同監督・共同製作としてクレジットされ、出演もしている。製作は「ブロードウェイと銃弾」のジョナサン・フィリー。撮影は「アディクション」ほかアベル・フェラーラ作品で知られるケン・ケルシュ。出演は「アダムス・ファミリー2」などのトニー・シャループ、「スリーパーズ」のミニー・ドライヴァー、「裸のランチ」のイアン・ホルム、「フューネラル」のイザベラ・ロッセリーニほか。
1996年製作/109分/アメリカ
原題または英題:Big Night
配給:シネマテン配給(日本ビクター=シネマテン提供)
劇場公開日:1997年4月12日
ストーリー
50年代。ニュージャージーの小さな港町。本格的なリストランテ「パラダイス」を経営するのは、職人肌の料理人の兄プリモ(トニー・シャループ)と、営業と経理担当の弟セコンド(スタンリー・トゥッチ)のイタリア移民兄弟。だが客は普通のアメリカ人ばかり、プリモの自慢のリゾットではなく、スパゲティーかミートボールを頼むだけ。頑固なプリモは「客の好みにあった食事を出せ」というセコンドの要求にも耳を貸さず、自慢の一品ばかり並べるので客足は引く一方。人々は向かいにあるパスカル(イアン・ホルム)が経営するリストランテ「パスカルズ」につめかけているのだ。パスカルは兄弟を雇いたいと野心家で目はしが聞くセコンドに持ちかけるが、彼は一徹な兄が承知するわけもないと考えて返事を保留。一方、プリモも弟には内緒で、叔父パオロと相談して故郷に帰る話をしていた。そんな折り。パスカルは兄弟に、自分の友人のイタリア系作曲家ルイ・プリマを「パラダイス」に食事に招待してみないかと提案。兄弟は「プリマの口込があれば成功できる」と確信、貯金をはたいて晩餐会の計画を立てる。招待されたのはパスカルはもちろん、彼の愛人で、実はセコンドとも密会している「パスカルズ」の支配人ガブリエラ、セコンドの長年の恋人フィリス(ミニー・ドライヴァー)をはじめ、プリマがこっそり惚れている花屋のアン(アリソン・ジャニー)、床屋のアルバート、八百屋のチャビー、近所の飢えた芸術家スタッシュ、それにセコンドが声をかけた車のセールスマンのボブ(キャンベル・スコット)といった面々。晩餐会がはじまった。前菜、スープ、魚料理、鳥肉料理に続いて、兄弟の故郷の特産品ティンパーノが用意された。客たちは舌鼓を打ちながら主賓のルイ・プリマを待つ。ところが彼はやってこない。兄弟は精一杯客をもてなすが失望は隠せない。トイレでセコンドはガブリエラに慰めてもらうが、そこにフィリスが来たから大変。不穏な宵の終わり。兄弟はパスカルがルイ・プリマを最初から招いていなかったと知る。すべては彼らを破産させて二人を雇おうという彼の企みだったのだ。セコンドはパスカルに啖呵を切るが今や遅し。痴話喧嘩の果てに海に飛び込んだフィリスは海に飛び込む始末。夜の浜辺で一息ついた時、プリマはイタリアへ帰る話を持ちだすが、セコンドは切れるばかり……。朝。「パラダイス」の厨房。無言で朝食をとる二人。兄弟の絆は切れることはないのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- スタンリー・トゥッチ
- キャンベル・スコット
- 脚本
- スタンリー・トゥッチ
- ジョセフ・トロピアーノ
- エグゼクティブプロデューサー
- キース・サンプルズ
- デビッド・カークパトリック
- 製作
- ジョナサン・フィリー
- 共同製作
- スタンリー・トゥッチ
- キャンベル・スコット
- 撮影
- ケン・ケルシュ
- 美術
- アンドリュー・ジャックネス
- 音楽
- ゲイリー・デミシェル
- 編集
- スージ・エルミガー
- 衣装デザイン
- ジュリア・エー・ポルスカ
- 字幕
- 松浦美奈
- フード・スタイリスト
- デボラ・ジェイ・ディサバティーノ